2016年:呪いが解けた年、そして108年ぶりのワールドシリーズ優勝
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「シカゴ・カブス」の記事における「2016年:呪いが解けた年、そして108年ぶりのワールドシリーズ優勝」の解説
2016年は、エースのアリエタが4月21日のシンシナティ・レッズ戦で史上7人目となる2年連続のノーヒットノーランを達成する等、地区優勝を果たした2008年以来の7割7分3厘という圧倒的な勝率で4月の地区首位を確定、11-8で勝利した6月27日のシンシナティ・レッズ戦でクリス・ブライアントが近代メジャーでは初となる1試合でのホームラン3本と二塁打2本を記録した。そして首位を独走して9月16日、チームはブルワーズに逆転負けしたものの、マジック対象チームだった中地区3連覇中のカージナルスがジャイアンツに2-6で敗れて8年ぶりの優勝。3地区制になってから146試合での優勝は史上5番目の速さだった。8年ぶりの地区優勝を果たしても勢いは止まらず、9月20日のレッズ戦でジェイソン・ハメルが15勝目を挙げ、エースのアリエタ、レスター、カイル・ヘンドリックスも既に15勝を挙げていてチームに4人の投手が15勝以上を挙げたのも、9月26日のパイレーツ戦を12-2で勝利し球団史上6回目となるシーズン100勝を挙げたのはいずれも81年ぶりである。 2年連続のポストシーズンゲームを迎え、ワイルドカードゲーム(英語版)を制したサンフランシスコ・ジャイアンツとのNLDS(英語版)では、カブスの2勝1敗で迎えた敵地AT&Tパークでの第4戦、2対5のビハインドで迎えた9回表に一挙4点を挙げ、6対5で勝利。ポストシーズンで9回以降3点のビハインドから逆転するという30年ぶりの偉業で2年連続のリーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。そして、西地区を制したロサンゼルス・ドジャースとの顔合わせとなったNLCSも4勝2敗で制し、71年ぶり17回目のリーグ優勝、ワールドシリーズへの出場を成し遂げた。 19年ぶりにアメリカンリーグを制し68年間優勝から遠ざかっているクリーブランド・インディアンスとの顔合わせとなったワールドシリーズでは、第1戦は相手エースのコーリー・クルーバーを打ち崩せずに完封負け。第2戦はリゾのタイムリーで先制すると5回にはレイズ時代にマドン野球を叩き込まれ、前年ロイヤルズの一員でワールドシリーズを制している4番のゾブリストもタイムリーで追加点を挙げ、5-1で勝利する。地元シカゴに戻っての第3戦は0-0で迎えた7回表1死1塁3塁で11年ぶりに復帰したココ・クリスプの一振りに沈むと、第4戦も初回にコーリー・クルーバーからリゾのタイムリーで1点を先制するものの、2回に先発のラッキーが先頭のカルロス・サンタナに同点のソロホームランを浴び、その後2死にするもののコーリー・クルーバーの打順で打球はサードゴロ、これを処理しようとしたサードのクリス・ブライアントの送球をファーストのリゾが取れずに後ろに逸らしてしまい、その間に生還され逆転される。3回も無死2塁でフランシスコ・リンドーアにタイムリーを打たれたのに続き、6回には1死1塁3塁でロニー・チゼンホールに犠飛を打たれ1-4。更に7回には無死1塁3塁でジェイソン・キプニスにとどめの一撃となるスリーランホームラン浴び1-7。8回にファウラーがアンドリュー・ミラーからソロホームランを放つのがやっと。1勝3敗と崖っぷちに立たされる。後のなくなった第5戦も2回に2アウトの場面でレスターがホセ・ラミレスにソロホームランを打たれて、この試合も先制される。しかし4回にこのシリーズ不振に陥っていた先頭のクリス・ブライアントが重苦しいリグレーフィールドの空気を一掃する待望のシリーズ初ホームラン。これで打線に火が付き、無死1塁3塁とチャンスを広げてアディソン・ラッセルがサードへのタイムリー内野安打で逆転。更に1死満塁でそのシーズン限りで現役引退を宣言し、レスターが登板している時の女房役であるデビッド・ロスがレフトへ犠飛を放ってサードランナーのゾブリストが生還しこの回3点を奪う。しかしレスターがピリッとせず、6回2死2塁でリンドーにタイムリーヒットを打たれて1点差。しかし続くマイク・ナポリの打席でリンドーに盗塁を企図されるが、ロスが刺して何とか最少リードで凌ぐ。続く7回も1死2塁。ここでマドンはクローザーでヤンキースから獲得したチャップマンを投入。チャップマンが期待通り9回まで抑えてリグレーフィールドでは71年ぶりとなるワールドシリーズ勝利で2勝目と踏みとどまる。クリーブランドに戻っての第6戦は勢いが止まらず初回、その年13勝を挙げたジョシュ・トムリンからクリス・ブライアントが2試合連続ホームラン。さらにリゾとゾブリストが連打で繋ぎ2死1塁3塁でラッセルのライトへの打球をセンターのタイラー・ネイキンが後ろに逸らしてしまい、ライトのチゼンホールもカバー出来ない隙をついて2者が生還し3点を奪う。更に3回にはシュワーバーがフォアボールを選び、クリス・ブライアントこそ打ち取られるものの、初回に続きリゾとゾブリストがヒットで繋ぎ1死満塁とし、ラッセルがワールドシリーズでは11年ぶりとなる満塁ホームラン(グランドスラム)をやってのけ、3回までに7点を奪ってトムリンを降板させ、その後9回にも2点を奪って9-3で勝利し土俵際からの連勝で逆王手をかける。最終戦はデクスター・ファウラーが三度立ちはだかったコーリー・クルーバーからワールドシリーズ第7戦では史上初の先頭打者本塁打を放ち先制。3回にヘンドリックスがカルロス・サンタナにタイムリーを許し追いつかれるものの4回に先頭のクリス・ブライアントがヒット、リゾがデッドボールで出塁し続くゾブリストの打球はファーストゴロのゲッツーコースだったがファースト・ナポリの送球がそれてセカンドのリンドーがカバーするのが精一杯でアウトを1つしか取れずに1死1塁3塁。ラッセルが浅い犠牲フライを放つもサードランナーのクリス・ブライアントが迷わず本塁に突入しこれが功を奏し、続くコントレラスがセンター・ラージャイ・デービスの頭上を抜くタイムリーツーベースヒットで2点を勝ち越す。更に5回この回先頭のハビアー・バエズが右中間のホームランで貴重な追加点を挙げコーリー・クルーバーをマウンドから引き摺り下ろしたのに続き、2死にはなったものの2番手のミラーからクリス・ブライアントがフォアボールで出塁するとリゾの打席でランエンドヒットを仕掛けたのが功を奏し、クリス・ブライアントが一塁から一気に生還し2点を追加して5-1とする。その裏2死1塁の状況で本来先発のレスターがマウンドに上がり、キャッチャーをロスとバッテリーごと入れ替える策に出るが、キプニスのキャッチャーゴロをそのロスが一塁に悪送球を犯して2塁3塁としてしまうと、続くリンドーの打席でレスターがロスのキャッチャーミットに命中するほどの暴投。3塁ランナーのサンタナに続き2塁ランナーのキプニスまでもが生還し2点差とされる。6回にロスが前のイニングの守備のミスを取り返すセンターオーバーのソロホームランで一旦は3点リードするものの8回裏2死1塁の場面で3連投のチャップマンがフルカウントからブランドン・ガイヤーに右中間を破るツーベースヒットで2点差。なおもランナー2塁でラジェイ・デービスにレフトスタンドに飛び込む同点のツーランホームランを浴び6-6と追い付かれて延長戦に縺れる。雨が降って17分間の中断を経て延長10回に先頭のシュワーバーが9回1死の場面から投げているブライアン・ショウからライト前ヒットで出塁するとマドンは代走にアルバート・アルモーラ・ジュニアを起用し勝負に出ると続くクリス・ブライアントが深い位置でのセンターフライを打ち上げてアルモーラ・ジュニアは迷わず2塁へのタッチアップに成功する。リゾを敬遠で歩かせると5番のゾブリストがレフト線を破るツーベースヒットでアルモーラ・ジュニアが生還し勝ち越し。ラッセルをイニング2度目の敬遠で歩かせ満塁策とすると代打のミゲル・モンテロが三遊間を破るタイムリーヒットで8-6と勝ち越す。最後はカール・エドワーズ・ジュニアがラジェイ・デービスにタイムリーを許すものの、最後のマイケル・マルティネスをモンゴメリーがショートゴロに打ち取り試合終了。1勝3敗と先に王手をかけられた所からの3連勝で、108年ぶり3回目のワールシリーズ優勝を果たした。第4戦を終えて1勝3敗からの3連勝は1985年のロイヤルズ以来31年ぶり、敵地で連勝してのワールドシリーズ制覇は1979年のパイレーツ以来37年ぶりである。
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