2010年代後半 -新たな時代へ~再建と低迷-
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「インテルナツィオナーレ・ミラノ」の記事における「2010年代後半 -新たな時代へ~再建と低迷-」の解説
2015-16 2015-16シーズン前の夏の移籍市場では、コバチッチ、カンパニャーロ、エルナネス、オビ、クズマノヴィッチらを放出し、ジョフレイ・コンドグビア、ステヴァン・ヨヴェティッチ、ミランダ、イヴァン・ペリシッチ、アデム・リャイッチ、フェリペ・メロ、マルティン・モントーヤ、アレックス・テレス、ジェイソン・ムリージョ、ジョナタン・ビアビアニーを獲得し大規模な補強とチームの入れ替えを敢行した。2015-16シーズンは新戦力のミランダ、ジェイソン・ムリージョ、守護神のサミル・ハンダノヴィッチらが支える堅守を武器に49年ぶりの開幕戦から5連勝を成し遂げ、首位に立つなど序盤は絶好調であった。しかし、2016年1月11日のサッスオーロ戦での敗北以降、失速。冬の移籍市場でエデルを獲得したものの目立った効果はなく、リーグ戦はチャンピオンズリーグ圏外の4位に終わった。コッパ・イタリアでは準決勝で宿敵ユヴェントスFCと対戦。アウェーでは3-0の完敗を喫すも、ホームでは3点のビハインドを追いつき延長戦でも決着がつかず、PK戦にもつれ込んだ。しかし、PK戦で敗れ決勝進出は果たせず、無冠に終わった。 2015-16シーズン終了後、中国の大手家電販売グループの蘇寧電器グループがクラブの株式の70%を取得し筆頭株主となり、新たなオーナーが誕生することになった。なお、エリック・トヒルは会長の座に留任することになる。 2016-17 2016-17シーズンは、EURO2016においてポルトガル代表の優勝に貢献したジョアン・マリオを筆頭に、クリスティアン・アンサルディ、アントニオ・カンドレーヴァ、セビージャFCのヨーロッパリーグ優勝に貢献したエベル・バネガ、リオデジャネイロオリンピックにおいてブラジル代表の金メダル獲得に貢献したガブリエウ・バルボーザなどを獲得した。しかしロベルト・マンチーニ監督とフロントとの間で亀裂が入り、マンチーニは開幕を前にして辞任。後任にはフランク・デ・ブールが就任した。ところがシーズンが始まってもなかなか勝ちを重ねることかできず、デ・ブールは解任された。後任はステファノ・ピオリが就任した。ピオリ就任後は上昇傾向にあったものの、最後に大きく崩れ7位に終わり、欧州カップ戦の出場権を逃した。 2017-18 2017-18シーズン夏の移籍市場では例年ほど大きな動きを見せなかったものの、ルチアーノ・スパレッティを新監督に迎え、ミラン・シュクリニアル、ボルハ・バレロ、マティアス・ベシーノなど主力級の選手をピンポイントで補強。これが功を奏し開幕戦から第16節まで無敗をキープしたが、12月に入ると8試合未勝利の急失速に陥った。それでも第24節のジェノア戦で勝ち星を取り戻すと復調を見せUEFAチャンピオンズリーグ出場権争いに復帰。ラツィオとのCL出場権をかけた最終節で勝利を収めて4位を確定させ、7シーズンぶりにCL出場権を獲得した。 2018-19 昨年から一転して積極的に立ち回り、ユベントスからクワドォー・アサモア、ラツィオからステファン・デ・フライをいずれもフリーで、さらにはローマからラジャ・ナインゴランと、ライバルチームの実力者の獲得に成功。またアトレティコ・マドリードからシメ・ヴルサリコ、ASモナコからケイタ・バルデ、ラシン・クルブからラウタロ・マルティネスを獲得し、充実した補強に成功した。2018年12月、CEOにユヴェントスFCを退任したジュゼッペ・マロッタの招聘を決定。冬の移籍ではセドリック・ソアレスらを獲得した。 シーズンの始めこそバタついたものの、第5節から7連勝を記録するなど徐々に調子を上げる。しかし11月に入ると上位陣との対戦が多く苦戦し、そのまま調子が下降した。2月には主将のマウロ・イカルディが妻で代理人のワンダ・ナラの挑発的な発言でクラブと対立し、シーズン途中に異例の主将剥奪を受けるなど最後までチーム状態が混乱していたが、順位を維持。終盤で3位から4位に順位を下げたものの最終節エンポリ戦で勝利しそのままフィニッシュ、2010-11/2011-12シーズン以来8年ぶりとなる、2季連続でのCL出場権獲得となった。 7年ぶり出場となったCLはグループステージでバルセロナ、トッテナム、PSVと同グループとなった。連勝スタートを切り、バルセロナとの2連戦も1分け1敗で凌いでベスト16進出に大きく近づいたが、残り2試合で1分け1敗と失速し、総得点数の差でトッテナムに逆転され3位となり、ヨーロッパリーグに回ることになった。ELはベスト16まで進むが、ラウンド16・フランクフルト戦はイカルディが招集を拒否するなどチームの混乱を抑えられず、2戦合計0-1で敗退した。 2019-20 ルチアーノ・スパレッティ監督を解任し、新監督にアントニオ・コンテを招聘。アトレティコ・マドリードを退団したディエゴ・ゴディン、ダウベルトとトレードでクリスティアーノ・ビラーギ、パルマからアレッサンドロ・バストーニ、サッスオーロからステファノ・センシ、カリアリからニコロ・バレッラ、さらにマンチェスター・ユナイテッドからロメル・ルカクとアレクシス・サンチェスを獲得し、充実の陣容を揃えた。昨年問題児と化したイカルディはパリ・サンジェルマン、ミランダを江蘇蘇寧、ジョアン・マリオをロコモティフ・モスクワ、ナインゴランをカリアリ、イヴァン・ペリシッチをバイエルン・ミュンヘンへ放出し、人員整理にも成功した。冬の移籍市場では、マンチェスター・ユナイテッドからアシュリー・ヤング、チェルシーFCから買取オプション付きの期限付き移籍でビクター・モーゼス、トッテナム・ホットスパーからクリスティアン・エリクセンを獲得した。 2020年に発生した新型コロナウイルスの世界的な感染拡大でセリエAを含む全ての試合が一時的な中断となった。しかし、リーグ戦は近年の成績と比較すると攻守ともに素晴らしいパフォーマンスを披露し、最終的に24勝4敗10分勝ち点82、2010-11シーズン以来となる2位で終えた。総得点数81ゴールは1951-52シーズン(86ゴール)に次ぐクラブ史上最多得点数であり、36失点はリーグで最も失点を抑えたチームとなった。CLのグループステージはバルセロナ、ドルトムント、スラヴィア・プラハと同グループになった。グループステージでの成績は2勝1分3敗で3位となり、2シーズン連続のグループステージでの敗退となった。ELは前身大会UEFAカップ時代の1997-98シーズン以来の決勝進出を果たしたが、セビージャに2-3と逆転負けをし、優勝を逃した。 2020-21 夏の移籍市場では前シーズンを支えたゴディン、カンドレーヴァなどが移籍し、ペリシッチとナインゴランがレンタル移籍から復帰。アクラフ・ハキミ、アレクサンダル・コラロフ、アルトゥーロ・ビダル、マッテオ・ダルミアンを獲得した。 シーズン前半戦はミラノダービーの敗北やCLのグループステージで1勝しかできず3シーズン連続GL敗退をするなどコンテへの批判があった。しかし、シーズン後半戦は冬の選手補強が無かったもののエリクセンとペリシッチがチームにフィットし始めたこともあり、第18節ユヴェントス戦は2-0と2016-17シーズン以来の勝利を収めた。その後優勝が決まるまで11連勝&18戦無敗で首位をキープし、第34節サッスオーロ対アタランタ戦が引き分けに終わり、2009-10シーズン以来11年ぶり19回目のスクデットを獲得した。結果的にリーグ戦は2006-07シーズン以来となる勝点90超えとなり、28勝7分3敗勝点91の独走状態で終えた。 2021-22 2021年5月26日、アントニオ・コンテ監督が蘇寧グループの財政難によりフロントの補強プランと食い違いが生じたために電撃辞任し 、新監督にシモーネ・インザーギを招聘。財政難の影響で昨シーズンに目覚ましい活躍でチームに貢献したハキミをパリ・サンジェルマンへ、ルカクをチェルシーへ高額な移籍金と共に放出した。また昨シーズンに中盤で本領を発揮し始めたエリクセンが代表戦にて心停止で倒れ復帰の見通しも立たなくなるなど、優勝の余韻に浸る間もなく当初は暗い話題ばかりが先行した。一方で補強面はミランからハカン・チャルハノールをフリーで獲得。PSVからデンゼル・ダンフリース、ローマからエディン・ジェコを獲得し、さらにインザーギを恩師と慕うホアキン・コレアをラツィオからレンタルで迎え入れた。軸となる主力選手や優勝監督が離脱した開幕前は各方面から厳しい予想が並んだが、インザーギ監督が早々にまとめ上げたチームは攻守に安定感を発揮し、念願のCLグループステージ突破に加えリーグ戦では第17節で首位に浮上した。冬の移籍市場ではアタランタからロビン・ゴセンス、ジェノアからフェリペ・カイセドをレンタルで獲得した。コッパ・イタリア決勝で延長の末にユヴェントスを4-2で破り11シーズン振りに大会優勝を果たした。リーグ戦は首位に立つミランを猛追するも一歩及ばず2位となった。
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