.hack//G.U. Vol.2 君想フ声
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 05:24 UTC 版)
「.hack//G.U. (ゲーム)」の記事における「.hack//G.U. Vol.2 君想フ声」の解説
AIDAに襲われたアトリだったが、クーンがメイガスの「増殖」を使ったことで何とか未帰還者になる事は防げた。しかし碑文(モルガナ因子)を奪われた影響か、アトリのPCは崩壊を始め、音声の不調にグラフィックの欠損を起こす。そして異変はアトリだけではなかった。 現在「The World」にログインしているプレイヤー全員の意識が「The World」のゲーム内へと取り込まれていたのだ。意識がリアルの肉体から離れ、PC自体と一体化し、ログアウトもできない。あまりの異常自体にプレイヤー達がパニックに陥る中、G.U.はここがAIDAが「The World」のサーバーを模して作った一種のミラーサーバーだと判断し、ハセヲ達は月の樹の協力を得てAIDAの捜索と駆除に乗り出す。しかし再会したオーヴァンから八咫は解決方法を既に知っている事と、敢えてそれを実行せずAIDAの実験にプレイヤー達を利用していると知らされる。問い詰められた八咫は平然と「確証が持てなかったから黙っていた」と返すだけだった。その態度に苛立ちながらもハセヲ達は「The World」のシステムを管理するオペレーションフォルダを目指す。ここが本物のサーバーを模しているならオペレーションフォルダも存在するはず。そしてそこを操作すれば全プレイヤーを強制的に元のサーバーに転送できるはずだと。 オペレーションフォルダに到達したハセヲ達は待ち受けていたAIDAを倒し、プレイヤー達の転送を開始する。通常サーバーへと転送されていく中、ハセヲの前に再びAIDAが現れるが、謎の「羽男」と「裸男」に倒される。彼らの背後に聳える棺桶の中には、倒したはずの三爪痕がいた。 AIDAサーバーからの脱出に成功したが、あの出来事の間、現実では僅か数分しか時が流れていなかった。当然、巻き込まれたプレイヤー達は騒ぎ立てるもあまりに非現実的な証言から当事者以外は誰も信じず、たちの悪いデマとして早々に片付けられてしまう。また、アトリのPCの崩壊こそ止まったものの、グラフィックの欠損とリアルにおける腕の麻痺は治らなかった。クーンはプレイヤーの安全を優先し、AIDAのことを全て公表してサーバーを封鎖するべきだと訴えるが、八咫にはそれでは解決しないと一蹴される。公表した所でAIDAサーバーのパニックが現実に広がるだけで、未帰還者を救う手立てのある「The World」にもアクセスできなくなり、そしてAIDAの興味は外の世界へと向いてしまうだろうと。ハセヲも三爪痕がまだ健在である事から、志乃救出のためにもサーバー封鎖はするべきではないと賛同。彼らの態度に業を煮やしたクーンはG.U.を飛び出していく。 協力するとは言ったが八咫の態度は気に入らない。志乃とアトリを救う手立ても無い。苛立つハセヲにオーヴァンが接触を図ってくる。彼は八相の碑文全てを集める事で「真実」が明らかになると告げ、相変わらず腹の底を見せないまま去って行く。今、ハセヲが手にしている碑文は自分のものを含めて4つ。残りのうち1つはアトリの碑文で、所在の分からないものは3つ。ハセヲはオーヴァンへの不信感を募らせながらも、真実を知るべく碑文を全て揃える事を決意する。 θサーバーに移動したハセヲは、揺光が様子のおかしい天狼と揉めている場面を目撃する。天狼がAIDAに感染している疑惑が上がった事で、そのAIDAこそがアトリの碑文を奪った元凶の可能性があると睨んだハセヲは改めて揺光と接触。しかし逆に揺光に協力を頼まれ、天狼の異変の原因を探るべく、彼と戦うタイトルマッチを目指して碧聖宮トーナメントへの参加を決意。同じ頃、ハセヲの過去を知ったアトリは今まで自分の都合を押し付けていた事を謝り、自身もトーナメントへの参加を申し出てきた。揺光、アトリとチームを組み、更にシラバスとガスパーの協力で3rdフォームへのエクステンドを果たしたハセヲはトーナメントを順調に勝ち進んでいく。 しかし決勝を前に怪しいメールに呼び出された揺光は謎の刺客にPKされ、駆け付けたハセヲの腕の中でロスト。リアルの揺光のプレイヤーも未帰還者になってしまう。悲しみに暮れるハセヲだったが、揺光の最後の言葉に従い、彼女の代わりにエンデュランスを仲間に加えるべく行動する。そしてロストグラウンドにて心を閉ざしたエンデュランスを発見するも、彼に心酔する朔が立ち塞がる。実は碑文使いだった朔はAIDAに寄生されており、憑神ゴレを開眼させてしまう。ハセヲはゴレを撃退し、朔に寄生していたAIDAを駆除した。ハセヲはエンデュランスの説得を試みるも、心の拠り所を失った彼は聞く耳を持たない。ハセヲは彼を激しく叱責し、最後に「俺にはお前が必要だ」と告げて去っていく。 決勝戦の相手はAIDAに寄生されたボルドーであり、彼女こそが揺光をPKした犯人であった。怒りに震えるハセヲだったが、AIDAの力を得たボルドーの前に追い詰められていく。窮地に陥ったハセヲを救ったのは、自分を必要としてくれたハセヲの剣となるべく再起したエンデュランスだった。逆転したハセヲはボルドーに寄生していたAIDAを駆除。エンデュランスと朔望を新たに仲間に加え、残る碑文を全て集める決意を新たにする。 その後のタイトルマッチにて、エンデュランスに加え、アトリの意志を汲み取って戻ってきたクーンと共に天狼と対決する。天狼のチームメンバーは三爪痕の仲間と思しき羽男と裸男だった。ハセヲは天狼を正気に戻すべく全力でぶつかり、遂にそのAIDAを引き摺り出す。それこそがアトリの碑文を奪ったAIDAだった。ハセヲによってAIDAは倒され、天狼は正気に戻り、アトリも碑文が戻った事で腕の痺れが回復した。しかし天狼側に居た2人はその後ろに現れた全く同じ姿の羽男と裸男に倒されて消滅する。今まで戦っていたのはAIDAがアトリの碑文「惑乱の蜃気楼」で生み出した偽物だった。三爪痕の仲間がAIDAと敵対しているなら、三爪痕はAIDAではないのか?ハセヲの混乱は深まる。一方、正気に戻った天狼は自分の行動が切っ掛けで揺光が未帰還者になった事を知って深く後悔するのだった。 無事に回復したアトリだが、月の樹の仕事として榊に呼び出されたため、ハセヲの戴冠式は欠席すると言う。戴冠式で仲間や他のPC達と一時の休息を過ごしていたハセヲの前に月の樹の楓が現れ、榊が欅を裏切ってクーデターを起こしたと訴える。ただのギルドの内部抗争かと返すハセヲだが、欅をPKしたのはAIDAに感染したアトリだった。アトリの碑文を吸収したAIDAが活性化し、月の樹本部をAIDAサーバーに変えてしまったのだ。直ちにG.U.は月の樹本部の奪還作戦を開始し、ハセヲはエンデュランス、クーンと共にサインハッキングで月の樹本部に侵入。立ち塞がる松、柊、槐を退けて最深部に到達する。 榊はアトリの碑文と彼女自身のトラウマを利用し、AIDAの力を増大させていた。AIDAと碑文によってネットの全てを掌握しようとしていたのである。そして遂にアトリは憑神イニスを開眼させてしまうが、ハセヲはスケィスで立ち向かい、壮絶な激突と対話の末にイニスを沈静化させてAIDAを駆除する。それによって月の樹本部は正常化し、PKされたPC達も無事に復帰してきた。アトリは自分の所業に気付いて取り乱すも、ハセヲの言葉と欅達が無事だった事実に落ち着きを取り戻す。程なく楢の正体であった八咫によって榊の逃走先は判明し、ハセヲはパイ、そして榊と向き合うことを決意したアトリを連れてそのエリアに向かう。 追い詰められた榊は自らAIDAに感染し、禍々しい姿となってハセヲ達に襲いかかるも敗北し、谷底に消えていく。するとその場にオーヴァンが現れ「これがお前が欲した真実だ」と言って腕のギプスを外した。その下には三本の爪のような触手が生えた禍々しいAIDAの腕があった。オーヴァンこそが本当の三爪痕だったのだ。あまりの真実に呆然とするハセヲを嘲笑うようにパイとアトリはPKされてしまう。絶望するハセヲを残し、オーヴァンは消えた。 幸い、アトリとパイのプレイヤーは意識を取り戻した。ハセヲはオーヴァンと決着を付けるべく、彼の待つ背面都市マグニ・フィへと向かう。志乃をPKしたのも、榊にAIDAを与えて嗾けたのもオーヴァンだった。怒りと悲しみをぶつけるように、ハセヲはオーヴァンに戦いを挑んだ。戦いの中、実は碑文使いだったオーヴァンは自身の憑神コルベニクを発現させる。ハセヲは死闘の末、オーヴァンを倒した。追い求めていた仇を打ち倒したハセヲ。しかし未帰還者を救う手立ては何も分からず終いだった。そしてオーヴァンの真の意図も…。 後日、ハセヲはアトリに呼び出され、グリーマ・レーヴ大聖堂へ向かった。短い間に色々なことが起こり過ぎたため、一度ゆっくり話がしたいのだと言う。だが、アトリはハセヲの背後のなにかに気付いて言葉を失った。ハセヲが振り向くと、そこには倒したはずのオーヴァンがいた。 「もっと強くなれ。俺を斃せるほどに」
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