補助金搾取・寄付金支援金横領・監禁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/28 03:19 UTC 版)
「ナヌムの家」の記事における「補助金搾取・寄付金支援金横領・監禁」の解説
ナヌムの家の入居者らは一人も20年以上にわたって集められた118億ウォンを超える後援金などの恩恵を一切得られず、むしろナヌムの家側に月10万ウォン(約9000円)を受け取る代わりに後援金や補助金など金銭面に一切に関与しないという約定書に拇印を押さなければならなかった。2020年の内部告発職員が公開した約定書には「2001年1月から亡くなるまで月10万ウォンを支給することを約束する」「同時に慰安婦はナヌムの家の後援金に一切関与しないよう約定して誓う」という文面だったが、月10万ウォンさえも2009年から10年以上も中断されていた。更に慰安婦らは本人が希望する外出や遠足はナヌムの家から禁止されて一度も行けない監禁状態であるのに、ナヌムの家主催の行事にはいつでも参加が義務になっていた。ナヌムの家を運営する社会福祉法人『大韓仏教曹渓宗ナヌムの家』は慰安婦の生活安定と福祉を名分に掲げているが実状は乖離していて、法人名義の現金資産だけで72億ウォンを持っているにも関わらず、10人以上生存していた時から20年間慰安婦を世話する看護師はたった1人だった。施設であるはずのナヌムの家からは居住地提供以外一切支援は無いので、病院費・看病費・生活物品まで慰安婦ら個人の財布から支出している有様だった。実際に2019年6月に慰安婦の一人が壊れたベッドから落ちてケガをした際にも、施設の事務長は病院に連れて行くこと拒否し、ベッドの買い替えも拒否していたことが告発によって明らかになっている。告発した職員らはナヌムの家法人が無法天下だったのは、管理・監督機関である広州市と京畿道、そして捜査機関の幇助があったためとしてナヌムの家の官側主務部署である京畿道と広州市、現地警察・検察にも責任と罪を問うべきだとも指摘している。ナヌムの家の職員が、政府、自治体からの補助金・支援金が正しく使われていないと内部告発し、広州市が特別監査を行った結果、元慰安婦に食費として支給された補助金を職員の食費と一緒に使っていたり、支援金が建物の増築費用として使われていることが明らかになり、警察も調査を開始した。さらに、将来的にナヌムの家に暮らす元慰安婦全員が他界した場合、施設を老人ホームに改装する計画を立て、支援金を改装費に回すために費用の節減を求められ、多額の支援金を集めているのにもかかわらず、多くの費用を元慰安婦の個人口座から支出せざるをえず、元慰安婦のために十分に使われずにいるとの告発もある。先述の、当時この施設で歴史館研究員を務め、のちに解雇された日本人ボランティアも、看護体制が不十分で、認知症防止や心理治療など元慰安婦が参加できる生活プログラムがない。後援者の声が伝わる運営をしなければならないと10年前にも問題を提起していたが、「日本の右翼を利するだけ」として日韓の慰安婦運動支持者らに無視されていた 。内部告発以降、法人と法人を支持する職員側と、告発者側の内部対立が激化しており、双方による非難の応酬となっている。 2020年5月には2019年の国庫補助金3億743万ウォンのうち、入居者らに支給されのはは28万ウォンに過ぎなかったことが判明した。補助金全体予算に占める比率が0.3%に過ぎない、誕生日祝い金は被害者1人当たり3万ウォン(計18万ウォン)と特別慰労金は1人当たり12万8000ウォン(計76万8000ウォン)さえ、実際の当人らに誕生日祝い支給は合計9万ウォン、特別慰労金は合計19万2000ウォンで搾取していたことが批判を呼んだ。民間からの寄付金である後援金だけで2019年の1年で26億152万ウォンを集めていたが、6400万ウォンしか当人らに渡していなかった。更に入居者ら6人で2018年の1年間に、ナヌムの家から外出した回数はわずか4回とし、施設近くの豚カルビ食堂で外食したのを除くと「証言行事」以外外出が禁止されていた。これは朴裕河教授にペ慰安婦が慰安婦らは監視下監禁状態にある証言していたが、これが大衆にも漸く広く知られた。 2020年5月27日、大韓民国国家人権委員会は元慰安婦に対する人権侵害の疑いで、ナヌムの家の調査を開始した。 2020年6月2日、ナヌムの家の運営法人は懲戒委員会を開き、一連の疑惑の責任を取る形で安信権所長と他一名の職員を事実上解雇した。 2020年には2015〜2018年の支出決議書を見れば、安所長など運営スタッフの説明が虚偽であることが指摘された。更に、慰安婦らに費やされたの2019年の1年間で慰安婦10人(当時)、4月には10万ウォン、5月には外出ランチ費用10万3千ウォン、マッコリ6千ウォン、バスのレンタル料40万ウォン、7月には慰安婦とスタッフの夕食に6万6千ウォン、ハンガー8万9千ウォンの76万4千ウォンだった。この期間にナヌムの家法人への後援金は9億6千万ウォンだが、法人から中抜きされて、施設に入ったお金は2千435万ウォン。更に慰安婦らのためと判断できる支出は上記の76万ウォンだけで、これは2019年の後援金の0.08%という99.92%を搾取するという有様だった 2020年8月11日、ナヌムの家の寄付金流用疑惑などを調べていた京畿道と民間有識者による官民合同調査団は、2015年から2019年までに集めた後援金寄付金88億ウォンの大半が目的外に流用されていたと発表した。元慰安婦の生活施設に使われたのは全体の2.3%にあたる約2億ウォンにすぎず、その多くも施設運営費などの間接経費に使われ、元慰安婦に直接支援された金額はごくわずかであった。さらに、調査の過程で介護人が元慰安婦に対して暴言などの心理的虐待があった事実も明らかになり、京畿道は調査内容を検討した上で、警察への告発や行政処分を科す方針。 2020年12月18日、韓国警察は、詐欺や業務上横領容疑で安信権前所長らを書類送検した。
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