補助銀貨とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 経済 > 貨幣 > 銀貨 > 補助銀貨の意味・解説 

補助銀貨

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/06 08:47 UTC 版)

Jump to navigation Jump to search

補助銀貨(ほじょぎんか)とは、正貨である本位貨幣を補助する目的で発行される小額面の硬貨のうち、比較的高額の硬貨に用いられる、を主成分とする貨幣を言う。金本位制や銀本位制が廃止されて以降、補助銀貨とは称しないが、1960年代頃まで多くの国々で素材価値と額面価値がリンクしない硬貨としての銀貨が一般流通用として発行されていた。

概要

本位銀貨においては、標記額面と実質価値に差がなく、概ね90%程度以上の銀純度を持って鋳造されるが、補助銀貨においては、品位を下げるか、量目を減らすか、またその両方である定位貨幣が多く、多くの場合限定通用力しか有していない。

補助銀貨や硬貨としての銀貨は銀価格の高騰と、銀の工業利用の急増により、アメリカ、日本、ヨーロッパ諸国など殆どの国々で概ね1970年代半ばまでに姿を消し、白銅貨やニッケル貨に置き換えられた[1]

20世紀半ば過ぎ頃まで鋳造されていた諸国の硬貨としての銀貨の品位は、フランスの5フラン、スイスの5フランが.835、オランダの2.5ギルダーが.720、ドイツの5マルクが.625、アメリカの50セントは.400であった。

日本

近代日本では新貨条例施行で登場した洋式貨幣のうち、5銭硬貨から50銭硬貨の4種類が初めて補助銀貨として鋳造された。これらの補助銀貨は品位.800であった。明治39年(1906年)から大正7年(1918年)頃は銀価格が上昇し補助銀貨に鋳潰しの恐れが生じたため量目変更など改正を迫られる場面もあった[2]

また、戦後初の銀貨として登場した100円銀貨は臨時通貨法を根拠法とした臨時補助貨幣としての銀貨であった、こちらは品位.600であり、上質な銀貨ではなかった。なおこの100円銀貨は1988年施行の通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律によって貨幣と見做されることになり現在も法定通貨である[1]

アメリカ

アメリカにおいては1873年にそれまでの金銀複本位制が破棄され金本位制となり、本位金貨に対し、1/2ドル、1/4ドル、1ダイムの硬貨が補助銀貨として発行されていた。1933年までは法貨としての通用制限額が5ドルとされていたが、1933年に銀貨の通用制限額が撤廃された [3]

1ドル銀貨については1878年から再び発行され法貨として無制限通用となったものの、本位貨幣としての自由鋳造は認められず政府が必要に応じて銀地金を市場価格で購入して造幣局で銀貨に鋳造する定位貨幣であった[4]

参考文献

  1. ^ a b 石原幸一郎 『日本貨幣収集事典』 原点社、2003年
  2. ^ 造幣局125年史編集委員会編 『造幣局125年史』 大蔵省造幣局、1997年
  3. ^ Carothers, Neil (1930). Fractional Money: A History of Small Coins and Fractional Paper Currency of the United States. New York: John Wiley & Sons, Inc. (reprinted 1988 by Bowers and Merena Galleries, Inc., Wolfeboro, NH). ISBN 0-943161-12-6.
  4. ^ 堀江帰一 『貨幣論』 同文館、1927年

関連項目


補助銀貨

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 16:05 UTC 版)

日本の補助貨幣」の記事における「補助銀貨」の解説

詳細は「日本の銀貨」を参照 以下の補助貨幣は「小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律」により昭和28年1953年)末限り廃止された。 明治4年1871年)には50銭、20銭、10銭、および5銭の補助銀貨が制定された。 明治5年1872年)には5銭の補助銀貨が改正された。 明治5年1873年)には50銭、20銭、10銭、および5銭の補助銀貨が改正された。ただし20銭、10銭、および5銭は発行されず。 明治6年1874年)には50銭、20銭、10銭、および5銭の補助銀貨が改正された。 明治30年1897年)には50銭、20銭、および10銭の補助銀貨が制定された。 明治39年1906年)には50銭、20銭、および10銭の補助銀貨が改正された。 明治40年1907年)には10銭の補助銀貨が改正された。 大正7年1918年)には50銭、20銭、および10銭の補助銀貨が改正された。ただし20銭は発行されず。 大正11年1922年)には50銭、および20銭の補助銀貨が改正された。ただし20銭は発行されず。

※この「補助銀貨」の解説は、「日本の補助貨幣」の解説の一部です。
「補助銀貨」を含む「日本の補助貨幣」の記事については、「日本の補助貨幣」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「補助銀貨」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



補助銀貨と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「補助銀貨」の関連用語

補助銀貨のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



補助銀貨のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの補助銀貨 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの日本の補助貨幣 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS