裁判員裁判における主な特筆事件
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初の裁判員裁判事件 - 足立区女性整体師刺殺事件、2009年8月3日東京地方裁判所初公判 初の性犯罪事件 - 十和田市2女性強盗強姦事件、2009年9月2日青森地方裁判所初公判 初の複数人殺害事件 - 米子市会計事務所社長殺害事件、2010年2月23日鳥取地方裁判所初公判。起訴事実が強盗殺人罪であり、被害者が2人であることから、検察官が裁判員裁判で初めて死刑を求刑する可能性もあるとみられていた。しかし、検察官は被告人が仕事で被害者に追い詰められていたことなどを考慮し、死刑ではなく無期懲役を求刑した。 初の一部無罪確定事件 - 東京都内少年連続ひったくり事件、2010年6月9日東京地方裁判所立川支部判決 初の心神喪失が争点になった事件 - 杉並区自宅放火事件、2010年3月11日東京地裁判決 初の求刑超え事件 - さいたま市強制わいせつ事件、2010年5月19日さいたま地方裁判所判決 初の第一審判決破棄事件 - 静岡県窃盗強姦事件、2010年5月26日東京高等裁判所控訴審判決 初の死刑求刑事件 - 新橋ストーカー殺人事件別名「耳かき店員殺害事件」、2010年10月19日東京地裁初公判、2010年11月1日判決判決は無期懲役、双方とも控訴せず確定。 初の同一被告の起こした事件に対する三区分に分けての審理 - 東京都中野区暴力団組員殺害事件、仙台風俗店経営者強盗殺人事件、亘理町自衛官殺害事件(2010年10月1日 - 11月19日仙台地方裁判所判決) 初の死刑判決事件 - 横浜港バラバラ殺人事件、2010年11月1日横浜地方裁判所初公判、2010年11月16日判決2011年6月16日、被告が東京高裁への控訴を取り下げ死刑が確定したため、裁判員裁判初の死刑判決確定事件でもある。 初の被告人が未成年(少年犯罪)の死刑求刑・判決事件 - 石巻3人殺傷事件、2010年11月25日仙台地方裁判所判決2016年に判決は確定したため、初の犯行当時少年に対する死刑確定事件(少年死刑囚)でもある。また、この死刑囚は平成生まれ初の死刑囚でもある。 初の検察が死刑求刑した事件での無罪判決 - 鹿児島高齢夫婦殺害事件、2010年12月10日鹿児島地方裁判所判決審理に40日かかり当時の裁判員裁判としては最長。検察側控訴中の2012年3月10日に被告人が死亡し、公訴棄却となった。 初の全面無罪確定事件 - 中国国際郵便覚醒剤密輸事件、2011年1月24日東京地方裁判所判決 初の裁判官単独審理事件 - 津川組相談役射殺事件、2011年1月26日福岡地方裁判所小倉支部初公判、2011年2月7日判決 異例の事実誤認を理由とした2審での減軽判決 - 東伊豆町ホテル暴行死事件、2010年11月静岡地方裁判所判決、2011年3月10日東京高裁控訴審判決 初の全面無罪判決さらにそれに対する検察控訴、2審において1審での無罪判決を破棄しての有罪判決(初)、上告審で2審判決を破棄し再逆転無罪判決(初) - 成田チョコレート缶覚醒剤持ち込み事件、2010年8月第一審判決(千葉地方裁判所)、2011年3月30日控訴審判決(東京高裁)、2012年2月13日破棄自判(最高裁判所) 初の家裁送致事件 - 東京中国人少年強盗事件、2011年6月30日東京地裁判決 初の一審判決差し戻し確定 - 仙台風俗店経営者強盗殺人事件、2012年3月5日(最高裁) 初の一審判決差し戻し - 葛飾区窃盗放火事件(上告審で差し戻しを命じた控訴審判決を破棄および控訴審に差し戻し)、2012年9月7日(最高裁) 初の殺人で起訴された事件での無罪確定事件 - 浜松同居男性殺害事件、2011年2月2日静岡地裁浜松支部判決 初の量刑を不服としての検察控訴事件 - 麻布住吉会幹部射殺事件、2011年3月2日控訴審判決(東京高裁) 初の殺人による被害者が1人の事件で殺害の前科がない被告に対する死刑判決 - 松戸女子大生殺害放火事件、2011年6月千葉地裁判決死刑判決は8例目。のちに東京高裁で判決は破棄され、最高裁で無期懲役判決が確定。 初の一審判決を破棄しての二審での一部無罪判決 - NTT西日本社員強制わいせつ致傷事件、2011年8月31日控訴審判決(大阪高裁) 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の影響による、異例のDVDでの審理。少年が殺人罪に問われた事件での初の無罪判決 - 東京都中野区暴力団組員殺害事件、2011年9月1日仙台地裁判決 初の一審の有罪判決を破棄しての控訴審での逆転全面無罪判決 - 竹田母親殺害事件、2011年10月18日控訴審判決(福岡高裁) 最高裁が裁判員制度を合憲と判断した事件 - 覚醒剤密輸事件、2011年11月16日判決 初の一審無罪判決支持 - ドバイ覚醒剤密輸事件、2011年12月9日判決(新潟地裁) 初の付審判制度による裁判 - 奈良県大和郡山市警察官発砲致死事件、2012年1月23日奈良地方裁判所初公判、2012年2月28日判決 初の検察審査会の議決を経て起訴された事件 - 阿賀野強盗致死事件、2010年9月13日起訴、2012年3月16日第一審無罪判決 初の女性被告人に対する死刑判決 - 首都圏連続不審死事件、2012年4月13日さいたま地裁判決判決は2017年4月14日に最高裁で被告人側上告棄却により確定、裁判員裁判では初(戦後15人目)の女性死刑囚となった。 初の海賊対処法違反の事件 - ソマリア沖商船三井タンカー襲撃事件、2013年1月15日東京地裁判決 裁判員が国家賠償と制度見直しを求める訴訟を起した初めての事件 - 2012年(平成24年)7月26日福島県会津美里町で起きた夫婦強盗殺人事件(裁判員#元裁判員が裁判員裁判について起した訴訟、2013年5月7日福島地裁郡山支部提訴)なお、この事件の裁判自体は最高裁まで争われ、2016年3月8日付で被告人の死刑が確定している。同時に、東北地方では初の裁判員裁判による死刑判決・死刑確定事件でもある。 初のストーカー殺人事件に対する死刑判決 - 長崎ストーカー殺人事件、2013年6月24日長崎地方裁判所判決ストーカー殺人事件に対する死刑求刑は前述の新橋事件があるがこれは無期懲役判決(確定)であるため、ストーカー殺人事件に対する死刑判決は桶川ストーカー殺人事件以降では初となる。なお、判決は最高裁で確定している。 初の最高裁での裁判員裁判死刑判決確定 - 長野市一家3人殺害事件のM、2014年9月2日最高裁判決共犯者3人が起訴され、それぞれ死刑、無期懲役(後述のように死刑とした一審破棄)懲役18年が確定 初の最高裁での裁判員裁判死刑判決完全支持 - 宮崎家族3人殺害事件、2014年10月16日最高裁判決長野市一家3人殺害事件では共犯の一人の死刑判決を東京高裁の村瀬均らが破棄しているため、裁判員裁判死刑判決完全支持はこれが初となる。 裁判員裁判最長の140日間の裁判員在任期間 - 尼崎事件(主犯女Xの義妹・養子・内縁の夫の裁判。神戸地方裁判所初公判2015年5月13日〜判決公判2015年9月16日) 裁判員制度開始前に審理が開始した事件で無期懲役が確定した後に別事件で逮捕され、死刑判決が言い渡された例 - 碧南市パチンコ店長夫婦殺害事件の主犯、2015年10月29日名古屋地方裁判所初公判、2015年12月15日判決服役中の無期懲役囚が別の事件で死刑判決を受けるのは異例。共犯2人は無期懲役を言い渡されている。 裁判員裁判で死刑求刑に対する無期懲役判決を検察側が不服として控訴した初のケース - 福岡県豊前市小5女児強姦殺人事件、2016年10月2日福岡地方裁判所判決2017年6月8日、福岡高裁で控訴棄却。検察側は上告せず(被告人側は上告、その後棄却決定)、無期懲役が確定。 初の殺害被害者数6人以上の大量殺人事件の審理熊谷連続殺人事件、2016年5月20日さいたま地方裁判所に起訴、2018年3月9日に死刑判決、2019年12月5日に東京高裁で一審の死刑判決を破棄し心神耗弱を認定して無期懲役判決。その後検察官は上告せず、被告人は上告するも棄却され、無期懲役が確定。 相模原障害者施設殺傷事件、2017年2月24日横浜地裁に起訴、2020年3月16日に死刑判決(控訴取り下げにより確定) 既に別事件で死刑が確定した死刑囚が起訴されて被告人として審理される初のケースオレンジ共済組合元社長ら神奈川・埼玉不動産業者連続殺人事件 - 死刑囚YO(日医大事件・前橋スナック乱射事件で死刑が確定している)
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