航空機用ジェットエンジンにおける世界最有力企業の一つへとは? わかりやすく解説

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航空機用ジェットエンジンにおける世界最有力企業の一つへ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 15:38 UTC 版)

ロールス・ロイス」の記事における「航空機用ジェットエンジンにおける世界最有力企業の一つへ」の解説

第二次世界大戦以前ロールス・ロイス社は、数ある民生用高級自動車メーカー一つに過ぎなかった。しかし、第二次世界大戦から航空機用ジェットエンジン製造経験蓄積する事により、今日では米ゼネラル・エレクトリック社、米プラットアンドホイットニー社に並ぶ、航空機エンジンにおける世界最有力メーカー一つとなっている。また、航空機用エンジン技術により、国家安全保障重要な役割を果たす存在となっている。 遠心式ジェットエンジン 1942年フランク・ホイットル源流を持つ遠心式ジェットエンジンに関するプロジェクトであるW.2B プロジェクトを、ロールス・ロイスローバーから工場人員ごと引き継ぐこととなった航空機レシプロエンジン機械式過給器専門家スタンリー・フッカー(後のRB211トラブル解決活躍する)らのチームが W.2B の開発引き継いだシースルーモデル気流解析重ね W.2B の本質的欠陥把握したフッカーらは、ローバーで半完成状態にあった W.2B/23 (B.23) 案に技術的洗練加えたロールス・ロイス持てる要素技術ノウハウ注入したこのエンジンW.2B/23C (B.23C) は、「ウェランド」(ロールスロイス ウェランド)と命名された。本機実戦耐える水準にまで改良されており、1943年に英初のジェット戦闘機グロスター ミーティア F.1 向けに量産開始し総計167基が生産された。 続いてロールス/ロイスは、ローバーホイットル反目原因になっていた改設計型 W.2B/26 (B.26) 案の実用化着手した。この W.2B/26 (B.26) に、一足先に実用化段階達していたハルフォード H.1(後のデ・ハビランド ゴブリン)と同様の改良施し推力安定性共に大幅に向上し、また構造簡素化され製作容易にもなった。このエンジンは「ダーウェント」と命名され習作色の強いウェランド直ち代替した。 さらに、ロールス・ロイスは、アマチュア的で不安定かつ発展性見込めない W.2 の基本設計離れ、更にホイットルへの特許料支払回避兼ねてスタンリー・フッカーらのチームの手白紙の状態から設計し直したエンジン作り上げた。このエンジンは「ニーン」と命名され1944年8月に初火入れした。この「ニーン」は、遠心圧縮式ターボジェットエンジン一つ完成形である。「ニーン」は、第二次世界大戦後初期ジェット戦闘機数多く採用された。 なお、この「ニーン」は戦後発足したアトリー労働党政権誤った判断により、ソ連供与されてしまった。「ニーン」はソ連技術陣によりデッドコピーされ、ソ連はRD-45、さらにはクリーモフVK-1として大量生産され、MIG-15MIG-17搭載された。 特に朝鮮戦争においてMIG-15脅威は深刻であり、連合軍一時38度線越えて平壌制圧しいたものの、MIG-15出現により制空権奪われ、それに勢いづいた中朝軍により平壌ソウル奪回されてしまった(ソウルは後に国連軍が再奪還する)。 また、ロールス・ロイスニーン」のコピーに関する経験ソ連技術的蓄積授けることとなり、今日ロシア中国など東側戦闘機脅威生む源流となった軸流式ジェットエンジン 遠心式よりも機械的特徴航空機に向く軸流式ジェットエンジンは、構造がより複雑であり、第二次世界大戦中においてはドイツ独走状態にあった。これらの分野ドイツ人技術者は、敗戦同時に米ソ奪い合う形で自国招聘していたため、英仏独自開発余儀なくされ、スタートラインから大きく出遅れていた。 ロールスロイス社は、軸流式ジェットエンジン1945年開発着手1947年に初火入れされたが、サージング問題等の産みの苦しみ悩まされ1948年に一応の実用化果たしたものの、機械的に信頼性に足るものは1950年から量産された。これら一連のシリーズは「エイヴォン」と命名された。「エイヴォン」は堅実な設計奏功して、航空機用生産1950年から1974年まで続けられ11000基以上が生産されのみならず船舶産業動力ガスタービンエンジンとしても現用中である この他にも、ロールス・ロイスは「エイヴォン」から連綿と多種軸流式ジェットエンジン作り続けているが、特に注目すべきものとして、世界初ターボファンエンジンコンウェイ」、ターボファンエンジン「スペイ」「RB211」「テイ」、そして今日の「トレント」などが挙げられる。RB211 1960年代大型ジェット旅客機L-1011 トライスター」向けに開発中だった、新機軸大幅に盛り込んだ世界初3軸式ターボファンエンジンRB211がトラブル招いた。同エンジンへの搭載試みられ炭素繊維複合材料製のターボファンブレードであるHyfilはバードストライク試験合格できず、また採用試験運転中ファイバー剥がれ落ちてしまう事故発生した振動特性違いなどからターボファンのみを通常の金属製変更することは不可能であり、エンジン全ての再設計が必要となった。この経過は、ロールス・ロイスにとって莫大な経済的損失となった

※この「航空機用ジェットエンジンにおける世界最有力企業の一つへ」の解説は、「ロールス・ロイス」の解説の一部です。
「航空機用ジェットエンジンにおける世界最有力企業の一つへ」を含む「ロールス・ロイス」の記事については、「ロールス・ロイス」の概要を参照ください。

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