特許料(とっきょりょう)
”特許料”とは、特許権を取得・維持するために特許庁に対して支払う手数料をいう。特許料は、各年度ごとに支払わなければならず、その納付期限は、前年以前であると定められている(特許法第108条)。数年度分を、予め、まとめて支払ってもかまわない。ただし、1年度~3年度の特許料は、特許査定から30日以内に、まとめて支払わなければならない。4年目以降の特許料を、特に、年金と呼ぶこともある。

下表に、特許料納付期限と、納付しなかった場合の取り扱いを示す(7年度以降も同様であるため省略)。4年度以降の特許料については、納付期限を過ぎても6ヶ月間であれば、特許料を倍額支払うことにより納付することができる。なお、特許料が支払われているか否かは、特許庁の特許原簿に記録される。
特許料年度 | 納付期限 | 追納期間等 | 納付しない場合 |
---|---|---|---|
1~3年度 | 特許査定から30日 | 請求により30日の延長可 | 出願が無効となる |
4年度 | 3年度の末日 | 6ヶ月の追納期間あり(特許料倍額) | 3年度末日に特許権が消滅 |
5年度 | 4年度の末日 | 6ヶ月の追納期間あり(特許料倍額) | 4年度末日に特許権が消滅 |
6年度 | 5年度の末日 | 6ヶ月の追納期間あり(特許料倍額) | 5年度末日に特許権が消滅 |
・ | ・ | ・ | ・ |
なお、ヨーロッパ特許庁などでは、特許を維持するための特許維持年金だけでなく、出願を維持するための出願維持年金を支払う必要がある。特許取得時に支払う費用を、特許発行費用(issue fee)と呼ぶ。
また、米国特許庁では、日本と同様、出願維持年金は不要である。特許維持のための費用は必要であるが、各年ごとには必要でない。特許から、3年半、7年半、11年半に特許維持費用を支払う必要がある。特許取得時に支払う費用は、特許発行費用(issue fee)と呼ぶ。
(執筆:弁理士 古谷栄男)
特許料
特許料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/05 00:44 UTC 版)
特許料 (とっきょりょう、patent fees) とは、特許権者が特許を有効にするため特許庁に支払う費用をいう。日本の特許制度では特許料の納付について特許法107条で規定されている。
概要
特許出願と審査請求をして特許査定がされると、発明者はその発明を特許とするか、他者による事業的活用を認めるかを選択する。ここで、何ら手続きをしない場合はパブリックドメインとなり、商用目的を含め他者による実施が自由となる。一方で、その発明の独占専有権が欲しい場合は、所定の額の特許料を特許庁に支払うことで、特許原簿に登録され、特許発明として保護を図ることができる(特許法66条1項)。この特許料は、登録料とも呼ばれる。より長い期間で発明を特許権で保護したい場合は、追加で特許料を支払う。この特許料は年金と呼ばれる。
登録料
特許査定の後、この発明に特許権を持たせることを望む場合、特許権者は所定の金額の特許料を原則30日以内に支払う(特許法108条1項)。金額は基本料金に請求項の数に応じて加算した金額となる[1]。特許査定後の特許料は、3年分を一度に支払わなければならない(特許法108条1項)。
年金
より長い期間で発明を特許権で保護したい場合は、年金を支払う。年金は1年分ごとに納付可能であり(108条2項)、最大で出願日から20年間[2]保護することが可能だが(特許法67条)、保護期間が長くなるほど1年あたりの年金の額が大きくなる[3]。これは、発明が長期にわたり独占されることを防止して、他者の発明の利用を促進するためである。
納付方法
特許料は、特許印紙・予納・現金・電子現金・口座振替・クレジットカードで納付することができる[4]。なお、収入印紙で納付することはできない[5]。
脚注
- ^ “設定登録料納付の際の期間延長請求書について”. 特許庁. 2024年2月20日閲覧。
- ^ 延長登録出願をすれば最大25年間(特許法67条4項)
- ^ “産業財産権関係料金一覧”. 特許庁. 2024年2月20日閲覧。
- ^ “特許(登録)料の納付方法について”. 特許庁. 2024年2月20日閲覧。
- ^ “印紙の誤購入にご注意”. 総務省. 2024年2月20日閲覧。
外部リンク
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