発明の単一性(はつめいのたんいつせい)Unity of Invention
”発明の単一性”とは、一つの特許出願において権利請求することのできる発明の範囲をいう。
一の特許出願においては、一つの発明しか権利請求できないというのが原則である(一発明一出願の原則)。しかしながら、1)技術的に所定の関係を有する複数の発明は、別々に複数の出願とするよりも、一つにまとめて出願する方が、出願人にとって出願手続が簡易となる、2)第三者にとっては、関連する発明の情報が効率的に入手できる、3)特許庁にとっては、関連する発明をまとめて効率的に審査できる、という利点がある。そこで、所定の技術的関係を有する複数の発明を、一つの出願にまとめて提出できるように規定されている(37条)。たとえば、新規な技術的特徴が共通するような2以上の発明(2以上の請求項に記載した発明)は、一つの出願にまとめることができる。
知的財産用語辞典ブログ「発明の単一性」
(執筆:弁理士 古谷栄男)
発明の単一性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/22 00:15 UTC 版)
発明の単一性(はつめいのたんいつせい、unity of invention)は、特許出願が特許を受けるために満たされなければならない要件の一つであり、一つの出願で複数の発明について特許を受けようとする場合には、その複数の発明の間に技術的な関連性や共通性を要求するものである。
発明の単一性は、出願にかかる料金、出願審査の請求にかかる料金や特許料が一出願あたりの金額を基本として定められていることに由来する要件である。特許請求の範囲には請求項に区分して複数の発明を列挙することができるので、出願に発明の単一性の要件を課して、技術的に無関係な複数の発明を特許請求の範囲に列挙して料金を節約することを防いでいる。
また、発明の単一性の要件は、出願書類が公開されて特許文献となる場合に、その文献の分類を容易にし、技術文献としての価値を高めることにも寄与している。
日本の特許法における発明の単一性要件
経済産業省令で定める技術的関係を有する二以上の発明は、発明の単一性を満たし、一の願書で特許出願をすることができる(特許法第37条)。
- 上記「技術的関係」にあるためには、その発明が同一または対応する特別な技術的特徴 (STF: special technical feature)[1]を有していることを要する(特許法施行規則第25条の8第1項)。
- 上記「特別な技術的特徴」とは、先行技術に対して貢献をする技術的特徴をいう(同条第2項)。
脚注
- ^ 「発明の単一性の要件」、「発明の特別な技術的特徴を変更する補正」の審査基準の改訂について 特許庁、2013年6月26日
発明の単一性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/04 08:33 UTC 版)
「特許協力条約の用語集」の記事における「発明の単一性」の解説
単一の発明のみ、または、単一の一般的発明概念を形成するように連関している一群の発明のみが#請求の範囲に記載されていることである。発明の単一性の要件を満たさない部分については、#追加手数料が支払われない限り、#国際調査や#国際予備審査が行われないことがある。
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