航空機用のリベット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/25 15:10 UTC 版)
航空機用のリベットはソリッド・シャンク・リベットとブラインド・リベットの2種類が使用されているが、航空機の設計用の要求に応じる為、形状・材質・サイズで区別され、パーツナンバー(部品番号)とリベットのヘッド・マークで識別できる。規格はソリッド・シャンク・リベットの場合、MS(Military Standard:米軍規格)が代表的であり。その後には形状・材質・サイズの番号又は記号が記載される。 頭部の形状は2種類がある。 20426(リベット頭部が皿型、皿の角度は100度) 20470(リベット頭部が丸型) 材質はアルミ合金の場合、強度が低い順から高い順に上から下に並べると5種類がある。 A(1100のアルミ合金) B(5056のアルミ合金) AD(2117のアルミ合金) D(2017のアルミ合金) DD(2024のアルミ合金) その他の材質として4種類がある。 M(モネル) CまたはF(耐食鋼) Pまたは-(炭素鋼) 無し(耐熱鋼) またリベットの径と長さは、径は1/32インチ単位で長さは1/16インチ単位で表され、表面処理の種類として無印・A・D・S・F・Nの記号があり、種類に応じてパーツナンバーの最後に表示される。 実際のパーツナンバーを表示すると。 MS20470AD 7-7 最初のMSは規格を示し、続く5桁の数字はリベット頭部の形状分類(リベット頭部が丸型)を示し、続くADは材質を示し(2117のアルミ合金)、続く最初の数字はリベットの径(7/32インチ)、ハイフン後の数字はリベットの長さ(7/16インチ)を表し、最後は無印のため、表面処理を黄金色で化成皮膜処理されたことを表す。 また材質のDのリベット径の大きい物(直径3/16インチ以上)やDDの物は、硬い状態のため、そのまま機体の構造部材に打ち込むことは困難なので、熱処理(加熱)をしてリベット自体を軟らかい状態にしてから打ち込んで、その後は時間の経過とともに硬化する。また、熱処理したリベットを低温保存する(アイスボックス等に入れる)ことにより、硬化の進行を遅らせて軟らかい状態を長く保つことができるので、リベッティング(鋲打ち)の可能時間の延長を図ることができる。
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