終刊とその後とは? わかりやすく解説

終刊とその後

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 02:42 UTC 版)

文藝時代」の記事における「終刊とその後」の解説

文藝時代』の主要メンバー横光利一などが作家として成功し、他の大きな商業雑誌にも迎えられるうになるにつれ、「既成」「新進」といった区別実質なくなり同人の『文藝時代』への寄稿遅れたり次第同人があまり書かなくなったりという状況にもなった。新感覚派表現について川端康成は、1925年大正14年3月号で「少女時代洋装してゐたからと云つて、大人になつてからまで洋装するかどうかは、今後の問題だ」とも語っていた。 また、次第隆盛になってきたプロレタリア文学方に共鳴していった片岡鉄兵左傾化したのをはじめ、新感覚派親しかった学生藤沢桓夫武田麟太郎プロレタリア文学運動加わっていった。石濱金作転換し今東光鈴木彦次郎旧労農党に加入してしまい、横光はかなり動揺した泰然自若としていた川端は、プロレタリア文学否定してはいなかったが、元々唯心論心霊的世界観持っていたためマルクス主義唯物史観には馴染めなかった。また、プロレタリア正義が「知識階級生活感情に新し芸術的な触れ方を見出してゐない」ことを疑問視していた川端は、「知識階級人々苦悶新しく解決するのでなければ」、人は文芸として満足することができないとしていた。 当初同人輪番制だった編集も、大正末ごろから金星堂編集変り1926年大正15年12月号の編集後記には、「今月号は同人の名がタッタ三人しか見当らない寂し気がする、ぐらゐで勘弁願へればいゝが、これでは同人雑誌の意味をなさぬ、怪しからん、と云はれたら一言もない」といった不満が書かれた。 翌年1927年昭和2年3月号の編集後記では、「毎号同じ顔触も、いたづら読者倦怠にみちびく恐れあり、ひいては雑誌の売行上多大影響を与へる点から、同人の方達に諒解の上今月本誌から、同人雑誌概念一掃した」という告知なされたこの頃プロレタリア系の『文藝戦線』が発禁となったため、左翼系の作家が『文藝時代』に小説連載するなど、実質的には「新感覚派」の雑誌ではなくなっていた。 『文藝時代自体売上げもふるわなくなって終りの方では7割の返品にもなっていた(経営難)。そうしたことからも、金星堂社長福岡益雄から休刊提案され1927年昭和2年5月号(第4巻第5号をもって通巻32冊で廃刊することとなった。 『文藝時代』の終刊後川端横光一緒に同人になった雑誌は、堀辰雄深田久弥永井龍男吉村太郎らが1929年昭和4年10月創刊した『文學であった同人誌文學』は、『詩と詩論』(1928年創刊)と同様にヴァレリージイドジョイスプルーストなどの新心理主義紹介した雑誌で、「意識の流れ」などを取り入れた方法模索していた。 この昭和初頭の頃は、プロレタリア系の作家が「ブルジョア文学撲滅しろ」「ブルジョア作家抹殺しろ」と気勢上げ、「全日本無産者芸術連盟」(機関誌戦旗』)などの左翼文学者文壇跳梁となり、その圧力純文学凌駕されていた時期だった。そうした風潮異論呈した堀に共鳴した川端も、それまで堪え忍んできた左翼作家の「退歩具合に「厭気」がさし、「政治上の左翼」が今では「文学上で甚だし右翼になっている怒り表明して横光とともに堀の同人となったその後川端は「プロレタリア作家生かして描こうとしなかった浅草舞台としたモダニズム文学浅草紅団」で浅草ブーム起し横光新心理主義の手法をヒント新し文体挑んだ機械」を発表し高い評価受けた

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終刊とその後

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 20:57 UTC 版)

サンリオSF文庫」の記事における「終刊とその後」の解説

1987年終刊終刊理由翻訳契約をした作品をすべて出版したことで、今後サンリオ出版業子供ファミリー向けに集約させるとした。 本文庫の刊行作品は、本文庫の廃刊後は一時期古書としての取引価格高騰し1988年時点作品に関係なく古書としては1500円〜2000円取引されていたという。2018年現在までには他社文庫ハヤカワ文庫創元SF文庫ちくま文庫)で新版刊行されたり単行本として出されたものも多い。なお一部近年新訳文庫刊行されている。一方でマニアック作品もあるため、未刊行のまま入手が困難となっている文庫も多い。 2014年には、シリーズ全冊を解説したサンリオSF文庫解説』(牧眞司大森望編、本の雑誌社)が刊行された。同書2015年第46回星雲賞ノンフィクション部門受賞

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