精液
『クマルビ神話』(ヒッタイト)1「天上の覇権」 天上の覇権をめぐって、クマルビ神がアヌ神と戦う。クマルビ神はアヌ神の性器に咬みついて、アヌ神の精液を呑みこんでしまう。そのためクマルビ神の体内に、アヌ神の子供・天候神が宿った。天候神は、クマルビ神の口から生まれ出る。天候神はただちにクマルビ神との戦いを準備し、クマルビ神を打ち負かした。
『今昔物語集』巻26-2 東国へ旅する男が途中の某地で、蕪に穴をあけて淫欲を処理し、その蕪を捨てて去った。土地の娘が、精液のついた蕪を知らずに食べて妊娠し、子を産んだ。数年後、帰京する男がその地を再び通り、子が生まれたことを知らされ、その地にとどまって娘の婿となった。
『大智度論』巻17 仙人が、澡盤(=沐浴用の盥)の中へ小便をしようとした。その時、雌雄の鹿が交尾するのを見て、仙人は淫心を起こし、精液を流した。雌鹿がこれを飲んで身ごもり、人間の男児を産んだ。男児は頭に1本の角があり、足は鹿に似ていた。仙人は、男児が自分の子であることを知って養育した。男児は成長後、「一角仙人」と呼ばれた。
『マハーバーラタ』第3巻「森の巻」 聖仙ヴィバーンダカが湖で身体を洗っている時、天女ウルヴァシーを見て欲情を覚え、水中に射精した。牝鹿がその水を飲んで妊娠し、人間の男児を産んだ。男児の額には小さな角があったので、「リシュヤシュリンガ(=鹿の角を持つ者)」と呼ばれた〔*梵天ブラフマーの命令で天女ウルヴァシーが牝鹿になり、渇きを癒そうと水を飲んだ、とも言われる〕。
*魚が精液を飲んで妊娠し、子供を産む→〔誕生〕8aの『マハーバーラタ』第1巻「序章の巻」。
★1b.精液が大地・樹・岩にかかり、そこから子供が生まれる。
『ギリシア神話』(アポロドロス)第3巻第14章 ヘパイストス神が女神アテナと交わろうとするが、女神は逃げ、ヘパイストスの精液は大地に落ちた。そこからエリクトニオスが生まれた→〔箱〕2。
『カター・サリット・サーガラ』「マダナ・マンチュカー姫の物語」6・挿話13 聖仙マンカナカが足を上にあげて苦行をしていた時、天女メーナカーが飛来した。聖仙の心は乱れ、カダリーガルヴァ樹に精液が滴った。たちまちそこから美しい娘が生まれ、聖仙は彼女をカダリーガルバーと名づけた。彼女は成長後、ドリダ・ヴァルマン王の妃になった→〔道しるべ〕1b。
『クマルビ神話』(ヒッタイト)2「ウルリクムミの歌」 クマルビ神は天候神に復讐するために、強大な神を生み出そうと考える。クマルビ神は泉のそばの大きな岩と寝て、岩に精液をそそぐ。そこから、母である岩と同様、全身岩でできた赤子ウルリクムミが、生まれた。ウルリクムミは成長して背丈が天上に達し、天候神と戦う。
*精液が海に放出され、そこからアフロディーテが誕生する→〔泡〕1の『神統記』(ヘシオドス)。
『今昔物語集』巻29-40 眠る僧の陰茎を蛇がくわえ、僧は美女と交わる夢を見て射精する。蛇は口に精液を受けて死んだ。
『金瓶梅』第79回 第5夫人潘金蓮が、夫・西門慶と交わろうとするが、西門慶は疲労していて思うようにならない。潘金蓮が媚薬を多量に飲ませると、西門慶は性交可能になったが、おびただしい精液を噴出させ、精液が尽きると血水が出て、なかなかとまらない。西門慶は病臥し、数日後に死んだ。
『趙飛燕外伝』 漢の成帝は趙飛燕を皇后とし、さらにその双子の妹・合徳をも寵愛した。成帝の精力が衰えたので、合徳は、1粒で1回性交が可能になる丸薬を成帝に飲ませた。ある時、合徳は酔ったいきおいで、1度に7粒も成帝に与える。成帝は一晩中、合徳を抱いていたが、翌朝になると、精液が多量に流れ出して止まらなくなった。成帝はまもなく死んでしまった。
★4.夢精。
『蟹工船』(小林多喜二) 蟹工船に乗り組んだ漁夫たちは、4ヵ月も5ヵ月も不自然に「女」から離されていたので、内からむくれ上がってくる性欲に悩まされ出した。夢精をするのが何人もいた。誰もいない時、たまらなくなって自涜をする者もいた。
『紅楼夢』第5~6回 賈宝玉は子供の頃、昼寝をして夢で太虚幻境を訪れ、仙女から性の手ほどきを受けて夢精する。目覚めた賈宝玉の着替えを、彼より2歳年長の侍女・襲人が手伝い、賈宝玉の夢精を知って、そのわけを問う。賈宝玉は夢の中の交わりを語り、その場で彼は襲人と現実の性の初体験をする。
『桜の実の熟する時』(島崎藤村)1~3 ミッション・スクールへ入学した当座、1年半か2年ばかりの間、岸本捨吉は浮き浮きと楽しい生活を送った。幸福は到るところに彼を待っているような気がした。やがて、一切のものの色彩を変えて見せる憂鬱が、少年の身にやって来た。その頃から、捨吉の寝巻が汚れるようになった。制(おさ)えがたく若々しい青春の潮(うしお)は、身体中を馳けめぐった。
『創世記』第38章 ユダは長男エルに嫁タマルを迎えたが、エルは主(しゅ)の意に反したため、主によって殺された。ユダは次男オナンに「兄嫁タマルと結婚し、長男エルのために子孫を残せ」と命じた。オナンは、子孫が自分のものにならないと知り、兄嫁タマルの所へ行くたびに、子種(=精液)を地面に流した。これも主の意に反する行為だったので、オナンも主に殺された。
『他人の足』(大江健三郎) 「僕」たちは、脊椎カリエス療養所の未成年者病棟にいる。誰も歩くことができない。ここでは、シーツや下着を汚されたくないとの理由で、看護婦が手で「僕」たちを射精させる。大学生が入院してきて、看護婦の手を拒み、「僕」たちに、政治や社会に関心を持つべきことを説く。皆、反発しながらも感化されて、彼を見習う。しかし、まもなく彼は手術に成功し、歩いて退院してしまった。「僕」は再び看護婦の手を求める。
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