第一護衛艦隊とは? わかりやすく解説

第一護衛艦隊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/28 22:00 UTC 版)

海上護衛隊」の記事における「第一護衛艦隊」の解説

日本海軍海上護衛中央機関として1943年昭和18年11月15日海上護衛総司令部略語GEB)を新編1944年昭和19年4月1日には特設護衛船団司令部設置した。しかし司令部艦艇とも臨時編成のため、建制護衛戦隊求める声があがった。これにこたえるように香取型練習巡洋艦2隻(香椎鹿島)と秋月型駆逐艦春月海防艦多数をもって101戦隊昭和19年11月15日新編旗艦香椎海防艦6隻)、第102戦隊昭和20年1月1日新編旗艦鹿島海防艦6隻)、第103戦隊昭和20年1月20日新編旗艦春月海防艦6隻)が編成された。これら新編対潜部隊所属したのが、第一護衛艦隊である。 シンガポール方面日本本土航路護衛担当していた第一海上護衛隊だが、護衛兵力は各部隊から寄せ集められた臨時編成だったため、兵力建制化が求められていた。大本営海軍部(軍令部)も海上護衛総司令部意見認め1944年昭和19年12月10日付で第一海上護衛隊を第一護衛艦隊に昇格させた。司令長官には岸福治中将海兵40期)が任命された。艦隊への格上げにともない水上兵力と共に航空兵力の増強おこなわれた。第901海軍航空隊当時海上護衛総司令部附属)に第953海軍航空隊高雄警備府所属)と第954海軍航空隊第三南遣艦隊所属)と第254海軍航空隊海南警備府所属)を統合、第936海軍航空隊当時第一南遣艦隊所属)に第933海軍航空隊第三十一戦隊所属)を統合する昭和20年1月1日附で戦時編制改定おこない、第901海軍航空隊と第936海軍航空隊は第一護衛艦隊に編入された。増強された第一護衛艦隊はひきつづき海上護衛総司令部所属しヒ船団代表されるシンガポール終点とする南方航路死守目指した。この措置護衛戦隊増設により、特設護衛船団司令部解隊されていった。 しかし、1945年昭和20年1月上旬よりアメリカ機動部隊仏印沿岸進出し、第101戦隊(第一護衛艦隊所属)は護衛中ヒ86船団と共に壊滅したその後南号作戦1月25日3月9日終結3月16日中止)が発動されて第一護衛艦隊は主力として参加したが、参加船団15加入船舶のべ45隻・護衛艦艇のべ50隻のうち、船舶20隻と護衛艦艇4隻を喪失した。この事態に、海上護衛総司令部南シナ海航路断念して重点日本-満州にうつすことになり、大本営同意した。代わって、台湾上海終点とする東シナ海航路死守画策したが、これも、沖縄戦備えたアメリカ機動部隊事前空襲のために不可となった以後東シナ海横断航路ではなく上海青島木浦馬山済州島下関迂回ルートを取らざるを得なくなった1945年昭和20年3月日本軍連合軍沖縄島進攻予想し南西方面海上護衛担当していた第一海上護衛隊天号作戦投入する気運高まっていた。沖縄戦突入後の4月10日大本営海軍部は対馬海峡方面部隊として第七艦隊第十八戦隊常磐高栄丸永城丸)、海防艦4隻(102号、104号、106号、150号)、下関防備隊、第33掃海隊〕を新編した。第七艦隊司令長官幕僚は第一護衛艦隊兼務であったため、岸福治中将(第一護衛艦隊司令長官)の肩書第七艦隊司令長官兼務第一護衛艦隊司令長官となった第七艦隊佐世保方面陸海軍防備部隊守備隊指揮下に置き、7月10日には第103戦隊が第一護衛艦隊から第七艦隊編入された。 第七艦隊新編同日4月10日)、津軽海峡宗谷海峡防備護衛強化のため第104戦隊司令官渡辺清七少将海防艦6隻、宗谷防備隊)が編成され大湊警備府部隊編入された。5月5日、第105戦隊司令官松山光少将駆逐艦響、海防艦6隻)が編成され舞鶴鎮守府部隊編入された。7月10日、第105戦隊は第一護衛艦隊に編入された。 4月からはB-29による日本本土港湾への機雷投下飢餓作戦)が始まり下関港をはじめ全国港湾封鎖された。護衛部隊・船舶とも、多数損傷艦出した飢餓作戦)。4月14日には第一護衛艦隊主力駐留する済州島泊地への潜水艦攻撃実施され潜水艦ティランテにより貨物船寿山丸と海防艦2隻(能美、第31号)を撃沈された。6月末から日号作戦従事した最終的には、舞鶴新潟酒田秋田函館小樽を結ぶ日本海沿岸航路と、舞鶴新潟元山羅津雄基(現先鋒)間を結ぶ日本海横断航路確保しつつ終戦迎えた。なお、ソ連対日参戦際し隷下海防艦一部終戦による停戦命令反して朝鮮樺太入港し邦人救出敢行している。

※この「第一護衛艦隊」の解説は、「海上護衛隊」の解説の一部です。
「第一護衛艦隊」を含む「海上護衛隊」の記事については、「海上護衛隊」の概要を参照ください。

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