砲塔防御についてとは? わかりやすく解説

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砲塔防御について

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 05:51 UTC 版)

大和型戦艦」の記事における「砲塔防御について」の解説

主砲塔直後配置され第1・4番副砲は、大和型防御欠点である」という説がよく語られる完成前武蔵艤装員として勤務した千早正隆指摘している。概ね副砲塔は25mmの装甲し施されておらず、駆逐艦主砲の5インチ砲弾防げなかった。従って爆弾大角度での落下砲弾がここに命中した場合、砲爆弾副砲弾薬庫達して炸裂し、これが隣接する主砲火薬庫誘爆させて轟沈する可能性秘めていた。手直し程度改善はあったものの、この欠点最後まで解消されなかった。両舷への指向が可能という利点こだわった設計ミスだった」というものである千早副砲に関する懸念山本五十六訴えると、山本は「副砲撤去してをしておけ」と返したとされる。また大和沈没原因は、副砲付近発生した火災第三主砲弾薬庫引火した結果だという説もあるが、これは後の海底調査結果否定されている。 大和型では、副砲そのもの装甲妥協する代わりに副砲の弾火薬庫を厚い装甲囲まれた主要防御区画内に配置していたため、直接弾薬庫貫通弾を受ける可能性高くはない。また副砲塔と弾火薬庫の間に防焔扉を設置し副砲塔に貫通弾受けたとしても弾火薬庫被害広がりくいよう配慮された。副砲塔に過大な防御を施すと、高速の敵駆逐艦撃退するため高い機敏性が求められる副砲旋回性が失われる可能性があり、副砲そのもの防御には限界があった。大和設計当たった松本喜太郎によれば副砲防御は「砲塔と弾火薬庫との間に充分な防炎装置設けているから」という考え方進められたため、弾丸防御上の弱点になった旨を述べている。 副砲塔の装甲薄さ懸念材料1つであり、武蔵では、建造中に副砲装甲主砲塔並に強化せよ」という申し入れ連合艦隊司令部からあった。最も初期低評価のひとつは艦隊編入されてから指摘されたものであり、これが改修工事繋がっている。戦後最初期指摘としてはオスカー・パークス1949年に『ENGINEERING』誌に発表したものがあり、「この軽防御砲塔設計上の弱点であるのを証明したのは驚くにはあたらない」と述べている。 防焔装置副砲周辺防御について設計段階では充分とされていたが、完成直前となって用兵側から防御力強化するよう要望受けた。特に、中心線上に配置され、隣に主砲火薬庫がある第1・4番副砲塔を支え円筒の、露出した支筒下部敵弾命中した場合問題点指摘されのである。この円筒は元々50mmCNC+25mmDSの装甲施されていたが、28mmの装甲追加が行われた。この強化により射撃実験の結果、支筒下部は800kg爆弾命中耐えうるものとされた。さらに防焔扉の板厚増し中甲板貫通部に不規則な形の防焔板を隙間なく装備したこれにより最上軽巡洋艦搭載されていた時よりも、総合的な防御力強化されていた。なお武蔵就役時までに、大和就役後副砲を一旦下ろして、この防御強化行っている。 副砲防御弾薬庫配置含めて問題となるのは、他国戦艦でも同様だが、第一次世界大戦や、太平洋戦争での諸海戦戦訓見ても、防焔装置など被害局限できることは確かであった現実に、大和型副砲塔と同様の防御形式だった日本重巡洋艦青葉」は、サボ島沖海戦第3砲塔敵弾直撃食らい砲塔内で装填中の零式弾装薬誘爆したものの、適切な弾薬庫注水により、それ以上被害拡大免れている。他の日本重巡砲戦中に弾薬庫誘爆沈んだケース存在しない第一次ソロモン海戦では、鳥海の1番砲塔に米重巡20cm砲弾が命中し砲塔員が全滅するも弾が砲塔前後貫通して艦への被害抑えられたというケースもある。航空攻撃対す被害はいくつ散見されるミッドウェー海戦では重巡洋艦最上三隈砲塔被害受けた最上5番砲塔直撃弾を受けたが、誘爆起きずかろうじて生還した同日三隈空襲3番砲塔直撃弾を受けて破壊され4番砲塔には被弾し米軍機体当たりしたが、これらの攻撃致命傷とはならなかった。三隈沈没直接の原因魚雷誘爆である。ラバウル空襲重巡洋艦高雄爆弾命中により一番砲塔装薬誘爆起こし砲塔員が全滅するも、沈没免れたサマール沖海戦では重巡洋艦羽黒空襲によって2番砲塔直撃弾を受けたが、応急処置により戦闘続行したまた、中心線上への副砲装備は「主要防御区画縦方面での長さ伸ばし艦型拡大招いた」という、別の観点からの批判もある。 なお砲塔構造大別する英国式と米国式分類される砲弾と装薬同時に砲塔内に揚げる英国式は、機構が簡単で重量が軽いメリットがある。これに対し砲弾と装薬別に揚げる米国式は、機構が複雑で重量がかさむものの、被弾時の誘爆確率が低いという防御面のメリットがあった。米国式の砲塔採用したのは、米仏独戦艦日本大和型戦艦のみであり、それ以外各国戦艦長門型以前日本戦艦含めて)は英国砲塔であった

※この「砲塔防御について」の解説は、「大和型戦艦」の解説の一部です。
「砲塔防御について」を含む「大和型戦艦」の記事については、「大和型戦艦」の概要を参照ください。

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