申請都市
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/17 21:49 UTC 版)
「2016年夏季オリンピックの開催地選考」の記事における「申請都市」の解説
都市国結果バクー アゼルバイジャン1次選考で落選アゼルバイジャンの首都バクーはオリンピック開催に向けた申請をすると発表し、その初期調査では2016年夏季オリンピックの開催費用は200億ドルとなる可能性があることを示唆した。石油埋蔵豊富で経済が活況な国の首都バクーには、オリンピック大会に資金調達するための潤沢な資金があった。残念なことに、ソ連崩壊以降は都市の社会基盤が弱体化していた。加えて、南コーカサス地域には未決着の政治紛争が3件ある。 IOCに懸念されている他の小さな要因には、開催国のスポーツ経歴がある。 アゼルバイジャンは独立国になってからの歳月が短いためオリンピックでの同国の歴史も浅く、チームを派遣したのも1996年からでこれまでに3つの金メダルしか獲得していない。アゼルバイジャンは2007年11月に申請の組織委員会を立ち上げ、初代副首相のヤクブ・エユボフを会長に据えた。政府の後ろ盾もあって スポーツ大臣が申請書を準備した。世界基準を満たすスポーツ施設が事実上ゼロである点や、未開発な観光分野、地域紛争についてある内部関係者が指摘したため、バクーの落選は予想外ではなかった。バクーが開催を勝ち取るために真剣な議論をする時は2020年ないし2024年だと、その人物は語った。バクーの招致ロゴは、ゴブスタン岩盤台地にあるペトログリフの意匠を描いたものである。 ドーハ カタール1次選考で落選ドーハは、会場とインフラに28億米ドルを投じた2006年アジア競技大会を開催した後で、2016年夏季オリンピック開催に向けた申請書を提出した。ドーハの申請は、アジアオリンピック評議会(OCA)会長 や湾岸協力会議など、多くの地域の支持を獲得した。2006年アジア大会が催されたアスパイア・ゾーンというスポーツ都市がその申請の目玉となっていた。カタールは石油埋蔵量のため経済成長期にあり、バクーと同様に大規模イベントの資金調達には良い環境にある。ドーハはカイロ以外で真剣な申請を行うアラブ世界唯一の都市で、IOCが最終選考に残してそれに報いるのではないかと推測する評論家もいた。紛争の多い地域ながら、カタールは寛容と変化を取りこんで強い平和のメッセージを発信する開放的な国として知られる。7月や8月だと、ドーハの平均気温が簡単に45°Cに達してしまうため、大会の10月開催を提案した。前例がないわけではないが、規定上は要件から外れている。ドーハとカタールは近代オリンピック開催を申請する最も小さな都市・国であるため、チケット販売を増やすために近隣諸国の観客を呼び込む革新性が必要とされる。その他の懸案事項は、アゼルバイジャンと同様カタールもオリンピックの経歴が浅く、記録を水増しするため海外アスリートに「便利なパスポート」を与える手法が批判されている。新会場は自転車競技場と野球場の2つだけが建設され、新たに選手村が設計されることとなった。ハリーファ国際スタジアムは現在50,000席だが、IOC基準を満たす60,000席には満たない。なおカタールは、同国で開催となるAFCアジアカップ2011時に、世界最先端のパラリンピックスタジアムと世界初の地下スタジアムを建設する計画を立てていた。ドーハの招致ロゴは、アルダーマ(al dahma)という春の花である。このデザインは伝統的なヘンナ模様をモチーフにしたもので、アラビア語でドーハと書かれている。 プラハ チェコ1次選考で落選2007年3月22日、プラハは議会投票での支持を受けてその申請開始が確約された。ヨーロッパで最も美しい都市の1つとされるプラハは、IOCが候補都市に求める文化的側面を満たすもので、スポーツが強いという歴史や立派な宿泊施設もあり、プラハは開催地になる可能性を秘めていた。しかしながら、プラハには会場が殆ど無かった。計画には3か所の競技場建設(プラハないしブルノに自転車競技場、既存の水泳場建て替え、メインのオリンピック複合施設)が含まれた。体操でサズカ・アリーナを使うことや、何らかの競技にストラホフ・スタジアムを使うことも計画された。さらに、計画詳細では後世の遺産に残す建設物は30%だけの予定であると強調した。市長ほか市民当局からの当初支援が終わると、プラハの申請は期待薄とされた。現行スタジアムほか重要なオリンピック競技場の欠如、そしてロンドン開催の2012年大会を鑑みて、プラハはその後のオリンピック申請に向けて温存した 。プラハはチェコ共和国内にて広く支持を取り付けるのに難儀しており、ヴァーツラフ・クラウス大統領も公に懸念していた。2007年10月の世論調査で判明した支持率はだいぶ低い50%だった。プラハの招致ロゴには、伝統的な勝利祝賀の象徴である月桂冠があしらわれている。
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