独ソ戦と第三帝国の落日とは? わかりやすく解説

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独ソ戦と第三帝国の落日

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 00:05 UTC 版)

杉原千畝」の記事における「独ソ戦と第三帝国の落日」の解説

難民たちが脱出したリトアニアその後独ソ戦勃発した1941年昭和16年)にドイツ攻撃を受け、ソ連軍撤退以後1944年昭和19年)の夏に再びソ連によって奪回されるまで、ドイツ占領下となる。この間リトアニアユダヤ人208000人の内、殺害され犠牲者数195000人から196000人にのぼり、画家ベン・シャーン哲学者エマニュエル・レヴィナス生んだカウナスユダヤ人社会壊滅した。またソ連領内でも多数ユダヤ難民シベリアなど過酷な入植地送られ絶命した。 リトアニア退去後の千畝は、ドイツ首都ベルリン訪れたあと、1940年昭和15年)、当時ドイツ保護領になっていたチェコプラハ日本総領事館勤務1941年昭和16年)には、東プロイセンの在ケーニヒスベルク総領事館赴任しポーランド諜報機関協力得て独ソ開戦情報をつかみ、5月9日発の電報本国詳細に報告しているが、それは以下のようなものであった。 「伯林當地ニハ依然トシテ連日軍用列車十列北行車輛大部分佛國鐵道ノモノ(…)當地軍人ニハ目下東『プロシアニハ『リヤブリン』方面ニ劣ラサル大兵集中シ獨關係ハ六月何等決定スヘシトナス(…)多數ノ隊付將校五月迄ニ地圖判讀程度露語習得方命セラレ目下當地バルト獨逸人竝白系ロシア人敎師トシテ引張リ凧ナリ」【現代語訳ベルリンからケーニヒスベルク方面に相変わらず毎日およそ十本程度軍用列車北上しており、車両大半フランスから徴発したもの用いられています。(…)東プロイセンには旧ポーランド領に劣らぬ大兵力が結集しているので、独ソ関係は6月には決定的局面迎えでしょう。(…)ドイツ軍野戦将校たちは5月までに地図読める程度ロシア語習得命じられ目下バルト系ドイツ人白系ロシア人先生として引っぱりだこです】 — 1941年5月6日付で独ソ戦勃発時期特定した電信 そして、千畝の報告通り6月22日独ソ戦勃発した同年11月から1946年昭和21年)までルーマニアブカレスト公使館フィンランドなどヨーロッパ各地友好国転々とし、各職を歴任ブカレスト公使館時代・命の危機 千畝がブカレスト公使館勤務していた時代には、鉄衛団扇動によってルーマニアのユダヤ人の歴史の上でもとりわけ残忍なポグロム頻発していた。千畝とともに激動ヨーロッパ駆け抜けてきた杉原夫人は、ルーマニアの「フェルディナンド王が亡くなったときに、ミハイの父であるカロルは、〝二十世紀クレオパトラ〟と呼ばれたユダヤ人のルペスク夫人との恋愛問題にされ、後継者の座を追われフランス住んでいましたので、まだ6歳だった幼いミハイ一国王様として即位されたのです」などと指摘し第二次世界大戦中ヨーロッパ席巻していた反ユダヤ主義に関する鋭い歴史的観察者としての側面示している。どの政治家民族主義扇動でのし上がってきた当時ルーマニアでは、民族主義そのものは人を際立たせる特徴とならず反ユダヤ主義政争重要なファクターになっていたことを端的に示すエピソードである。 首都ブカレスト子供連れ杉原家には危険だろうということで、ルーマニア時代杉原一家はポヤナブラショフに疎開していたのだが、そこで他ならぬ幸子夫人をめぐる一つ事件が起こる。 ヘルシンキにいたころ、フィンランド作曲家であるジャン・シベリウスから送られレコードサイン入りポートレートブカレスト置き忘れてきたことに気づき、その奪回のために単身首都戻ろうとする。しかし、ドイツ軍用車に便乗した帰路大戦末期戦闘巻き込まれ車外投げ出された。さらにドイツ軍のなかに女性がいることに不審思ったパルチザン取り囲まれドイツ語ロシア語事情説明するも、彼らにはどちらの言葉分からず日本人一度見たとがない部隊員から銃口突きつけられる。夫人は「撃つなら撃ちなさい!私は日本人です」と絶叫し、あまりの剣幕驚いた男たちが銃を引っ込めドイツ語分かる青年がやって来て事情聴取の後釈放される。「何か足元がおかしいと思ってみると、いつのまにハイヒールの踵が折れていた」。 第二次世界大戦の終結後、ブカレスト日本公使館ソ連軍身柄拘束され杉原一家は、1946年昭和21年11月16日来訪したソ連軍将校帰国するため直ち出発するように告げられオデッサモスクワナホトカウラジオストック厳寒の旅を続け、翌1947年昭和22年4月5日に「恵山丸」で博多湾入港した

※この「独ソ戦と第三帝国の落日」の解説は、「杉原千畝」の解説の一部です。
「独ソ戦と第三帝国の落日」を含む「杉原千畝」の記事については、「杉原千畝」の概要を参照ください。

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