歴史と各国の状況とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 歴史と各国の状況の意味・解説 

歴史と各国の状況

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/23 17:29 UTC 版)

地震危険度」の記事における「歴史と各国の状況」の解説

近代地震学における初期地震危険度として、河角広やアリン・コーネル(C. Allin Cornell)によるもの挙げられる河角1951年に、日本599年から1949年まで歴史地震342個の震源規模などのデータを基に、一定の震度震度5,6,7相当の加速度)の地震動が襲う平均間隔、また一定期間75,100,200年)中の最大加速度を、日本列島地図上に示して発表している。この地図は「河角マップ」と呼ばれ1950年制定され建築基準法下の地震地域系数(1952年決定)に反映されている。しかし、河角マップ16世紀以前資料極端に少なく地域的な偏り大きいほか、算出式にも問題があったことが指摘されている。その後後藤亀田(1968)も最大加速度示した地図作成し発表している。一方村松(1966)、金井鈴木(1968)、表ら(1975)、服部(1976)、尾崎ら(1978)は最大加速度ではなく最大速度分布求め発表している。特に金井鈴木のものは河角同じく75,100,200年の各期間における最大速度分布示した比較性の良いもので、「金井マップ」と呼ばれている。 一方アメリカではチャールズ・リヒター1959年初めアメリカ全土対象として簡易な地震危険度ゾーニング行っているが、それ以前1940年代にも簡易なものがあったという(Richter,1958)。これらはアメリカ耐震基準設定参考とされていた。この後研究進められコーネル1968年確率モデル基づいた危険度評価世界で初め発表したMilneDavenport(1969)はカナダにおける歴史地震資料用いて最大加速度分布ポアソン過程みなして解析した地図発表している。日本でもその後、ウェスノウスキー(Wesnousky)ら(1984)、島崎ら(1985)、亀田奥村(1985)が震度加速度確率表現した地図発表している。また、USGS協力ベイ・エリア自治体協議会英語版)(ABAG)が1960年代からサンフランシスコ湾岸の危険度評価検討開始し1980年代には危険度地図発表至っている。 更にアメリカではUSGSCGS英語版)・SCEC(英語版)の3者が共同設立した"Working Group On California Earthquake Probabilities"(WGCEP)がカリフォルニア州の危険度地図検討続けている。1990年1995年には、固有地震繰り返し発生モデル化した固有地震モデル取り入れて長期的な地震発生確率求め発表したWard(1994)は観測により推定した地殻のひずみの進行率を地震モーメント解放率に関連付けモデル取り入れ方法提案したが、WGCEPは1995年この方式の地図発表しており、StirlingおよびWesnousky(1998)もこれに続いている。 日本でも1980年代活断層データ考慮する動き始まった先述のウェスノウスキー(Wesnousky)ら(1984)、亀田奥村(1985)の地図活断層歴史地震両方考慮している。構造物設計における設計地震動地震危険度評価取り入れ動きも、主要構造物を皮切りにしてこの頃から見られるようになったそのような中、1995年兵庫県南部地震阪神・淡路大震災以降地震予知研究計画見直され影響で国の方針としても地震危険度評価重点置かれるようになった石川奥村亀田(1996)は、同地震において神戸市付近観測され表面最大加速度(PGA)600-800ガル再現モデルにおけるPGAの1,000最大値460ガルよりも大きいことから、構造物設計において活断層データ考慮して1,000年以上の期間における想定を行うことで、内陸活断層地震のような低頻度大地震評価効率向上する可能性指摘した他方吉田今塚(1998)、長橋柴野(1999)は地盤による地震動増幅特性加味した危険度評価試みたほか、隈元(1999)、損害保険料算定会(2000)、AnnakaおよびYashiro(2000)、宇賀田(2001)は時間依存モデル設計試みている。こうした流れの中で、日本政府地震調査研究推進本部2002年地震動確率示した確率論的地震動予測地図試作版(地域限定)」を発表以後何度改訂行い2005年には日本全域対象とした「全国概観した地震動予測地図」、2009年には地震動確率と各断層固有地震)毎の予想地震動併せた 「全国地震動予測地図」を発表している。 他の国でも同様の危険度地図作成されている。旧ソビエト連邦では、Nersesov(1984)やSidorenkoら(1984)などが危険度地図発表していることが知られているほか、力武の『地震予知 発展展望』(2001)にはトルコ中国などの例も記載されている。

※この「歴史と各国の状況」の解説は、「地震危険度」の解説の一部です。
「歴史と各国の状況」を含む「地震危険度」の記事については、「地震危険度」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「歴史と各国の状況」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「歴史と各国の状況」の関連用語

歴史と各国の状況のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



歴史と各国の状況のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの地震危険度 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS