歴史と名声
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/08 13:23 UTC 版)
「Intel 440BX」の記事における「歴史と名声」の解説
440BXはインテルで最も人気のあるチップセットの一つであった。 皮肉にも、440BXは後継のいくつかのチップセットよりも、より良い性能を実現した。直接の後継だったi810とi820チップセットはFSB が100 MHzの440BXを超えることは出来なかった。i820は、高い性能を実現するために必要なRDRAMの価格と、SDRAMからRDRAMへ変換するMTHの信頼性問題に苦しんだ。さらに、非公式ではあるが440BXはしばしば133 MHzのFSBで使われることがあった。440LXを75 MHzで動作させるときの苦労と比較し、容易に440BXは66 MHzから133 MHz以上でCPUに追随でき、マニアはこのチップセットのオーバークロック耐性を、CPUオーバークロックに併用した。 ASUS P3B-FやAbit BH6/BF6/BE6のようなマニア向けのマザーボードは、この非公式のクロックに設定するためのBIOSオプションを持っていた。FSBが133 MHzのときに、440BXはi815チップセットと同等の性能を発揮し、テュアラティンコアのPentium IIIに比肩できた。しかし440BXは2/3のバスクロック分周器しか搭載していなかったため、2/3分周を用いるAGPバスも規定の66 MHzからクロックアップした。440BXのFSBを定格の100 MHzを超えて走らせることは、オーバークロックされたAGPバスの上でビデオカードを動作させることが必要であった。初期のNVIDIA GeForceのようないくつかのビデオカードはオーバークロックに耐性があったが、多くのビデオカードはAGPでの35%のオーバークロックには耐えられず不安定となった。オーバークロックされたAGPバスでの動作に成功したビデオカードは、当然に描画能力が向上した。 しかし、後のi815チップセットは440BXと比較して優れた機能と同等の性能を実現したため、最も優れたPentium III 用のチップセットとして考えられた。i815は133 MHzのFSBを実現するための1/2のAGP クロック分周器、AGP 4x、Ultra ATA/100をサポートするだけでなく、後の改版でテュアラティンPentium IIIを直接サポートすることが出来た。ただし、i815は256Mbitチップを搭載したメモリモジュールをサポートしているが、i810同様合計搭載メモリが512MBに制限されている。対して440BXは128Mbitチップまでしかサポートしていない代わりに、128Mbitを16個搭載した256MBモジュールを複数枚搭載することにより、マザーボードの実装によっては合計搭載メモリを768MBや1GBにすることができた。 その結果、440BX搭載マザーボードは安定性を重視する法人にも受け入れられ、Pentium 4などのNetBurstマイクロアーキテクチャが主流となった後も、発売から実に5年以上の長きにわたって販売され続けた。 440BXチップセットの成功と広い普及により、いろいろなソフトウェアエミュレーション/仮想化パッケージで、440BXをそれぞれのバーチャルマシンの一部として動作されることになった。幅広い互換性によりVMwareの仮想化アプリケーションシリーズやMicrosoft Virtual PCシリーズ、Microsoft Hyper-Vシリーズは440BXチップセットをバーチャルマシンの一部として提供している。
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