AGPとは? わかりやすく解説

エー‐ジー‐ピー【AGP】


AGP

フルスペル:Accelerated Graphics Port
読み方エージーピー

AGPとは、Intel開発したビデオカード用の規格である。1996年最初バージョンであるAGP1.0が登場し2002年のAGP3.0までリリースされた。

AGPでは、従来PCIバスから独立した画像動画といった大容量データ転送するための専用経路備えている。そのため、ビデオカードメインメモリーの間で高速データやり取りが可能となった

その後、より高性能PCI Express後継規格として一般的になっている。

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藻類生産潜在能力(AGP)

藻類生産潜在能力はAlgal Growth Potentialの略称です。試特定の藻類接種して、一定の条件下で藻類増殖定常期達するまで培養し、その最大増殖量を乾燥重量(mg/リットル)で表したもので、富栄養化程度を示す直接的な指標となります一般に貧栄養湖のAGPは1mg/リットル以下、富栄養湖では10数十mg/リットル達します

Accelerated Graphics Port

(AGP から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/02 07:16 UTC 版)

マザーボード上のAGPスロット

Accelerated Graphics Port(アクセラレーテッド グラフィックス ポート、AGP)とは、インテルが策定したビデオカード用の拡張ポート規格である。

概要

インテルのPentium IICeleronSlot 1対応チップセットであるIntel 440LXでAGP 1.0が初採用され、以後、後継規格であるPCI Expressが制定・実用化されるまでパーソナル・コンピューターを中心に利用された。

信号プロトコルは32ビット 66 MHz動作のPCIバスのそれを基本としつつ、同バスでデータバスと時分割により共用とされていたアドレスバスを8ビット幅で別途用意し、必要に応じて両バスを分離可能[注釈 1]とするサイドバンドアドレッシング機能や、CPUを介せず直接グラフィックコントローラでメインメモリの読み書きを可能とするDIME (DIrect Memory Execution) 機能を搭載する。

サイドバンドアドレッシング機能とDIME機能は共に本ポートに接続されるグラフィックコントローラからパソコン本体のメインメモリへのアクセスを高速化するためのものである。これらは当初、メインメモリをテクスチャZバッファやバックプレーンとして使用することによって、ビデオカードに搭載されるビデオメモリ[注釈 2]の搭載量を必要最小限で済ませ、一定の描画性能を確保しつつ低コスト化を図る目的で開発された[注釈 3]。だが、規格制定と前後してWindows搭載パソコンでの3Dグラフィック機能の搭載が急速に進展したことから、そうした低コストパソコンへの適用とは別に、ポリゴンによる3Dグラフィック機能をサポートするグラフィックコントローラにおいて、大容量テクスチャメモリをメインメモリ上に確保する手段として賞揚され[注釈 4]下位機種から上位機種まで幅広く普及するに至った。

最初のバージョンであるAGP 1.0は1996年8月に策定され、1997年夏頃から製品が出回るようになった[注釈 5]

上述の通りAGPは32ビットPCIの上位互換機能を備えており、適切なデバイスドライバが存在しない場合、本ポートに接続されたグラフィックコントローラは32ビット 66 MHzのPCIバスに接続されているのと同等の動作を行う[注釈 6]

後年、大量のメモリをビデオカードに実装するようになると、ビデオカードのメモリアクセスはビデオカード内で完結することも多くなり、メインメモリへのアクセス向上という意義はやや薄れた。だが、この時期には3Dゲームを中心に本ポート経由でやりとりされるデータそのものが急増しており、その要求に応える形で本ポートは規格の拡張・性能向上が繰り返された。これにより、基本となる1xモード (半二重266 MB/s) の機能に加えて信号の低電圧差動を行い、さらにクロック信号の立ち上がりに加え、立ち下がり、待ち時間などを検出することで同一クロックタイミングのまま転送速度を2倍・4倍・8倍と高速化させるAGP 2xモード (半二重533 MB/s) ・4xモード (半二重1,067 MB/s) ・8xモード (半二重2,133 MB/s) が開発されている。

規格のバージョンと互換性

AGPはこれまでに3つの規格がリリースされ[1][2][3]、諸元は以下の表の通りである。

AGP規格の各リリース
AGP 1.0 AGP 2.0 AGP 3.0
策定年月 1996年8月 1998年5月 2002年9月
信号電圧 3.3 V 1.5 V 0.8 V
速度 1x, 2x 1x, 2x, 4x 4x, 8x
切り欠き(突起)の位置 3.3 V 1.5 V, Universal 1.5 V, Universal

より高速な動作モードを備えたリリースであるほど、スルー・レートを高く維持するように信号電圧が低く設定されている。 データ転送速度は1x・2x・4x・8xの4種類があり、バースト転送時でそれぞれ 半二重266 MB/s・533 MB/s・1.07 GB/s・2.13 GB/sの速度となっている。

互換性, カードの切り欠き(上部)、スロットの突起(下部)

カードエッジ端子部分はPCIのような櫛状に端子を並べるのではなく、かつてのEISAバスと同様、端子を上下2列に千鳥配置としている。

また複数の動作電圧が設定されているので、対応電圧の異なるカード・スロットを区別するため、図に示すように、3.3 Vと1.5 Vの電圧にそれぞれ対応した位置に、カードには切り欠きが、スロットには突起が存在する。これにより電圧が非対応のカードの挿入を物理的に防いでいる。AGP 3.0の駆動電圧である0.8 Vに対応した切り欠き(突起)は存在しないが、0.8 Vで動作するカードは、0.8 V非対応のスロットに挿入されたときも適切に対処することが規格上定められており[3]、AGP 3.0専用カードであっても1.5 Vの入力電圧に耐え(切り欠きにより3.3 V専用スロットへの挿入は物理的に回避できる)、非対応スロットであることを電気的に認識した後に動作を停止(あるいは1.5 V動作に自動切り替え)し、故障を回避する必要がある。なお、3.0対応スロットの場合、2.0のカードが装着された場合には自動的に2.0モードに切り替わる実装が多い[4]

過去には、切り欠きが不適切に設定されたカードにより、回路が焼損する事故が起きたこともある。

AGP対応カードが必ずしも全ての動作速度に対応しているわけではなく、動作モードは2xまでしかサポートしないというカードも存在する。

カードやスロットにより、対応する規格の範囲が異なり混乱を招くことがある。また、カードやスロットの物理的形状だけでは対応する動作モードを判断することが出来ないため、混乱に拍車をかけている。

拡張スロットの色は茶色が多く、CPUからは最も近い位置にあることが多い。

AGP Pro[5]
画像処理に特化したワークステーション等で用いられる、より多くの電力を必要とするビデオカード向けに、ピン数を増やした AGP Pro 規格がある。

終焉

2005年末以降のマザーボードの新製品では、より高性能だがAGPと互換性のない後継規格PCI Express (PCIe) 規格スロットのみを搭載したマザーボードが一般的となったため、AGPは事実上旧規格(レガシーデバイス)となり、各ビデオカードベンダーの最新型製品におけるラインナップはPCIeを中心とした物に移り変わっていった。NVIDIAGeForce 8シリーズ以降のAGP版をリリースしていない。AMDでは2009年現在のところRadeon HD 3000・4000シリーズのAGP版が発売されているが、HD 2000シリーズ以前に比べるとラインナップが大幅に減少し、HD 5000シリーズ以降AGP版のリリースは停止された。

PCIe用ビデオチップをAGPに転用するため、AGP-PCIeブリッジチップ(NVIDIA製品では「HSI」、AMD製品では「Rialto」と呼ばれる)を搭載するカードも存在していた。

脚注

注釈 

  1. ^ 基本的にはPCIバス互換の時分割共用モードで動作し、各対応デバイスのドライバで分離モード動作をサポートする。なお、この機能はAGP 2.0まではオプションとされサポートが必須でなく、AGPカードとチップセット間での互換性問題の一因となっていた。
  2. ^ デュアルポートVRAMSGRAM英語版WRAM英語版など。本ポートの開発当時、これらは非常に高価であった。
  3. ^ 従って、本ポート以前にビデオカード用の拡張バスに使われていたPCIVLバスのデータ転送帯域の不足が、開発の直接的な動機となったわけではない。
  4. ^ これらの機能を従来のPCIバス経由で実行した場合、データバスが飽和し転送帯域が不足することが危惧された。本ポートが複数のデバイスによる共有を前提とする「バス」ではなく単独のデバイスが占有する「ポート」とされたのも、この点に対する対応である。
  5. ^ 一般市場で流通した最初の製品はNumber Nine Visual Technology社のRevolution 3Dで、これにMatrox社のMillennium IIやIntel 740などが続いた。
  6. ^ 対応チップセットには仮想PCI-PCIバスブリッジ機能が搭載されており、ドライバでモード切替を行わない限りは本ポートは仮想的にセカンダリ以降のPCIバスとして振る舞う。これにより、サイドバンドアドレッシング機能やDIME機能をサポートしないWindows NTなどでも、これらの機能を無効化したドライバを用意することで、OSサポートの後方互換性が確保されている。また、上述のRevolution 3DやMillennium II、3dfx社のVoodoo Banshee、それにNVIDIA社のRIVA 128など初期に開発されたAGP対応グラフィックコントローラではこのサイドバンドアドレッシング機能はそもそもサポートされていない。この互換機能を生かした極端な例では、AGP用のグラフィックカードを、電圧の変換のみでPCI用として使用するアダプタが販売された事例もあった。

出典 

  1. ^ Intel. “Accelerated Graphics Port Interface Specification Rev. 1.0” (PDF) (英語). Dec. 14, 2007閲覧。
  2. ^ AGP 4X: Faster Data Transfer & Better-Quality Images”. Smart Computing (January 2000). 2008年6月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年10月18日閲覧。
  3. ^ a b Intel. “AGP 3.0 Specification” (PDF). 2007年11月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。Dec- 14, 2007閲覧。
  4. ^ AGP 3.0”. ASCII.jp (2003年1月11日). 2020年9月6日閲覧。
  5. ^ 米Intel、ワークステーション向けの新AGP規格発表”. PC Watch (1998年3月9日). 2012年8月30日閲覧。

関連項目



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