歴代の強豪棋士
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初代大橋宗桂 (1555-1634) 徳川家康に仕え、将棋所を名乗ったことから初代名人とされる。将棋家元三家の本流である、大橋本家の祖(ほかは大橋分家、伊藤家)。戦国時代から江戸時代初期の人物。 三代伊藤宗看 (1706-1761) 七世名人。「鬼宗看」。詰め将棋作りでも知られ、将軍家に「将棋無双」を献上した。 六代大橋宗英 (1756-1809) 九世名人。通称「鬼」。「宗英以前に宗英無く、宗英以後にも宗英無し」と呼ばれ、負けにくい棋風から「近代将棋の祖」とされている。江戸時代後半に活躍。 天野宗歩 (1816-1859) 名人(家元)とはならなかったものの、実力は高く評価されており、「棋聖」と呼ばれる。幕末に活躍。 坂田三吉 (1870-1946) 明治から昭和の初期にかけて活動した棋士。贈名人・王将。その生涯が何度も映画化された。 関根金次郎 (1868-1946) 十三世名人。明治から昭和の初期にかけて活躍した棋士であり、坂田三吉の最大のライバル。自ら名人位を退き、実力制名人制度を確立した。 木村義雄 (1905-1986) 初の実力制名人(通算8期)。十四世名人。通称「常勝将軍」。第二次世界大戦の前後に活躍。 升田幸三 (1918-1991) 初の三冠独占者。通算獲得タイトル7期(うち名人2期)。独創的な序盤戦術の開発のことを、自ら「新手一生」と呼称。 大山康晴 (1923-1992) 升田から三冠すべてを奪い独占。また、初の四冠・五冠独占者。通算獲得タイトル80期(うち名人18期)。十五世名人。昭和期に長く活躍し、一時代を築く。通算1433勝(歴代2位)。タイトル戦連続19獲得・連続50出場記録、タイトル挑戦(66歳)・順位戦A級維持(69歳)の最年長記録。 加藤一二三 (1940-) 通算獲得タイトル8期(うち名人1期)。当時史上最年少となる14歳でのプロ棋士資格。連続昇級による18歳でのA級棋士と20歳での名人戦挑戦(最年少記録)。A級順位戦通算149勝(歴代1位)。62歳のA級在位(歴代2位)。初の1000敗達成。史上初の勤続60年。公式戦の生涯対局数は2505局(歴代1位)。通称「神武以来(じんむこのかた)の天才」。 米長邦雄 (1943-2012) 四冠達成。通算獲得タイトル19期(うち名人1期)。永世棋聖。49歳での名人位獲得は史上最年長記録(「50歳名人」)。中原との対局数187局は同一カード対局数1位(百番指しを参照)で、中原・米長時代とも呼ばれた。終盤の粘りから「泥沼流」と名付けられる。 中原誠 (1947-) 五冠達成(六冠独占をかけて加藤一二三棋王に挑戦するも、阻まれる)。通算獲得タイトル64期(うち名人15期)。十六世名人。大山から次々とタイトルを奪うなど昭和後期から平成初期に活躍。1967年度には年間勝率.855を記録(歴代1位)。よどみない指し回しは「自然流」と称された。 谷川浩司 (1962-) 四冠達成。通算獲得タイトル27期(うち名人5期)。十七世名人。21歳での名人位獲得は史上最年少記録。終盤の鋭い攻めは「光速の寄せ」と呼ばれる。 羽生善治 (1970-) ともに初となるタイトル七冠独占、永世七冠および名誉NHK杯選手権者資格の保持者。通算獲得タイトル99期(歴代1位、うち名人9期)。27年連続タイトル保持(歴代1位)。王座で同一タイトル獲得・連覇記録(19連覇を含む通算24期)。NHK杯で4連覇を含む11回優勝。通算勝利数歴代1位の1434勝達成(更新中)。平成期に活躍する「羽生世代」の第一人者。 佐藤康光 (1969-) 通算獲得タイトル13期(うち名人2期)。永世棋聖資格者。読みの深さは「1秒間に1億と3手読む」と称されている。 森内俊之 (1970-) 通算獲得タイトル12期(うち名人8期)。十八世名人資格者。名人戦で幾度となく羽生と激闘を繰り広げた。堅い指し筋から「鉄板流」と呼ばれる。 渡辺明 (1984-) 通算獲得タイトル31期(うち名人3期)。永世竜王・永世棋王資格者。20歳で竜王を獲得し9連覇。 豊島将之 (1990-) 史上9人目の三冠達成。史上4人目の「竜王・名人」。「序盤、中盤、終盤、隙がない」と評されるオールラウンドプレーヤー。 藤井聡太(2002-) 史上最年少(14歳2か月)で四段昇段(プロ入り)を果たすと、そのまま無敗で公式戦最多連勝記録(29連勝)を樹立。最年少全棋士参加棋戦優勝・タイトル獲得・10代九段・史上4人目の五冠を10代で達成など多くの最年少記録を更新。
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