数学記号_(Unicodeのブロック)とは? わかりやすく解説

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数学記号 (Unicodeのブロック)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/09 09:35 UTC 版)

数学記号 (Unicodeのブロック)
Mathematical Operators
範囲 U+2200..U+22FF
(256 個の符号位置)
基本多言語面
用字 Common
主な言語・文字体系
割当済 256 個の符号位置
未使用 0 個の保留
Unicodeのバージョン履歴
1.0.0 242 (+242)
3.2 256 (+14)
公式ページ
コード表 ∣ ウェブページ
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数学記号(すうがくきごう、英語: Mathematical Operators)は、Unicodeの80個目のブロック

解説

数学で用いられる様々な数学記号が収録されている。

Unicodeのバージョン1.0においても「数学記号(Mathematical Operators)」というブロック名で制定されていた[1]

収録文字

コード 文字 文字名(英語) 用例・説明
その他の数学記号
U+2200 FOR ALL 全称記号。「全ての」を意味する。例えばx∈ℕは全てのxが自然数であることを表す。

しばしば上付き文字として書かれる。

U+2201 COMPLEMENT 集合論において補集合を表す。∁Aのように集合を表す文字の前に書かれるか、Aのように上付き文字として書かれる。
U+2202 PARTIAL DIFFERENTIAL 偏微分を表す。ベクトル量について特定の次元のみで微分することを表し、通常は分数の形式で使われる。

位相空間では境界を表す。

記号名は「ラウンドD」などと呼ばれる。

U+2203 THERE EXISTS 存在記号。「とある」を意味する。例えばx∈ℕはxには自然数であるものが存在することを表す。

しばしば上付き文字として書かれる。

U+2204 THERE DOES NOT EXIST U+2203 ∃ THERE EXISTSの否定。
U+2205 EMPTY SET 空集合。要素を持たない集合を表す。

言語学ではヌル形態素または音韻上の「ゼロ」(子音や母音が無いこと)を示すために使用される[2]

U+2206 INCREMENT この記号には以下の用法がある。
U+2207 NABLA ナブラ記号。主にベクトル演算で用いられる。以下の用法がある。
  • スカラー量xの直前に書かれて∇xとすると、勾配(gradient)を表す。
  • U+2219 ∙ BULLET OPERATORと共にベクトル量Aに対して∇∙Aとすると、発散(divergence)を表す。
  • U+00D7 × MULTIPLICATION SIGNと共にベクトル量Aに対して∇×Aとすると、回転(rotation)を表す。
  • 上付きの2(U+00B2 ² SUPERSCRIPT TWO)と共に用いて∇²とすると、ラプラス作用素を表す[2]
  • 解析学において有限差分のうち後進差分を表す[2]
  • プログラミング言語のAPLでは再帰呼び出しを表す[3]
集合の包含関係
U+2208 ELEMENT OF x∈Xは要素xが集合Xに含まれていることを表す。

左辺には要素が、右辺には集合が置かれる。

U+2209 NOT AN ELEMENT OF U+2208 ∈ ELEMENT OFの否定。x∉XはxがXに含まれないことを表す。

多くの地域ではU+2208 ∈ ELEMENT OFに縦線が引かれた字形をしているが、日本においてはしばしば縦線の代わりに斜めの線が引かれることがある。

U+220A SMALL ELEMENT OF math pi fontに由来する。直線型のイプシロン(U+03F5 ϵ GREEK LUNATE EPSILON SYMBOL)ではない[2]

APLでは1項演算子として用いた場合は多次元配列を1次元配列に変換すること(enlist)を、2項演算子として用いた場合は左辺が右辺に含まれているかどうかを真理値で返すこと(membership)を表す[3]

U+220B CONTAINS AS MEMBER X∋xは集合Xが要素xを含んでいることを表す。
U+220C DOES NOT CONTAIN AS MEMBER U+220B ∋ CONTAINS AS MEMBERの否定。
U+220D SMALL CONTAINS AS MEMBER
その他の数学記号
U+220E END OF PROOF 墓石記号。証明終了を表す。
N項演算子
U+220F N-ARY PRODUCT 総乗記号。記号の下に変数の開始値が、上に終了値が書かれることを意図している。
U+2210 N-ARY COPRODUCT 以下の用法がある。
U+2211 N-ARY SUMMATION 総和記号。記号の下に変数の開始値が、上に終了値が書かれることを意図している。
演算子
U+2212 MINUS SIGN 減算記号。マイナス。

ハイフンマイナス(U+002D - HYPHEN-MINUS)とは異なり、減算記号としての機能のみを持ち、ハイフンとしての機能は持たない。

U+2213 MINUS-OR-PLUS SIGN 複号。マイナスプラス。

計算式について正の場合と負の場合とを同時に表記する際に用いられる。±とは符号が逆になる項に付けられる。

チェス代数式記譜法英語版では黒が明らかに有利であることを表す。

U+2214 DOT PLUS ベクトル演算における直和を表す[4]
U+2215 DIVISION SLASH 汎用除算演算子[2]。以下の用法がある。
  • 集合論において商集合を表す。
  • 分数表記の数式をプレーンテキスト上で表現する場合に用いられる。
U+2216 SET MINUS 集合の減算。B∖Aは集合Bから集合Aに含まれる要素を取り除いた差集合を表す。
U+2217 ASTERISK OPERATOR 以下の用法がある。
U+2218 RING OPERATOR 写像の合成を表す。

APLでは∘.×の形でテンソルの外積を表す[3]

U+2219 BULLET OPERATOR 任意の演算子の説明などにおいて、任意の演算子または被演算子(オペランド)の書かれる位置を示すために用いられる。例えば


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