戦後の技術確立の時代とは? わかりやすく解説

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戦後の技術確立の時代(1945年 - 1955年頃)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 13:46 UTC 版)

日本のディーゼル機関車史」の記事における「戦後の技術確立の時代(1945年 - 1955年頃)」の解説

戦後間もない頃、石炭供給極端に不足していたため、国鉄および一部私鉄では電化進められた。しかし1950年以降ドッジ・ライン朝鮮戦争影響による物価高騰により電化は困難となり、一方で石油輸入規制緩和実施されたことから、ディーゼル機関車対す関心強まり急速に技術向上し普及していった。このとき、放置されていた戦前内燃機関車再生された例もある。また、大阪森製作所が手がけた一連の機関車のように、中小私鉄向けに蒸気機関車台枠車輪再利用し、台枠の上エンジン運転装置載せることで安価にディーゼル機関車製造した事例見られた。 国鉄では1953年、初の幹線電気式ディーゼル機関車DD50形製造した。これは新三菱重工業船舶エンジン分野技術提携していたスイススルザー社の設計したエンジンライセンス製作して搭載している。北陸本線米原 - 敦賀間で使用された。しかし、蒸気機関車比して単位出力あたりの重量重く非力重連運転常用であることや、客車用の暖房装置設置していないため客車列車運用には不向きであることなどから、本格的な量産には至らなかった。 1954年には国鉄初の液体式ディーゼル機関車であるDD11形が製造されたが、気動車用のDMH17エンジン変速機そのまま使用しており出力低く火気厳禁の場所での入換用として使用され程度で、やはり本格的な量産には至らなかった。 私鉄用の機関車要求される出力50 - 150PS程度で、同時代気動車大型自動車多く部品共用できた。エンジン大戦前からの技術向上に加え太平洋戦争直前戦車等の軍用車両用として規格化された80PS - 200PS級「統制ディーゼルエンジン」の制定や、民生デイゼル工業クルップ式KD型2ストロークエンジンなどの開発進み、それらの戦後一般自動車エンジン転用過程製造技術確立安定してきたこともあって、ほぼ国産が可能であった。またこの種の軽用途では、変速機簡易な機械式変速機で十分で、気動車自動車用既存変速機流用できた。大手メーカーでは汽車製造がこの種の小型機関車に一時期取り組んでおり、国鉄DD11形もその発展と言うべきものであった。 これに対し国鉄幹線での使用供しうる1,000PS級の大出ディーゼルエンジンは、日本国内ではほとんど実用化されておらず優れた欧米メーカーライセンス生産により製造するしかなかった。ライセンス料によるコスト高や契約による仕様変更への制約、そして国鉄自身国産優先主義などが、それらの優れた性能エンジン日本積極採用することを妨げた大出力の動力伝達手段も、1950年代前半には高コスト電気式採用以外に選択肢がなかった。 ドイツでは第二次世界大戦期にこのクラスの中速・高速ディーゼル機関Uボート潜水艦)やSボートなどの高速艇向けに開発されており、第二次大戦後にも、民間船舶用や再軍備に伴う艦艇軍需と軌を一にして鉄道向けに広く応用され事実があるが、日本帝国海軍ドイツ海軍とは異なり機関車応用の利く1000PSクラス船舶用エンジン大戦末期64内燃機関三菱重工業ZC707形)が実用化されるまで量産されていなかった。戦中と戦後島秀雄技術の遅れを指摘した上で鉄道車両用にこのエンジン使用することを提案したが、幹線電化方針固めていた当時国鉄には大出ディーゼル機関車開発という発想すらなかったのか受け入れられずに終わった。後に島自身はこの提案受け入れられなかった理由として、良質な燃料手に入らない状況下では高速運転ができず、低質燃料での中速運転に使うには重すぎたと回顧している。 また戦後純国産設計による鉄道用大型ディーゼルエンジン開発では、当時最も進歩的開発能力高かった大型自動車メーカー各社関与欠いていた。主として新潟鐵工所振興造機など国鉄歴史的関係の深いエンジンメーカーが、国鉄との協力のもとエンジン設計生産当たったが、国鉄技術陣・メーカー側とも開発力は不十分だった

※この「戦後の技術確立の時代(1945年 - 1955年頃)」の解説は、「日本のディーゼル機関車史」の解説の一部です。
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