情報代謝の要素(Information metabolism elements)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/15 01:19 UTC 版)
「ソシオニクス」の記事における「情報代謝の要素(Information metabolism elements)」の解説
ソシオニクスにおいて、ユングの認知機能は常に、内向的(質の精製に焦点を当てる)あるいは外向的(量の増加に焦点を当てる)のいずれかであり、それらは情報代謝の要素(IM Elements)と呼ばれている。これらは情報のアスペクトを処理すると言われている。情報のアスペクトがどういうものであるか理解するためには、情報代謝理論の理解が不可欠となる。 Augustinavičiūtėは人の精神は世界を知覚するために情報代謝の8つの要素(精神の機能)を使用し、8つの要素それぞれが客観的な現実の特定の一側面を反映する、と述べている。彼女は自身の著作において、可能性や運動エネルギー、空間、時間、そしてそれらの性質といった物理的な量に基づいて世界の側面を説明している。 ソシオニクスの8つのシンボル()はAugustinavičiūtėによって導入された。これらのシンボルは、機能とそれらが処理する情報のアスペクトへの対応を意味する主要な手法とされている。対してインターネット上では文章主体の表記方法も使用されている。Victor Gulenkoの8つのラテン文字表記(Pragmatismの「P」、Emotionsの「E」、Forceの「F」、Ideasの「I」、Lawsの「L」、Relationの「R」、Sensesの「S」、Timeの「T」にそれぞれ対応する)やMBTI式の表記(Te、Fe、Se、Ne、Ti、Fi、Si、Ni)があり、後者は欧米で愛好されている。 要素抽象的定義Gulenko表記シンボル説明外向的論理 物質の外面の動力学(external dynamics of objects) Pragmatism(実用) Pragmatism (P)は、行動と技術的プロセスの効率、方法あるいはアプローチの慎重さ、そして実際的な仕組みの判断をする機能である。Pは事実に注目し、出来事に基づいて状況を評価し、可能な限り正確に情報を伝えようとして、淡々と事実に即したコミュニケーションを行う。この意味で、Emotionsの反対である。Pは機能性と収益性を向上させるために経験的観察を通じて知識を変更および追加し、どのように改善できるかという観点からシステムにアプローチする。この意味で、Lawsの逆である。 外向的倫理 物質の内面の動力学(internal dynamics of objects) Emotions(感情) Emotions (E)は、感情表現と感情の状態の感染、メッセージやイメージの魅力、そして誰かとどのように感情的に作用しあうかの判断をする機能である。Eは情に注目し、人々がどう感じるかに基づいて状況を評価し、可能な限り確実に感情を伝えようとして、大げさに情熱的にコミュニケーションを行う。この意味で、EはPragmatismの反対である。Eは興奮と熱意を高めるために表現豊かな行動を通じて人々の感情を刺激し変化させ、人がどのように感じるかという観点から人々にアプローチする。この意味で、Relationsの逆である。 外向的感覚 物質の外面の静力学(external statics of objects) Force(力) Force (F)は、物理的な物や現実世界で彼らが手にする領域の量、周囲の環境における何かしらの影響、他のものにもたらされる脅威を知覚する機能である。Fは行動に注目し、表面的で具体的な事実の迅速な評価を即座に決定し、直接的で厳しい決断に満ちたアプローチを行う。この意味で、Ideasの反対である。Fはより弱い敵を取り込んで、たとえ激しく争うことになろうとも状況を彼らに有利な方向へ推し進めようとし、対立する力の衝突という観点から現実にアプローチする。この意味で、Sensesの逆である。 外向的直観 物質の内面の静力学(internal statics of objects) Ideas(発想) Ideas (I)は、抽象的概念や彼らが保有できる可能性の量、あらゆる命題に対する複数の代替案、潜在能力を知覚する機能である。Iは推測に注目し、異なる可能性について考慮しようとし、異端的な考え方にチャンスを与え、気まぐれな方法で間接的かつ回りくどいアプローチを行う。この意味で、Forceの反対である。Iはあらゆる制限を避けて新しい扉を開き、次に好奇心が向いたならどこへでも放浪し、多様性の拡大という観点から可能なことにアプローチする。この意味で、Timeの逆である。 内向的論理 領域の外面の静力学(external statics of fields) Laws(法則) Laws (L)は、論理や構造、分類化、秩序化、優先順位、論理的な分析、区別、論理的な解釈を理解する要因となる機能である。Lは情報を検証システムにどう適合するかによって解釈する。Lは特定の目的とは無関係に、とりわけ論理的な一貫性と、概念が意味と構造において互いにどのように関連するかを認識する。 内向的倫理 領域の内面の静力学(internal statics of fields) Relations(関係) Relations (R)は、品質や本質、人間関係の適切な距離を理解する要因となる機能である。主観的な判断を下し、人格の善良さを志す。Rは人々の本質と意思、ある人が他者に向ける感情、好き嫌いの態度を強く理解している。そしてこの情報に基づき、関係がいかに親密または疎遠かを認識している。 内向的感覚 領域の外面の動力学(external dynamics of fields) Senses(感覚) Senses (S)は、快適さ、実用性、楽しみを重視し、調和と順応の感覚や自身の環境(とりわけ物理的な)、身体感覚を詳細に知覚する要因となる機能である。Sは人や物事の行動がその本質に対してどれほど合致しているかの程度、加えて、快適な行動や場所と不快なものの間の違いを理解する。 内向的直観 領域の内面の動力学(internal dynamics of fields) Time(時間) Time (T)は、物事がどのように時間をかけて進行するかという想像力や、有意義なあるいは経験を超越した感覚、不可避な物事への理解の要因となる機能である。Tは過去にある原因が未来の結果へどのように通じ導かれるかを理解する。Tは長期的な動向や現在のあらゆる一つの瞬間にわたって生じる傾向を鋭く認識し、出来事を連続する流れの一部として見る。Tは未来の出来事の起こり得る結果を知覚し、過去との関連性に気付く。
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