情報伝達の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 04:34 UTC 版)
本事件、および首都圏国電暴動は労組の順法闘争を直接の原因としているが、当局たる首都圏本部が指摘した問題点として、輸送障害時の対応策不備が挙げられる。このことは国鉄の幹部たちにも了解されており、事件後、首都圏本部長の人事発令の際は、本社電気局長の尾関が異動した経緯があった。また、尾関は前本部長の石川達二郎からの引継ぎの際「情報問題をぜひあなたの時代にやってほしい。根をつけてほしい」と言われたと言う。 尾関自身は次のように述べている。 例えば、毎朝通勤している一、〇〇〇万人東京三局内の乗客が、車内では全く情報途絶状態なんですね。新幹線以外の電車に乗る人は、すべて(車掌や運転士も含めて)頼りになるのは信号機だけなんですよ、信号機が赤になると電車は停まるけれども、その先は皆目見当がつかない、それが今の実情です。停車して五分〜一〇分と時間が経っていくのに、何の情報も入ってこなければ、乗客は一体どんな反応を示しはじめるか…例の上尾事件が証明するとおりなんですね。 — 尾関雅則(聞き手田仲祥伸「首都圏を展望する」『鉄道界』1976年4月
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