後世へ語り継ぐ撲滅の歴史とは? わかりやすく解説

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後世へ語り継ぐ撲滅の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 05:54 UTC 版)

地方病 (日本住血吸虫症)」の記事における「後世へ語り継ぐ撲滅の歴史」の解説

住血吸虫症日本住血吸虫症以外にも、インドシナ半島メコン住血吸虫症アフリカ大陸および中南米一帯ビルハルツ住血吸虫症や、マンソン住血吸虫症など、世界各地に数種存在する今日ではこれらの住血吸虫症でも、画期的な駆虫薬プラジカンテルによる治療普及したことによって、生命関わるうな重篤な患者減少しつつある。終息宣言から20年以上経過した日本国内では日本住血吸虫という言葉知る人少なくなり、三省堂辞書編纂携わる編集委員のひとり飯間浩明は、日本住血吸虫という言葉を他の数百とともに三省堂国語辞典最新版から削除した2017年平成29年)に語ったしかしながら2015年のWHO(世界保健機構)の報告によれば住血吸虫症流行国は78カ国、そのうち感染リスクの高い国は52カ国に及ぶ。推定感染者数は約2億6100万人達し2014年には全世界4000万人住血吸虫症治療受けた報告されている。特に、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国では、2015年現在年間推計2万人から20万人住血吸虫症により死亡した推計されている。 山梨県終息宣言出され2年後1998年平成10年5月に、イギリスバーミンガム行われたバーミンガム・サミット主要国首脳会議)の席上で、橋本龍太郎首相当時)は、世界規模寄生虫対策実施する必要性訴えた21世紀向けて国際寄生虫戦略 - The Global Parasite Control for the 21st Century』と題する報告書各国首脳提示した橋本イニシアティブ (Global parasite control initiative of Japan (Hashimoto Initiative))と呼ばれるこの報告書は、アメリカコロラド州デンバー前年開催されたデンバー・サミットのG8会議において、世界規模寄生虫対策を行う重要性橋本指摘し対策具体化したものであり、デンバー・サミット後、橋本指示受けた日本厚生省は、辻守康杏林大学医学部教授委員長とした「国際寄生虫対策検討会」を組織した橋本イニシアティブ出された後、日本寄生虫学研究者医師らの多く寄生虫疾患対策のために世界各地出向き、その対策治療中間宿主撲滅活動など継続的に行われている。また、日本国内において住血吸虫症治療に関する研究継続的に行われており、プラジカンテル等の駆虫薬用いた感染後治療主眼をおいていた従来の治療法に代わる新たな試みとして、ヒト宿主との相互作用直接関与しヒト免疫応答重要な機能果たしている可能性ある日住血吸虫本体(膜表面)および分泌性タンパク同定長崎大学熱帯医学研究所2014年平成26年)に成功し、これらを遺伝コードする遺伝子族特定されるなど、日本住血吸虫症対す予防ワクチンの開発研究進められている。 日本世界寄生虫対策舵取りイニシアティブをとる理由は、日本さまざまな苦難乗り越え日本住血吸虫症ばかりでなく、数々寄生虫病制圧してきた経験を持つ公衆衛生先進国だからである。 以下、寄生虫学者である自治医科大学名誉教授石井明2005年記した、「日本における住血吸虫研究流れ」より引用する日本住血吸虫症住血吸虫感染症の中で最も重症である。日本住血吸虫発見した後に、その感染経路中間宿主貝を発見したのは住血吸虫感染の中で日本最初である。住血吸虫症制圧されたのは日本世界で最初である。住血吸虫症世界寄生虫感染中でも重要な位置占めている。したがって日本日本住血吸虫症制圧したことは誇るべき先駆的歴史的な事実となった。これには日本研究大きな役割果たしたことを記録しなければならない研究論文莫大な数に上がっている。日本語書かれたものが多いので必ずしも世界十分に知られているとは言えないが、それらの成果もたらした結果日本住血吸虫症制圧至ったことを明記する必要がある。 — 日本における住血吸虫研究流れ2005年 石井明 世界には日本住血吸虫症だけでなく、さまざまな住血吸虫症があるが、日本日本住血吸虫症メカニズム世界で初め解明しただけでなく、撲滅制圧成し遂げた世界唯一の国である。その中心的役割担った山梨県では、2005年平成17年)に開館した山梨県立博物館常設展示に「地方病に関するコーナー設けられ中巨摩郡昭和町では、旧杉浦医院建物利用した地方病資料館風土伝承館杉浦醫院)が2010年平成22年)に開館したまた、山梨県内小学校中学校使用される道徳教育教科書に「地方病撲滅経緯記載され2012年平成24年)より総合的な学習の時間利用した地方病に関する授業学習一部小学校行われ、さらにNHK教育テレビ放送され小学校4年生向けの番組NHK for School取り上げられるなど、地方病撲滅に至る経緯得られ経験を、後世伝えようという活動が行われ始めている。

※この「後世へ語り継ぐ撲滅の歴史」の解説は、「地方病 (日本住血吸虫症)」の解説の一部です。
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