後世への遺産と音楽様式とは? わかりやすく解説

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後世への遺産と音楽様式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 02:06 UTC 版)

カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ」の記事における「後世への遺産と音楽様式」の解説

カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ整理番号は、1905年ベルギー音楽学者アルフレッド・ヴォトケンヌ(Alfred Wotquenne)が作成したヴォトケンヌ番号(Wq)と、アメリカ音楽学者ユージン・ヘルム(Ernest Eugene Helm)が1989年作成したヘルム番号(H)の二つ併用されている。 カール・フィリップ・エマヌエル・バッハは、18世紀後半通じて非常に高く評価されていた。すでにヨハン・クリスティアン・バッハ近しい間柄にあったヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトは、カール・フィリップ・エマヌエルについて「彼は父であり、われわれは子供だ」と言っている。実際少年時代1767年習作として他の作曲家鍵盤楽曲編曲した一連のピアノ協奏曲一つピアノ協奏曲第3番 K.40」の終楽章は、カール・フィリップ・エマヌエルのチェンバロ独奏曲ボヘミアLa Boehmer」の編曲である。ハイドン訓練の中で最良部分は、カール・フィリップ・エマヌエル作品研究負っている。ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは、カール・フィリップ・エマヌエルの天才に対してとりわけ心のこもった評価尊敬の念示した。 カール・フィリップ・エマヌエルがこのような立場勝ち得たのは、ひとえにそのクラヴィーア・ソナタによってであった。これらの作品は、ソナタ形式歴史において重要な時期画しており、様式においては透明で、表現においては繊細甘く楽曲構造自由さ多種多様な着想ゆえに名高い作品の内容は、創意満ちているにもかかわらず感情の幅はやや狭めである。とはいえ思考実直であり、しかもフレージング洗練されていて絶妙である。カール・フィリップ・エマヌエル・バッハは、和声色彩感を独自の手法で用いた作曲家ひとりであり、いっぽう旋律美しさ親しみやすさによって、聞き手感動与えることをつねに目標として意識していた。おそらくそのために前古典派の作曲家の中で重要な先駆者となりえたのである19世紀に入ると、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの名は無視されるようになった。たとえばロベルト・シューマンは、「創造的な音楽家として父親とは余りにも格が違いすぎる」と述べている。しかしながらヨハネス・ブラームス高い評価惜しまずいくつかの作品校訂してさえいる。今日では、《フルート協奏曲ニ短調》Wq.22や、《チェンバロ協奏曲ト長調》Wq.3、《同ニ長調》Wq.11のほか、《専門家愛好家のためのソナタ集》、オラトリオ荒野イスラエルびと》《イエス復活昇天 Die Auferstehung und Himmelfahrt Jesu 》Wq.240といった作品再評価されるに至っている。鍵盤楽曲では、《ソルフェージェットハ短調 Solfeggietto》Wq. 117-2がピアノ練習曲として広く演奏される2005年カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ全集Carl Philipp Emanuel Bach: The Complete Works)が創刊されクリストファー・ホグウッド監修のもと、2014年完成目標企画進められている。

※この「後世への遺産と音楽様式」の解説は、「カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ」の解説の一部です。
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