小説の登場人物としての概要とは? わかりやすく解説

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小説の登場人物としての概要

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 08:33 UTC 版)

三蔵法師」の記事における「小説の登場人物としての概要」の解説

西遊記の登場人物としての三蔵法師は、姓は陳、幼名江流こうりゅう)あるいは紅流児と言い法名玄奘げんじょう禅師と言った前世釈迦如来の二の弟子、金子(こんぜんし)だったが、説法聞かず教え軽んじたために東土転生したとされるその後仏教帰依し2度の旅に失敗して転生したが、3度目81つの難をくぐり抜けて成功三蔵真経求めた取経の旅の功績大義により、旃檀功徳仏(せんだんどくぶつ)という仏に成る記別を得る。 父は陳蕚(ちんがく)、字を光蕋(こうずいと言い科挙合格した英才江州長官抜擢され人物。母は大唐帝国宰相殷開山の娘で、殷温嬌またの名を満堂と言った若い夫婦任地に向かう途中渡し舟船頭劉洪邪心持ち妊婦である温嬌を見初めて、李彪と謀って光蕋を撲殺して死体を川に捨てた劉洪は温嬌を言い含めて妾とし、自らは光蕋に成り済まして江州長官となった。温嬌は劉洪留守江流産んだ劉洪帰ればこの子殺される思った彼女は、運命を天に任せこととし赤ん坊肌襦袢包み自分息子である証拠として赤ん坊左足小指噛み切って生い立ち書いた血書同封し木片乗せて川に流した赤ん坊金山寺の法明和尚によって救われ、僧として養育された。他方、光蕋は受難前に金色救っており、その竜王化身であったので、命の恩に報いるため、川底死体は巡海夜叉によって竜宮運ばれ、魂と共に保存されていた。 18年後、若きとなった玄奘は、師である法明和尚に生い立ち知らされ衝撃を受ける。師の薦め托鉢僧となって母の消息訊ねることになった江州長官宅ではちょう劉洪留守で、玄奘は母と再会できた。しかし母はすぐに立ち去るように言い後日金山寺訪れて耳輪渡し父方の祖母張氏と母方の祖父殷開山会いに行くように指示する洪州の張氏は貧しく落ちぶれ、失明していたが、玄奘祈願して両瞼を舐めると、視力回復した次に玄奘長安殷開山会った殷開山は娘夫婦悲劇知って憤激し太宗皇帝直訴御林軍6派遣され殷開山劉洪李彪一味捕縛した劉洪李彪は共に拷問され罪状洗いざらい吐き、まず李彪さらし首になった殷開山、温嬌、玄奘の3人は、光蕋が殺され川辺で霊を慰めるための祭文焼いて劉洪生き肝抉り生贄にした。ところが川底では巡海夜叉がこの祭文受け取り竜王報告竜王はこれで光蕋は生き返ることができると喜び死体を川に戻し、魂を返した二夫仕えた自分恥じる温嬌が川に身を投げて死のう泣き玄奘宥めているところに死体水面浮かび上がり息を吹き返した。この奇跡に皆が喜ぶ。蘇った光蕋は太宗学士取り立てられ玄奘洪福寺でさらに仏道修行を積むことになったが、温嬌は従容として後に自殺した。 ある夜、太宗一度死んで冥界から戻るという体験をした。身代わりとなった妹の李玉英を亡くし冥途助けられ相良夫婦借りた金を返済するために勅建相国寺建立したが、以後仏法大変に尊ぶようになった高僧集められることになり、魏徴推薦玄奘選ばれ天下大闡都僧綱(てんかだいせんそうこう)の職に任命された。玄奘化生寺国中名僧達や皇帝の前で法会行った一方如来の命を受けて西方取経者を探していた観世音菩薩は、この玄奘転生したかつての高弟知って興味を持つ。恵岸と共に長安現れ菩薩は、乞食坊主に身を変えて如来から預かった錦襴(きんらん)の袈裟、九環の錫杖見せて売り歩いた値段が銀7千両という高額だったため人々はこれをからかったが、宰相蕭瑀しょうう)だけは凡物でないことを見抜いた聞くと、この袈裟を身につけて斎戒守れ淪落免れ地獄に堕ちず、虎狼の禍を除けるという。蕭瑀驚いて太宗報告太宗買い取るというが、(自分身分明かさぬままの)菩薩高徳の僧に与えるように言い残して代金受け取らず去った太宗はこの二物持ち主として相応しい者は玄奘かいない考え彼に与える。玄奘がこれを身にまとうと、その美しき姿に「地蔵菩薩再来だ」との歓声上がった李玉英の初七日法会玄奘念仏唱えていると、菩薩現れ小乗の経のみを講じるのは辞めるように諭した菩薩太宗に、大乗仏教三蔵死者苦難から救い無量寿の身にすることができる唯一のものと言い身分露わにして御経唱える感激した太宗は、正会を中止し天竺は大雷音寺に人を使わして三蔵真経持ち帰った後で再開すると言う。その取経の旅に志願したのが玄奘であった太宗喜び玄奘義兄弟契り結んだ紫金の鉢、白馬従者2人玄奘与えられ以後は「三蔵」と号するように命じられた。こうして旅が始まったのである三蔵はこの物語主人公という立場であるが、多くの版で孫行者活躍強調され結果玄奘三蔵物語での役割減少した。世徳堂本では(歴史上の実在人物多数登場する配慮からか)三蔵生い立ち部分カットされている。元代書かれた版を除いて実際的な主人公孫悟空考えられる。 旅の中での三蔵法師は、度々腰を抜かすなど性格臆病な面が描かれ、他の4人と違い妖力無く法力がわずかであるため、妖怪仕掛けた策略や罠に簡単に引っ掛かりそのたび弟子破門したり敵に捕まり生命危機瀕する…というのを繰り返す長安恋しがったり雷音寺が遠いと愚痴こぼしたりする場面もあって、弟子である孫悟空の事は疑うが、猪八戒讒言、人に化けた妖怪外見で人と判断してすぐ信じてしまうなど、人間的な弱さ強調される。子母河の飲んで妊娠した時は「医者中絶賜りたい」という現代感覚はずれた品格を疑うような発言もあった。こうした三蔵法師人間的に未熟な面は、三蔵法師主人公とする古い版に多々見られ、むしろ脇役たる孫悟空三蔵法師諌める場面もある。主人公徐々に孫悟空移っていくにつれて三蔵法師聖人としての面が強調され俗人的部分削除されていった。特に旅に出る前までは、欠点一つもない聖人として描かれる俗人的な面が残るのは、主人公である孫悟空ピンチ陥れる演出上の必要性よるものが多い。

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