実用化への課題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 00:38 UTC 版)
「空気マグネシウム電池」の記事における「実用化への課題」の解説
自己放電を防ぐために電解液をアルカリ性にすると、マグネシウムの表面と反応して不動態になってしまう。また余分な熱も発生する。発生する水酸化マグネシウムが電解液に溶解しやすくするための補助剤を加えることで回避する(記事上では具体的な物質名は公表されていない) 小濱泰昭率いる東北大学エアロトレイン開発チームはエアロトレインに使った難燃性マグネシウム合金(マグネシウムにカルシウムを混ぜた合金)を海水に浸して電池を作る実験をしたところ、従来よりはるかに長く電気が発生する事を発見した。これはマグネシウムとカルシウムが不動態の原因となる水酸化物イオンを奪い合い続けるため、水酸化物イオンが結びつく相手を変えた瞬間に電極のマグネシウムが溶け出す現象が起こるからである。 現状で反応(放電)速度を制限しているのはマグネシウムのイオン化速度ではなく酸素の吸収速度であり、大電流を取り出すためにはより高効率な酸素の吸収を行える空気極の開発が必要である。 近年、非常に高効率の空気極の開発が進み、0.25A/cm2, 0.25W/cm2を実現し、従来のマグネシウム電池の10倍以上の性能が実用化された。これは、1mm厚のマグネシウム1枚で、50cmx50cmの面積の電池だけで、625Wを発生するという驚異的なものです。さらには、円盤型のマグネシウムが回転しながら燃料を供給する燃料電池も特許化されている。この電池で有れば、直径60cm、高さ50cmで36kWhを実現することになる。電池重量もわずか24kgで、リチウムイオン電池の1/10と予測されている。
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実用化への課題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 09:25 UTC 版)
空気亜鉛電池が古くから利用されているにもかかわらず、他のよりエネルギー密度の高い金属を用いた空気電池の実用化への道は険しい。詳しくは個々の記事に記載されているので、本記事では全般的な課題を述べる。 正極の高性能化空気中から酸素を吸収しこれを水酸化物イオンに変換する必要があり、イオン化傾向の高い金属を利用する負極と比べてイオン化の進行速度が劣り、電池全体のボトルネックになりやすい。これが電気自動車向けなどの単位重量あたりの出力を向上させる際に大きな課題となる。これに対し多孔質炭素電極に対してフッ素化合物を含有させることで酸素溶解性を向上させる方式が提案されている。 自動車向けに実用化する場合、交換式金属電極の規格化が必要 電極交換式とする場合、放電したあとの金属電極を精錬して再び金属電極とするために多大なエネルギーが必要となる金属を再生する必要エネルギーが大きくエネルギー収支上問題があるだけでなく、工業レベルで安価に再生する技術的な目処も立っていない状況である
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実用化への課題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 07:26 UTC 版)
「空気アルミニウム電池」の記事における「実用化への課題」の解説
反応前の金属アルミニウムはイオン化傾向が高いため電解質中で自己腐食が起こりやすい。一方で反応後の水酸化アルミニウム/酸化アルミニウムは非常に安定した物質で不動態膜を形成しやすく、一旦形成されると化学的活性を装置内で復活させることが困難となる。 放電を行うと負極アルミニウム電極上に副産物として不働態である水酸化アルミニウムが生じ、ゲル化、非流動化し電池放電を阻害してしまうため、放電が止まってしまう。電解質としてアニオン交換膜やアニオン交換樹脂を使うことで回避する(特開2002-184472号公報)。 負極の周りをアルミニウムイオン伝導体で覆うことで、負極の周りを水酸化アルミニウムのゲルで覆われてしまう現象を回避する(特開2006-147442号公報)。 固体電解質を用いて高温で動作させる場合、放電阻害物質は水酸化アルミニウムではなくアルミナ(酸化アルミニウム)であり、より一層の困難が待ち受けている。物理的に除去することも化学的に除去することも困難と予想されるため、除去するのではなく負極の表面積自体を積層化などで大きくする方式が提案されている。 負極では自己放電が起こるので、充電後に時間が経つと使用できなくなる。 電解液が蒸発等で液面が低下した場合に電池セルに電解液が滞溜したまま循環が停止してしまうことがあり、反応熱により電解液が沸騰してしまう可能性がある(水溶性電解液の電池で共通する問題)。この問題に対し複数のアルミニウム-空気電池セルのうち一方のアルミニウム-空気電池セルのアルミニウムアノードと他方のアルミニウム-空気電池セルの空気カソードとを電極接続部材により電気的に接続し、電極接続部材に例えばフィン等よりなる放熱機構をそなえた構成とすることで解決する方法が提案されている。 電池電圧を上げるために強アルカリの電解液を使用すると、合金の構成比によっては放電しない平常時にも自然に反応する、いわゆる自己腐食が発生してしまう。これを防ぐためにマグネシウム、スズ、マンガンを適量固溶させることで性質を改善させる対策が提案されている。 上記のように水溶電解質では様々な課題があるため、パーフルオロメチルスルフォニルイミド塩を電解質とした有機溶媒による形式が提案されている。これにより保存中のアルミニウム極の腐食や不動態化を防ぎつつも作動電圧1.85Vで安定した放電を行うことができ、また二次電池化も比較的容易であると考えられている。
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