実用化の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 14:23 UTC 版)
「ギターシンセサイザー」の記事における「実用化の歴史」の解説
ギターシンセは、基本的に弦振動という不安定な物理現象をデータに変換する構造のため、その実用化が難しく、安定して演奏を行える製品の登場はシンセサイザーへのMIDI/マイコンシステムの導入を待たねばならなかった。 ローランド社から1977年に発表されたGR-500モノフォニック・ギターシンセサイザーは、MIDI導入以前に発表された最初の実用可能なギターシンセサイザーだろう。 このシステムは6弦独立ピックアップを搭載した専用のギター・コントローラーと、24ピンケーブルで接続されるシンセサイザー本体で構成されていた。シンセ音源はモノフォニックだが、6弦独立ピックアップからの信号にはそれぞれ個別にファズ・エフェクト回路が設けられていた。その他のプロダクションモデルとしてはアープ社のモノシンセ、Odysseyシリーズをベースに開発されたAVATAR(1977)が有名だった。こちらも、システムの構成はGR-500とほぼ同等である。ただ、いずれのモデルにも言えたことだが、そのプレイヤビリティーは必ずしも良好とは言い難い代物だったようだ(ジョン・マクラフリンやジェフ・ベックがネガティブな発言のインタビューを残している)。ただし、同時期(1979-1982)に当時ニューヨーク在住の日本人ギタリスト川崎燎がGR-500を基にして改良、開発した彼独自のギターシンセとそれを駆使して録音された一連のアルバム群の成果は現在でも一目/一聴に値する。 アープではほぼ同時期にCENTAURというポリフォニック・ギターシンセのプロトタイプが製作されていたが、そのプロジェクトは膨大な資金を費やして頓挫している。アープの斜陽はこのCENTAURの失敗によるという。 そして1980年代初頭にローランドGR-500の後継機種、GR-300が発表される。この製品は初の実用的ポリフォニック・ギターシンセであり、その良好なプレイヤビリティーから多くのミュージシャンに支持されることになる。システム構成は、GR-500シリーズと同じく、6弦独立ピックアップを搭載した専用ギター・コントローラーと、24ピンケーブルで接続されるシンセサイザー本体である。回路構成は、6弦独立のファズとFVC、VCOが2機、ENVコントロールされるVCA、それらをミックスした後にモノラルのVCF、となっている。ギター側からは、VCFのFrequencyとResonance、VCAのLFOによるAM変調 Depth、及びディストーション/生音/シンセ音のミックスのコントロールが可能。GRシリーズでは他に、GR-100という6弦独立VCFユニットがある。 その後、GR-700という過渡期を経てMIDIとデジタル音源が統合されたGR-1シリーズが発売され、本格的なギターシンセサイザーの時代が始まる。 2011年三月、 WKode は世界の最初のiPhone MIDI ギター・アプリ を公開した。 安くて簡単にセットアップができる。 DSMidiWifi Server で Garageband, Logic, Reason, Kore, Kontakt, Ableton Live, 等ソフトの全ての楽器をコントロールする事ができる。 パソコンとワイヤレス・ルーターだけが必要になる。
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