実用化までの経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 15:34 UTC 版)
「フォード・チャレンジャーV8」の記事における「実用化までの経緯」の解説
1950年代後半にフォード・モーターが行った市場調査および研究は、購買層が望む高性能なコンパクトカーのフォード・ファルコン (およびマーキュリー・コメット) の市場投入に結実するが、同時にスタイリッシュなミディアムカーには高い信頼性と低い燃料消費率の要求も確認された。これに応えるため次の第4世代フォード・フェアレーンと、姉妹車種の第2世代マーキュリー・ミティアには新型エンジンが必要であると結論され、基幹機である直列6気筒のマイレージメーカーシックス (Mileage Maker Six) とV型8気筒のサンダーバードV8 (Thunderbird V-8) スモールブロックを同時に更新する目的で、新型フェアレーン (およびミティア) と共に開発が始まった。これにあたりエンジンアンドファンダリー部 (Engine and Foundry Division) では設計、製作、実験を行う専任タスクフォースが組織される。 総排気量と気筒配置は210から230立方インチ (3.45から3.77 L) の範囲でV型8気筒に決定された。車体設計部署からの要求で最大幅は20インチ (51センチメートル (cm)) を上限とし、全高もファルコンなどに用いれている新型直列6気筒のスリフトパワーシックス (Thrift-Power Six, 総排気量2.36 L) と同程度を目標とされ、これら寸度制限から既定排気量の範囲内で最適なシリンダー内径、ピストン行程、コネクティングロッド長、コンプレッションハイトが追求された。素材は実績の高さから鋳鉄が選ばれるが、アルミニウム合金で構成するのに匹敵する軽量性を実現するため、実験には光弾性など多くの高い技術が惜しみなく投入された。実験機と試作生産機は総数500機以上製作され、延べ1万7,000時間の台上試験と25万マイル (約40万キロメートル) 以上の走行試験が米国内のあらゆる土地環境で実施された。
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