実用品?非実用品?
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/27 22:47 UTC 版)
「8ビットパソコン」の記事における「実用品?非実用品?」の解説
この時代の個人向けパソコンは、機能的・性能的に日本語の取り扱いが困難(漢字ROM内のデータをVRAM上へ転送する操作にしても、ユーザーレベルで対応が求められ、極めて原始的な日本語変換プログラムさえ搭載していなかった)で、実務への応用がまだ難しいものであったという事情がある。この時代には原始的なワードプロセッサ(ワープロ)ソフトウェアも見られたが、ソフトウェアをカセットテープやフロッピーディスク媒体に依存するこれら汎用のパソコンよりも、ワープロ専用機のほうが遥かに実用レベルにあった。 なおASCII文字のみで実務が可能となる欧米圏では、8ビットパソコンは実務に供され一般消費者にも広く普及しており、日本においては16ビット機の世代、PC-9801とMS-DOSによる日本語処理の実用化によって普及を開始した1980年代後半〜1990年代初頭と比較すると、5年から10年先んじていた。これら欧米圏のパソコンでは、一般家庭から業務分野に至るまでタイプライターから急速にパソコンへの置き換えが進んで、論文やレポート・業務報告などの記録されたフロッピーディスクが頻繁にやり取りされている。 このように実務は困難でありながら高価な商品(パソコン)となると、現在ではその存在意義の根底から問われ兼ねない代物ではあるが、当時はこれをホビーパソコンなどと呼称し、「趣味や夢のためのパソコン」(=実用性はない玩具)としてその大半が販売されており、現在ほどコンピューターに対しての理解が一般には無かった時代には「なんだか解らないが、凄そうなので欲しい」という漠然とした憧れを持って購入する者すらいた。特に後年の利用形態は「高級ゲーム機」として存在していたと言ってもよい位で、コンピューターゲーム市場はホビーパソコン向けのソフトウェアを販売していたし、パソコン販売店でもゲーム用途に特化した店舗が主流となっていた。
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