大容量長距離を主体とする光ファイバ通信とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 大容量長距離を主体とする光ファイバ通信の意味・解説 

大容量長距離を主体とする光ファイバ通信

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 05:51 UTC 版)

光通信工学」の記事における「大容量長距離を主体とする光ファイバ通信」の解説

1966年イギリスSTLチャールズ・カオ (高錕)らは、石英ガラス不純物除去すれば損失下げられることを具体的に提案した1968年には日本板硝子北野一郎および日本電気内田禎二らにより、二重るつぼ法によってセルフォックファイバが開発されたが不純物除去は困難であった。そして、1970年にはアメリカコーニング社のモーラーらはCVD法開発して光ファイバの低損失化を達成しそれまで数千dB/kmあったものが、0.6328μm可視光で20dB/kmにまで画期的減少したその後ベル研究所ジョン・マクチェスニらは1972年にMCVD法を開発して、一層の損失化の可能性示した遡ること1967年には、半導体レーザでは、きわめて高い、数Ghz周波数まで直接変調できることが明らかにされた。 1970年に、アメリカベル研究所林厳雄らは二重ヘテロ接合のAlGaAs/GaAs結晶用いた波長0.85μm半導体レーザ室温連続発振達成した。国の秘密明かされていなかったが、それとは独立ソビエト連邦一部現在のロシア)においても、ゾレフ・アルフェロフらが1969年達成していた。これらの成果それまで一部基礎研究者に限られていた光通信技術研究産業界波及する引金となった。しかし、これらの半導体レーザはまだ多く問題抱えて利用限定的であった光ファイバ通信の本来の特徴大容量長距離通信にあるとの考えをもっていた末松安晴は、光ファイバの最低損失波長帯当時未定)で動作し安定した単一波長保ち、しかも一定の範囲波長変えられる動的単一モードレーザを1972年示唆し1974年にその単一・波長共振器提案した。そして、1973年にドナルド・ケックらはシリカファイバの損失赤外長波長帯1.41.8μmのどこかで最低損失になるのではないか示唆した末松安晴は、上述動的単一モードレーザの実現のために、まだ未確定ではあったが将来の最低損失波長帯長波長帯想定して長波長帯GaInAsP/InPレーザ実現目指し研究進めた。そして、その間次第分かり始めて来ていた、シリカ光ファイバの最低損失1.5μm帯におけるレーザ室温連続動作を、1979年達成した同年に、NTTの宮哲雄、照沼幸雄そして宮下忠らが損失光ファイバ試作成功し、最低損失波長帯が1.55μm帯にあることが確定された。他にも、同年KDDNTT、そしてベル研の3ヶ所で1.5μmレーザ達成された。 この間に、光ファイバ材料分散ゼロになる波長1.3μm帯存在することが指摘された。そして、東北大学川上二郎らは、1975年に、クラッド形状変えれば伝送容量制限する伝搬定数分散になる波長変えられることを指摘した。そして、シリカ・ファイバの伝送損失企業努力顕著に低下した。すなわち、1976年NTT堀口らと藤倉電線小山内らによる0.47dB/km(λ=1.3μm)を発表した他方では1977年に、光ファイバ低価格化に道筋付けた連続製造法VAD法気相付法)がNTT伊澤達夫らや住友電工などを中心に開発され光ファイバ低価格化への道が拓かれた。 1980-1981年に、1.5-1.6μmで働くInGaAsP/TnP結晶系用いて末松安晴東工大研究室諸君協力をえて高速変調下でも安定単一モードで働く、動的単一モード半導体レーザ実現して大容量長距離光ファイバ通信への端緒とした。次いで動的単一モード・レーザ一様分布DFBレーザとしてKDDNTT実用化され、大容量長距離システム研究開発始まった。なお、その後末松安晴古屋一仁らが実現して1984年初頭報告した位相シフト分布反射器レーザが、温度同調動的単一モード・レーザ代表例となり、長距離用の標準レーザとして、現在世界的に広く用いられている。 一方1988年には、東京工業大学伊賀健一が、1977年から開拓始めていた小電力高速動作するVCSEL呼ばれる発光レーザ室温連続動作を、小山二三夫らの協力実現させ、短波長0.85μm帯で近距離通信多用されるようになった他方1983年に、インターネットTCP/IPプロトコル標準装備された。それとともに1992年WWW公開されインターネット国際化に道が拓かれ、大容量長距離光通信助け大幅な発展始まったこの間に、光デバイス光回路進歩し、さらにLiNbO3変調器波長領域多重化WDMシステムや多値変調などの変調スキーム、そして光増幅などが進歩しインターネット進歩支えて光通信発展促した この大容量長距離基幹網海底ケーブルでは1.55μm帯の動的単一モード・レーザ単一モード・光ファイバから構成されるシステム用いられている。図1は、1977年NTT三木哲也らによって始められ波長領域多重(WDM)光ファイバ通信システム現代における仕組み例を示している。短・中距離ネットワークには材料分散小さくなり、レーザ温度特性良くて使い易い1.3μm帯が、そして短距離LAN(Local Area Network)、データセンターインター・コネクタなどには0.85μm帯のVCSELFPレーザ、そして多モード・光ファイバなどからなるシステム用いられている(図2)。さらに、2007年ごろから利用されるようになったインターネット接続できるスマート・フォンは、情報端末が人と共に動く携帯型で、光で送られる情報最終段階では電波により利用者移動体などに達するようになり、情報活用利便性情報収集性とが飛躍的に広がり情報通信文明が花開いた

※この「大容量長距離を主体とする光ファイバ通信」の解説は、「光通信工学」の解説の一部です。
「大容量長距離を主体とする光ファイバ通信」を含む「光通信工学」の記事については、「光通信工学」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「大容量長距離を主体とする光ファイバ通信」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「大容量長距離を主体とする光ファイバ通信」の関連用語

大容量長距離を主体とする光ファイバ通信のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



大容量長距離を主体とする光ファイバ通信のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの光通信工学 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS