今日までの略史とは? わかりやすく解説

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今日までの略史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/15 21:10 UTC 版)

ローマクラブ」の記事における「今日までの略史」の解説

ペッチェイが依頼したMITグループによるシミュレーションモデル分析結果は、1972年に「成長の限界The Limit to Growth)」として世に出され、30国語以上に訳され、160部以上が出版され世界中で読まれた。 このデニス・メドウズらによる第1号レポート成長の限界」では、(今後技術革新全くない仮定すると。=日本語では削除)現在のままで人口増加環境破壊続けば資源の枯渇(あと20年石油枯渇する)や環境の悪化によって100年以内人類成長限界達すると警鐘鳴らしており、破局回避するためには地球が無限であるということ前提とした従来経済あり方見直し世界的な均衡目指す必要がある論じている。団体として1973年ドイツ書籍協会平和賞受賞した。 しかし、地球環境問題に関してローマクラブNPOであり、世界市民訴えることはできても、各国政府行動させることは困難であった。そこで、拘束力持たせるために国連に対して対応する委員会設置するように働きかけたのが、草創期フルメンバーであり執行委員会Executive Committeeメンバーでもあった大来佐武郎であった手続きとしては、日本政府国連に対して、「環境経済に関する委員会の設置提案。これが採択されて、ノルウェー元首相グロ・ハーレム・ブルントラント委員長になって1984年に「環境開発に関する世界委員会」(World Commission on Environment and Development, WCED)が設立されブルントラント委員会呼ばれるようになり、その報告書「われら共通の未来Our Common Future)」において「持続可能な開発Sustainable Development)」の概念打ち出された。このような人類重要課題に対して世界動かしたのが日本人フルメンバー大来佐武郎であり、中曽根首相賛同して1987年に同委員会レポートOur Common Futureとして取りまとめる会議日本招いたこのように当時地球規模課題対す日本貢献大きかった[要出典]。 デニス・メドウズ主張を、普通に解釈すると、技術革新有る石油無尽蔵にある、成長の限界は無いと言える。しかし、政治利用され、デニス・メドウズ主張無視されてきた。続編限界を超えて生きるための選択』(1992年)では、資源採取環境汚染行き過ぎによって21世紀前半破局訪れるという、更に悪化したシナリオ提示されている。ローマクラブでは、各会員によって環境・情報経済教育などをテーマとした活発な活動展開され、その成果が各会員またはその研究グループ著書として引き続き刊行され今日までに40余がローマクラブレポートとして認定されている。 その中で、エルンスト・フォン・ワイツゼッカーが主著者として、気候変動締約国京都会議COP3)の前に出版された「ファクター4(Factor 4)」は、第1レポート成長の限界」が人類危機訴えたに対して経済的豊かさを2倍にしつつ、資源消費半減させること(Factor 4)により、持続不可能な地球持続可能な軌道に導く指針分かり易く示した画期的なレポートであったその後、「世界発展のための新しい道」として環境問題など五つ分野提言行なっている。2007年には、OECD欧州議会WWF共同で「Beyond GDP」という会議開催され進歩と富と幸福を計る尺度について議論交わされた。2008年11月にはローマクラブ創設40周年会議スイス開催されスイス氷河の後退など地球温暖化脅威に関する報告などがあった。 「ファクター4」の続編ファクター5」(ドイツ語版2011年刊、日本語版:明石書店2014年刊)では、「ファクター4」を更に進めて豊かさ経済GDPではなくQOLであるとし、Efficiency経済vs資源効率)からSufficiency少な資源消費で「足るを知る」)へのパラダイム転換訴えている。「ファクター4」は単独技術に基づく提案であったが、ここでは、技術システムとして捉え直している。地球上70億人全員現在のアメリカ人同レベル資源消費性向持てば地球5つ必要となる。しかし、現存技術使った省エネシステマティック組み合わせて実施することで、人類現在の生活質の低下をさせることなくエネルギー資源消費を1/5にする事が可能であることを、具体的な実例をあげて説明している。そして、これまでその実現を阻んで来たもの、つまり既得権益新自由主義考え方などどのように克服してゆくべきかも提案している。 ローマクラブ創設から半世紀経ち人類新たな段階人新世 Anthropocene)に入った世界では際限ない都市化ライフスタイル変化、その要求に伴う過剰な開墾生産活動によって、地球1個の再生産能力上回って資源使い尽くオーバーシュート問題気候変動に伴う極端気象飽食飢餓空前の富と貧困格差など、様々な問題次々と噴出した2017年12月に、最新レポートCome onCapitalism, Short-termism, Population and the Destruction of the Planet”(英語版Springer)、”Wir sind Dran”(ドイツ語版、Gutes Loher Verlags Haus)が刊行された。「成長の限界」から半世紀経て今日生じてきた、これらの状況網羅的書き込んだ包括的書物で、フォン・ワイツゼッカーとワイクマンが編著者となって、主要フルメンバー35名を著者として結集したローマクラブ初の企画であり、「成長の限界」に対応する50周年記念レポートである。現在各国語訳されており、日本語版は2019年12月に"Come On!目を覚そう! -環境危機迎えた人新世」をどう生きるか?"(明石書店)として出版されている。

※この「今日までの略史」の解説は、「ローマクラブ」の解説の一部です。
「今日までの略史」を含む「ローマクラブ」の記事については、「ローマクラブ」の概要を参照ください。

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