予測の誤差とは? わかりやすく解説

予測の誤差

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 08:10 UTC 版)

緊急地震速報」の記事における「予測の誤差」の解説

気象庁は、具体的な予測震度の値は±1程度誤差を伴うとしており、「一般向け」速報では震度具体値を示さず、「強い揺れ」と表現している。また、最大予測震度が5弱以上」を発表基準とする「一般向け」速報で、予測震度が4以上の地域まで広げて発表する理由として気象庁は、1.震度推定時の誤差、2.予測震度4でも、震源域断層運動進行により、しばらくしてから5弱となる可能性挙げている。「一般向け」速報は出なかったが実際に意外と大きく揺れたということありうる予測震度誤差の原因として、地震波伝播してくる経路地盤によって各地地震波伝わりやすさ(走向伝播速度周波数特性減衰程度)が異なること、初期の数秒の波形により算出するため初期波形特異なものであると計算が狂うことが挙げられる。これは、各地地盤特性組み込んだプログラム導入することで改善できるが、海底など調査十分でない地域もあり、向上が続けられている。 なお、群発地震本震直後余震などにより、複数地震による波形同時に観測すると、初期微動過大に評価する。「一般向け」開始前2006年4月21日発生した伊豆半島東方沖を震源とする地震では、気象庁発表対象とする地震計最大震度4、防災科研地震計では震度5弱、東大地震研地震計では震度6弱観測したが、速報最大予測震度は7となり、地震波重複により誤差大きくなった。 緊急地震速報 初期主な予測誤差事例注: 事例間で単純な比較できない地震発生時震源最大予測震度実際最大震度2006年11月0123:21十勝支庁南部 2 4 2006年11月30日 11:59福島会津 5弱 3 2007年0325日 09:42能登半島沖(能登半島地震) 5弱 6強 2007年0325日 18:11石川能登地方 3 52007年0415日 12:19三重中部 4 52007年05月19日 00:59青森東方2 4 2007年06月23日 23:52茨城沖 2 4 2007年10月0102:21神奈川西部 4 5正式導入以降、「一般向け」速報運用開始2007年10月1日午前9時)より前に一部利用者向けに発表され緊急地震速報のおもな予測誤差事例を右表に示す。最大震度が5弱以上だった地震(計9件、右表に4件)では、最大震度最大予測震度上回っている。なお、予測精度一様ではなく、また予測技術よりどころとなるデータベース変化することから、事例間で単純な比較できない。 「一般向け」運用開始後で見ると、2008年7月24日未明岩手県沿岸北部地震誤差顕著だった実際に岩手県沿岸北部震度6弱から震度4を観測し震源深さ108キロ規模はM6.8と推定(ともに暫定値)された。一方緊急地震速報では最大予測震度対象同地域を含む)が「4程度」または「5弱程度」だった。詳細には、第5報まで=「高度利用者向け」では最大予測震度が「4程度」で予測規模が「M5.8」から「M6.5」、検知20.8秒後に発表した第6報=「一般向け」とその続報では「5弱程度」で「M6.9」であり、岩手県全域警報が間に合わなかった。気象庁誤差の原因として、1.震源が深い場合震度大きくなる事例少ないので、速報を出す予測式精度高くないこと、2.この地震では、徐々に波形大きくなる揺れ方だったことを挙げている。このように一般向け」発表開始しばらくの間は、地震マグニチュード実際より過小評価してしまうことが多かったその後気象庁マグニチュード算出使用する計算式改良し、この地震について再予測行ったところ、4.4秒で警報発表できることがわかった。このプログラム改善2009年8月3日から運用されている。 2011年発生した東北地方太平洋沖地震東日本大震災)の本震では一般向け緊急地震速報東北地方のみに発表されたが、茨城県北部震度5弱と予測した14報が更新条件だった「初期検知から60秒」よりも後であったためで、震度5弱以上の強い揺れ観測した青森県関東地方甲信越地方には一般向け緊急地震速報発表されなかった。また、予報第1報地震検知5.4秒後にはマグニチュード4.3推定したが、気象庁気象研究所は、原因として最初の数秒間振幅きわめて小さかったことを挙げている。 また、大震災東北地方地震観測点の多く10中9)が被害受けたため、発表対象規模地震発表しないなど、余震速報適切にできなくなった。 さらに、大震災余震誘発地震頻発するなか、離れたところで複数地震同時発生した時に正確な情報発信できないという問題露呈した。たとえば、3月12日に「神奈川県西部震度5強から6弱」という緊急地震速報発表されたが、実際地震マグニチュード2.0有感地震観測した地点はなかった。ほぼ同時刻に長野県震源とするマグニチュード4.1地震発生しており、この2つ地震データ合成同一のものであり大地震みなしたことが原因とみられるまた、4月12日には「千葉県東方沖震源震度5弱」とすべきところを、「福島県浜通り震源震度7」という誤った内容緊急地震速報発表されるなど、実際震度よりも大きな震度予測するケース相次いだ。 この問題対し気象庁は、ほぼ同時に起きた地震のうち緊急地震速報警報)の発表対象としていない小規模地震計算対象から外すことにより、2つ地震誤って結びつける頻度を減らすシステム改修行い同年8月11日から運用している。

※この「予測の誤差」の解説は、「緊急地震速報」の解説の一部です。
「予測の誤差」を含む「緊急地震速報」の記事については、「緊急地震速報」の概要を参照ください。

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