亀パクトディスク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/07 18:49 UTC 版)
「唄ひ手冥利〜其ノ壱〜」の記事における「亀パクトディスク」の解説
亀田誠治がアレンジを手がけたディスクで、ギターやストリングスのサウンドが中心の楽曲で構成されている。収録曲は昭和歌謡曲と洋楽のカヴァー。ゲストボーカルはスピッツのボーカリスト草野マサムネと松崎ナオ。 灰色の瞳作詞:チト・ヴェレス、訳詞:加藤登紀子、作曲:ウニャ・ラモス 1974年に加藤登紀子と長谷川きよしのデュエットで大ヒットを記録したフォルクローレ歌謡の楽曲。長谷川きよしの歌唱パートには、以前から椎名がファンで、ライブではカバーも披露していたスピッツの草野マサムネが招かれている。 原曲が1970年代の歌謡洋楽の定番のようなサウンドだったので、ノスタルジックな要素を抽出しないようエッジの立ったアレンジになっている。 more作詞:マルチェロ・チョチョリーニ/ノーマン・ニューエル、作曲:リズ・オルトラーニ/ニーノ・オリヴィエロ グァルティエロ・ヤコペッティ監督の作品「世界残酷物語」のサウンドトラックに収録された主題曲のカヴァー。オリジナルはイタリア語の作詞だが、のちに英語詞が書かれたことで、アンディ・ウィリアムスやフランク・シナトラら数多くのシンガーに歌われるようになった。椎名は歌入りのバージョンを聞いたことがなく、カバーするにあたって初めて聞いた。 原曲は典型的なハリウッド・サウンドだが、打ち合わせで椎名が「トランスにしちゃうとか」と言ったことでバンドの演奏ではなく打ち込みのトラックとなり、最終的にハウス的なアレンジとなった。 小さな木の実作詞:海野洋司、作曲:ビゼー ビゼー作曲のオペラ「美しきパースの娘」のセレナードに、海野洋司が詞を付けたもの。NHKの番組「みんなのうた」で広まった童謡の一つ。 比較的原曲に忠実なアレンジ。バンド・サウンドでやるため、亀田は普段通り緻密さよりも現場のノリを優先した。 i wanna be loved by you作詞:ハート・カルマー、作曲:ハリー・ルビー/ハーバート・ストッタート 女優マリリン・モンローの主演映画「お熱いのがお好き」の劇中内で披露された曲。過去にライヴイベントでゆらゆら帝国と対バンした際に披露している。 「more」と同じく原曲はストリングスやブラスがフィーチャーされたハリウッド・サウンドだが、ライブで演奏した際の感触がよかったのでバンドでできるだけのことをやることにした。 白い小鳩作詞:山上路夫、作曲:都倉俊一 1974年にリリースされたR&Bシンガー朱里エイコの代表曲の1つ。椎名はこの曲のオリジナルがラジオで流れて欲しいと思ってカバーした。 メロディの感じは原曲そのままだが、アレンジはあえてくどいほどのハードロック・ナンバー風にした。 love is blind作詞・作曲:ジャニス・イアン アメリカのシンガーソングライター、ジャニス・イアンの曲。日本では過去に坂口良子主演のドラマ「グッドバイ・ママ」の主題歌に起用されてヒットしている。椎名としては、ジャニス・イアンに敬意を払うために、どうしても外せない曲だった。 過去に「下剋上エクスタシー」で「恋は盲目」というタイトルでカバーしているが、一度きちんとアレンジを構築してカバーしたいと思って収録した。亀田の希望でストリングスの入ったアレンジとなっている。 木綿のハンカチーフ作詞:松本隆 、作曲:筒美京平 歌手太田裕美の代表曲。1975年発売。ゲストボーカルは椎名の友人で一緒にライブをやったこともある松崎ナオ。原曲ではすべて一人で歌っているが、このカバーでは都会に行った彼のパートを椎名、田舎に1人残った彼女のパートを松崎が歌うデュエットソングに変更されている。 アレンジはシンセサイザーの音色など全体的に80年代的ポップスの解釈となっている。亀田の案により、間奏部分ではピアノがボーナストラックの野薔薇のフレーズを奏でている。 yer blues作詞・作曲:ジョン・レノン/ポール・マッカートニー ビートルズの曲。1968年発売の2枚組アルバム『ザ・ビートルズ』の収録曲。カヴァーするまで椎名は歌詞の内容を知らなかった。 椎名の希望でギターのリフが残された。前半がオリジナルに忠実で、後半がアンビエント風の展開になるアレンジ。 野薔薇特別感謝トラック。 作詞:ゲーテ、作曲:シューベルト、編曲・演奏:椎名林檎 ドイツの詩人ゲーテの詩「野ばら」には、多くの作曲家によって付けられた楽曲の存在が知られており、本作ではシューベルトが1815年に作曲したリートが取り上げられている。カバー集にはそのアーティストのルーツを探るという部分もあるので、椎名としては自身のルーツ中のルーツであるこの曲は収録せざるを得なかった。 この曲は椎名が一人で全部作った曲。打ち込みをしても記憶出来ない原始的なリズムボックスを用いて、手作業でリアルタイムにコードを変えながらレコーディングした。もともとは古いアンプを使ってギターでしっとりとした演奏を披露するつもりがトレモロ・ユニットの調子が悪く、「ボーナストラックだし楽しい方がいい」ということでリズムボックスを使うことにした。 曲目リスト全編曲: 亀田誠治(9曲目のみ椎名林檎)。 #タイトル作詞作曲オリジナル時間1. 「灰色の瞳 (with 草野マサムネ)」 チト・ヴェレス(訳詩:加藤登紀子) ウニャ・ラモス 加藤登紀子と長谷川きよし 4:24 2. 「more」 マルチェロ・チョチョリーニ、ノーマン・ニューエル ニーノ・オリヴェイロ、リズ・オルトラーニ アンディ・ウイリアムス他 3:34 3. 「小さな木の実」 海野洋司 ビゼー 3:35 4. 「i wanna be loved by you」 バート・カルマー ハーバート・ストサート、ハリー・ルビー マリリン・モンロー 1:44 5. 「白い小鳩」 山上路夫 都倉俊一 朱里エイコ 3:39 6. 「love is blind」 ジャニス・イアン ジャニス・イアン ジャニス・イアン 3:34 7. 「木綿のハンカチーフ (with 松崎ナオ)」 松本隆 筒美京平 太田裕美 6:00 8. 「yer blues」 レノン=マッカートニー レノン=マッカートニー ビートルズ 4:13 9. 「野薔薇」(特別感謝トラック) ゲーテ シューベルト 2:11
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