主な損傷の各論とは? わかりやすく解説

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主な損傷の各論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/19 03:19 UTC 版)

下肢外傷」の記事における「主な損傷の各論」の解説

足関節捻挫 一般に足関節外反より内反の方がしやすいと言われている。これは骨学によって説明可能である。腓骨脛骨比べ場合腓骨の方が足先方に伸びており、外果内果足先位置する。よって外果の方が支点になりやすく、足関節内反しやすい内反しやすいということ捻挫外側に起こることが多い。好発部位としては前距腓靭帯踵腓靱帯、第5中足骨基部二部靱帯が多い。捻挫には熱感腫脹圧痛つきものであるので、疑った場合上記四点を必ず触ることが大切である。足関節捻挫場合靱帯だけでなく、骨折合併よくある内果外果踵骨はもちろん脛骨腓骨に及ぶこともあるので膝上あたりから骨を触診していくことが望ましい。二部靱帯単独損傷場合手術まで必要になることはまずないと言われている。骨折合併なども見られ軽症考えられる時はギプス固定だけで良い重症度判定としてはオタワ足関節ルールが有名である。X線写真をとる場合足関節正面側面斜位の他にストレス撮影を行うことがある。これは足を内反させて距骨上面傾斜をみる撮影法である。6度超えている場合踵腓靱帯断裂考える。前距腓靭帯断裂ではディンプル徴候(えくぼができる)がみられることがあるテーピング内側かはりつけ外側引っ張る捻挫治療の基本であるRICE局所安静冷却圧迫挙上)も行う。 オタワ足関節ルールによると外果先端より6cmまでの後方圧痛がある場合内果先端より6cmまでの後方圧痛がある場合受診直後あるいは来院時に患肢に加重できない場合足関節正面側面X線写真をとる必要がある。また第5中足骨基部圧痛がある場合舟状骨圧痛がある場合受診直後あるいは来院時に患肢に加重できない場合足関節正面斜位X線写真をとる。 踵骨骨折 高いところから固い地面着地した時などにおこる。老人ではわずかな段差があるだけで起こすことがある。踵を痛がり、踵をついて歩けないとなれば本症を疑う。踵がはれ上がり数日後には土踏まずところに皮下出血ができるのが特徴的である。踵骨骨折起こすときは尻もちをつき脊椎圧迫骨折合併することが多いのでそれらの検索を行うのが良い画像診断では正面側面のほかにアントンセン撮影追加するべきである。これは距骨踵骨関節面保たれているのか調べるための画像検査である。治療麻酔下の整復力ずくくっつける)で固定するアキレス腱断裂 下腿三頭筋連続して移行する腱をアキレス腱という。筋肉収縮している時に無理やり引き延ばしたとき、アキレス腱断裂は起こる。ボール当てられたような感覚がするとも言われている。触診をすると断裂部の陥没触れる。診断にはトンプソンテストが有効である。患者に力を抜かせ椅子などに膝立ちさせふくらはぎぎゅっとつかむ。足が底屈すれば陰性断裂なし、無反応であれば陽性アキレス腱断裂診断ができる。一般にアキレス腱断裂では足関節底屈背屈は可能である。しかしつま先立ちはすることはできない治療固定であるが、膝を曲げて足関節底屈すると断裂部が最も接近するためその状態で固定をする。 疲労性脛骨骨膜炎 ヒラメ筋によって骨膜引き離されることでおこる病気である。足を回内して走る人によくおこると言われている。腓骨下1/3に圧痛点があるのが特徴である。 下腿骨骨折 開放骨折の中で最も多い骨折である。開放骨折場合はガチスロの分類というものが有名である。 グレード診断治療グレードⅠ 皮膚の開口1cm未満のもの デブリドマン グレード 皮膚の開口1cm上であり筋断裂皮膚挫滅を伴う 髄内固定 グレードA 広範な筋肉断裂挫滅があるが軟部組織骨折を覆えるもの 髄内固定 グレードB 軟部組織欠損広範な骨の露出 創外固定 グレードC 血管断裂があり末梢の骨の露出がある 創外固定、または下肢切断 下腿骨骨折での激痛持続血管障害即ち、前方区画コンパートメント症候群強く疑われる具体的な症状としては下腿腫脹母趾反りできないといった運動麻痺足背のしびれといった知覚麻痺疼痛といったものがあげられる診断には区画内の圧の測定がよい。圧が30mmHg 以上ならば診断ができる。筋膜切開行えば劇的に症状改善する。ただし創閉鎖難しい。 膝内障 大腿骨骨幹部骨折 大腿妙な格好をしているので慣れると一目でわかる。骨折部での屈曲変形外旋短縮腫脹特徴的である。患側が分からなければ膝蓋骨注目する外旋しているほうが患側である。骨盤骨折合併多く輸液をしないと失血ショックをおこすことがある治療は髄内固定である。重大な合併症として脂肪塞栓知られている。ARDS神経症状出現した要注意である。結膜皮膚、特に首や前胸部脇の下小さな点状出血見られることもある。 大腿骨頸部骨折 高齢者転倒直後から鼠径部痛がり立てないときに真っ先に疑う。通常患側が外旋しているのが特徴である。関節包内側骨折をした場合内側骨折といい、関節包外側骨折をしたばあいは外側骨折という。どちらの部位になるかで治療が全く異なる。内側骨折場合大腿骨頭栄養する血管頚部から上行し骨頭部を栄養する)が終動脈となっているため、血管損傷による大腿骨頭壊死起こしやすく非常に難治性である。保存的治療適応はほぼなく観血的治療法適応となる。どのような手術をするのかという選択に対してガーデン分類がよく用いられる重要なことは手術法決定までX線写真だけでできてしまうということである。 ガーデン分類定義治療1型 骨頭外反している ねじや銅線固定 2型 骨頭そのまま ねじや銅線固定 3型 骨頭内反している 人工骨置換4型 骨頭はずれている 人工骨置換内側骨折では透視整復CHS固定などで保存的に治療される基本的に骨頭のみの障害ならば人工骨置換術、臼蓋まで変形してしまったら人工関節置換術となる。これは多く股関節疾患言えることである。人工骨頭と人工関節違い人工臼蓋あるかないかの違いである。 外傷性股関節脱臼 車の正面衝突で起こることが多い。大腿骨後方脱臼することが多い。股関節屈曲かつ内転したまま動かすことができない後方脱臼するので膝の高さが患肢の方が低い。後方脱臼では坐骨神経麻痺が起こることが多い。速急整復をしないと大腿骨頭壊死陥る整復麻酔下で股関節内旋位で天井方向引っ張る整復できたら外転外旋をする。ひとりで整復することはできない大きな病院でないと治療できない骨盤骨折 視診では分かりにくい骨盤軽く押さえて圧痛があるかどうかでまず診察していく。出血非常に多いのが特徴である。骨盤輪が二か所で骨折し不安定化するマルゲイン骨折が有名である。 脊椎圧迫骨折 若者では高所から飛び降り尻もちをついた場合高齢者の場合軽く尻もちをついたりするだけで起こることがある。Th8からTh12あたりの脊椎で最も起こりやすい。老人場合痛み局在はっきりしないことが多く、必ず骨叩打痛にて所見をとり、その部分X線写真診断するべきである。骨叩打痛うつ伏せの状態で一番しっかりと所見がとれる。下肢のしびれ、麻痺確認するべきである。治療保存的な場合が多いが麻痺認められ場合手術が行われる。

※この「主な損傷の各論」の解説は、「下肢外傷」の解説の一部です。
「主な損傷の各論」を含む「下肢外傷」の記事については、「下肢外傷」の概要を参照ください。

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