中国大陸における「国語」とは? わかりやすく解説

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中国大陸における「国語」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/09 02:00 UTC 版)

国語 (中国語)」の記事における「中国大陸における「国語」」の解説

標準中国語指して初めて「国語」という語を使ったのは清末呉汝綸であるとされる。呉は1902年日本視察し明治維新後の日本国語統一政策感銘を受け、帰国北京語標準とする国語実施するよう管学大臣・張百熙に意見書送った1909年に江謙が官話の名を国語改めるよう提案し国語編審委員会設置された。1911年には国語統一基準作りのために調査研究を行うとする「統一国語法案」が通過した1912年中華民国成立すると、翌1913年2月漢字読みを国で定めるため読音統一会が招集された。この会議江蘇省浙江省出身学者多数占めており、この地方呉語見られる濁音取り入れかどうか焦点一つとなった北京官話標準にすることを主張する王照が一省一票を提案したことにより濁音外され、6500余り漢字について国音」が議決された。これを後に老国音という。この老国音は、特定の地方発音採用するものではなく各地発音折衷し定めた人為的なものであり、伝統的な正音」に近い。1919年には、老国音による『国音字典初印本出版された。 読音統一会では国音検討する際、章炳麟創製した文字手を加えたものを使った教育部職員として関わった魯迅らの提案により、この文字国音を表す正式な文字とすることが決まった。後に注音符号改称される注音字母である。保守派反対政局影響を受け、教育部正式に注音字母公布するのは5年後1918年11月25日ずれ込んだ1917年胡適雑誌新青年』に発表した文学改良芻議(すうぎ)」をきっかけに、同誌を主な拠点として、文語による文言文廃し口語文採用目指し白話文運動が起こる。これは日本における言文一致運動相当する1919年政府教育部の下に「国語統一籌備(ちゅうび)会」(籌備〈拼音: chóubèi〉は準備の意味)を設けた国語統一籌備会は国民政府成立後1928年に「国語統一籌備委員会」、1935年に「国語推行委員会」に改められた。 同年五四運動が起こると、それまで教育関係者要求沿って国民学校の「国文」科を「国語」科に改め最初に注音字母教えることとなった。翌1920年には小学教科書白話文改められた。教育部開いた国語講習所をはじめとした訓練養成機関により、国語教育に当たる人材の育成図った。 『国音字典初印本出版後、老国音北京音の食い違いから、北京音の全面的採用求め議論国語研究会を中心に起こった1923年国語統一籌備会は「国音字典増修委員会」を設置し、翌1924年北京語音を標準とすることを決めた新たな標準1932年発行の『国音常用字彙』にまとめられた。これを「新国音」または「京音」と呼ぶ。『国音常用字彙』は、9920字のほか、異体字1179字・異読字1120字、合計1万2219字を収め現代中国語標準音示した最初字書であり、漢字発音だけでなく、字種字体整理という面からも大きな役割果たした1925年から1926年まで国語統一籌備会国語羅馬字拼音研究委員会進められ検討経て1928年に「国語羅馬字」が公布された。複雑なため普及はあまり進まなかったものの、中国史初め政府定めた公式のローマ字表記法である。 国語統一籌備会には辞典編纂部門附属しており、1923年国語辞典編纂処として設立され1928年拡充され中国大辞典編纂となった1931年に『国語辞典』の編集着手し1945年に全4巻そろった1937年盧溝橋事件以降日中戦争により国語推行委員会活動停滞余儀なくされた。1945年戦争終結すると、中国大辞典編纂処は出版物刊行続けた中国大陸中国共産党実効支配下に収め1949年中華人民共和国成立すると、国語推行委員会設けられず、中国大辞典編纂処が部分的に中国科学院語言研究所(後の中国社会科学院語言研究所)や中国文字改革委員会(後の国家語工作委員会)に組み入れられた。以降中国大陸では標準中国語普通話として整備され、その推進普及国是として図られている。

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