三嶋苗裔神とは? わかりやすく解説

三嶋苗裔神

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 08:40 UTC 版)

三嶋大社」の記事における「三嶋苗裔神」の解説

40座以上の式内社有する郡位国郡式内社数郷平均1 出雲国出雲郡 58座 7.25座 1 伊勢国度会郡 58座 4.46座 3 大和国高市郡 54座 7.7座 4 伊勢国多気郡 52座 7.43座 5 出雲国意宇郡 486.0座 6 伊豆国賀茂郡 46座 9.2座 6 近江国伊香郡 46座 5.75座 8 越前国敦賀郡 437.0古代伊豆国祭祀には度重なる伊豆諸島火山活動深く関係したその活動7世紀半ばから8世紀初めにかけてと、9世紀それぞれピーク迎えたとされる当時火山活動人々にとって重大な関心事で、その噴火は神の業と見なされていた。そのため、伊豆国では火山関連した多数神社祀られるとともに卜占技術発達した当時祭祀様子を示す史料として平安時代の『延喜式神名帳がある。同帳では伊豆国全国9位相当の92座の式内社載せるが、1郡あたりにした場合には式内社の多いことで知られる伊勢国出雲国をも大きく上回る伊豆国でも特に賀茂郡伊豆半島南部伊豆諸島)が重要視されたと見られ賀茂郡には伊豆国半数46座が記載されるが、1郷あたりで見ると全国でも突出した密度になる(右表参照)。この46座のうち20数座は伊豆諸島鎮座とされる。それらの神々中でも筆頭位置づけられたのが「伊豆三島神社」、現在の三嶋大社である。「三島」とは「御島」の謂とされるように、「三嶋神」とは伊豆諸島全体象徴する神を意味するとされる。 三嶋神については『続日本後紀』において、本后として阿波神、阿波神の御子神として物忌奈乃命、その他に後后(伊古奈比咩命とされる)のあった旨の記載がある。神名帳記載神々も、同記事のように三嶋神の苗裔位置づけられたと考えられている。神名帳見えない苗裔神縁故関係を考証する史料としては、中世記された「三宅記」が知られる。「三宅記」は伊豆地方神々に関する縁起・本地物で、所載神名には神名帳との一致見られることから、苗裔神類推使用されている。神名帳や「三宅記」から三嶋苗裔神と考証される神々の一覧次の通り赤字女神)。現在の比定社はそれぞれ伊豆国の式内社一覧」「三宅記」を参照身分神名帳国史三宅記三嶋神伊豆三島神社名神大 三嶋大明神 随身若宮 - 剣の御子見目 大島の妻波布比売命神社 阿治古命神社 波治命神社分の大后 おほい所(太郎王子) すくない所(次郎王子新島妻子久尓都比咩命神社 多祁美加々命神社 水戸口の大后 大宮王子大三王子) 弟三王子 神津島妻子阿波命神社名神大 物忌奈命神社名神大 長浜御前 たたない たうない 八丈島妻子優波夷命神社 許志伎命神社 八十八ヱの后 五郎王子 御蔵島妻子母神不詳 伊大弖和気神社利島妻子母神不詳 阿豆佐和気命神社身分神名帳国史三宅記三宅島妻子伊古奈比咩命神社名神大 阿米都和気命神社 穂都佐和気命神社? 天地今宮の后 あんねい(飯王子) まんねい(酒王子伊賀牟比売命神社 ゐがいの后 4子(名称不明伊波乃比咩命神社 二宮御前 うらみ子 二宮 佐伎多麻比咩命神社 南子神社 加弥命神社 夜須神社 弖良命神社 志理太宜命神社 久良恵命神社神社 波夜志命神社 八王子母御前 なご かね やすい しだい くらゐ かたすげ へんず 参考古代伊豆諸島・三嶋神関係年表 古代伊豆諸島・三嶋神関係年表年記内容原典噴火関係祭祀関係649年 伊豆の「興島」が噴火する、という 『伊豆国三嶋神主系図680年のような音が東方から聞こえる、という 『日本書紀』天武天皇9年680年2月18日伊豆国駿河国から分立か 『扶桑略記天武天皇9年680年7月条 戌刻から子刻にかけて東方明るくなる、という 『日本書紀』天武天皇9年680年11月3日684年 夕方東方に鼓のような音が鳴る、伊豆の島の西北二面隆起して1つの島となる、鼓のような音は神がこの島を造る音か、という 『日本書紀』天武天皇13年684年10月14日704年 伊豆大島噴火する、という 矢田部宿禰金築三島神主とする、神官を興島から大島に移す、という 『伊豆国三嶋神主系図742年 日下部直益人に伊豆国造伊豆直姓を与え『続日本紀』天平14年742年4月10日条『伊豆国造伊豆宿禰系図758年 三島神に封戸13戸 『新抄格勅符抄10 大同元年806年)牒 832年 旱害があり、内裏占い伊豆国の神の祟が原因とされる日本後紀逸文天長9年832年5月19日条 (『日本紀略』・『釈日本紀』所引) 三島神・伊古奈比咩命を名神となす 『日本後紀逸文天長9年832年5月22日条 (『釈日本紀』所引) 838年 上津島神津島噴火続日本後紀承和7年840年9月23日伊豆遠江駿河16国、降灰報告続日本後紀承和5年838年9月29日840年 伊豆国上津島神津島噴火後状況報告続日本後紀承和7年840年9月23日阿波神・物忌奈乃命に従五位下続日本後紀承和7年840年10月14日841年 伊豆国地震等の祟により、神功皇后陵等に宣命使を派遣続日本後紀承和8年(841)5月3日同上について、伊勢神宮にも宣命使を派遣続日本後紀承和8年(841)6月22日伊豆国地震に対して使い出して救援続日本後紀承和8年(841)7月5日850年 阿米都和気命・伊太和気命・阿豆佐和気命・佐岐多麻比咩命に従五位下日本文徳天皇実録嘉祥3年850年6月4日三島神に従五位上日本文徳天皇実録嘉祥3年850年10月7日伊古奈比咩命神・阿波神・物忌奈乃神に従五位上日本文徳天皇実録嘉祥3年850年10月8日伊古比女安房物忌三神官社となす 『日本文徳天皇実録嘉祥3年850年11月1日852年 三島大神従四位下、阿波咩命神・物忌寸奈命神・伊古奈比咩命神に正五位下阿米都和気命神・伊太和気命神・阿豆佐和気神・波布比咩命神に従五位上日本文徳天皇実録仁寿2年852年12月15日854年 三島大神従四位下、阿波咩命神・物忌奈命神・伊古比咩神正五位下阿米都和気命神・伊太和気命神・阿豆佐和気神・波布比咩命神に従五位上日本文徳天皇実録斉衡元年854年6月26日859年 三島神に従四位上日本三代実録貞観元年859年正月27日864年 三島神に正四位下日本三代実録貞観6年864年2月5日868年 三島神に従三位類聚国史16 貞観10年868年7月27日886年 多祁美賀賀神に従五位下日本三代実録仁和2年886年11月25日887年 伊豆国新生島(新島)図を献上日本紀略』『扶桑略記仁和3年887年11月2日927年延喜式成立神名帳では賀茂郡46座を記載延喜式神名帳 伊豆国1112年 東方鳴動富士山噴火の噂 『中右記天永3年1112年10月22日23日24日29日伊豆国から沖合海中鳴動知らせ解文殿暦天永3年1112年11月24日伊豆国海上神火につき、神祇官陰陽寮が占う 『中右記天永3年1112年11月27日

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