かん‐しゃ〔クワン‐〕【官社】
官幣社
官社(式内社)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 18:09 UTC 版)
国家の保護を受けた神社は、全て「官社」と呼ぶことができるが、通常は、朝廷より祈年祭班幣を受ける神社のことを言う。この制度の始まりは明らかではないが、大宝元年(701年)の大宝律令によって規定された。古代において、どの神社が官社であったのかは断片的にしか明らかではないが、律令時代末期の法令『延喜式』(延長5年(927年))が現存しており、ここに官社リストが掲載されている。 『延喜式神名帳』に記載されている神社を式内社(しきないしゃ)といい、『延喜式』の時代に明らかに存在していても延喜式神名帳に記載されていない神社を式外社(しきげしゃ)という。式内社は2861社が記載されている。これらは当時朝廷から重視された神社であることを示している。式内社には、古より霊験が著しいとされる「名神」を祀る神社が全て含まれており、それらを名神大社(名神大)という。『延喜式』の時代には、官社制度はすでに充分に機能していなかったと言われているが、「式内社」は、後世、格式高い神社であることを示す社格として非常に重視された。 官幣社は神祇官より奉幣を受ける神社で、国幣社は国司より奉幣を受ける神社である。それぞれに大・小の格が定められている。当初は全て神祇官から直接奉幣を受けていたが、遠国の神社についてはそこへ行くまでに時間がかかるため、国司が代理で行うようになり、官幣社・国幣社の別ができた。ただし、遠国であっても重要な神社は官幣社となっていた。 社格の順は以下の通り。 官幣大社 - 304座198所(『延喜式神名帳』記載、以下同様) 国幣大社 - 433座155所 官幣小社 - 188座375所 国幣小社 - 2207座2133所
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官社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 00:23 UTC 版)
官社とは、祈年祭・新嘗祭に国から奉幣を受ける神社である。官社は神祇官が祀る官幣社と、地方官(国司)が祀る国幣社に分けられ、律令制の社格に倣ってそれぞれに大・中・小の格があり、「昇格」が行われた。官幣社・国幣社をまとめて官国幣社ともいう。 主として官幣社は二十二社や天皇・皇族を祀る神社など朝廷に縁のある神社、国幣社は各国の一宮や地方の有力神社が中心である。官幣社・国幣社に実質的差異はないが、例祭について、官幣社へは皇室(宮内省)から、国幣社へは国庫から幣帛が供進された点が異なる(祈年祭・新嘗祭はどちらも皇室から奉幣を受ける)。明治初年、国家の宗祀であるとして、官費が官社の経費として支給されたが、明治20年(1887年)度より毎年国庫から各社に保存金が下付され、明治39年(1906年)4月、供進金制度となった。金額は次第に増加し、昭和12年(1937年)度には73万円になった。また、朝鮮神宮、台湾神宮にはそれぞれの総督府から、靖国神社は陸軍省から、供進金があった。当初は官幣社のみに菊花紋章の社殿の装飾への使用が認められたが、明治7年(1874年)に国幣社にも認められた。 国幣大社は当初から指定された神社はなく、大正4年(1915年)に国幣中社の気多神社(現・気多大社)などが昇格したのが最初である。 諸社からの昇格もあったため、全国約11万社のうち最終的に官社へ列格したのは218社であった。
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