ファレナ女王家
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アルシュタート・ファレナス 声 - 大原さやか 主人公の母親で、ファレナ女王国の当代の女王。太陽暦414年生まれ(34歳)、ファレナ女王国ソルファレナ出身。ハスワールやフェリドなど親しい間柄では「アル」と呼ばれている。先代女王である母ファルズラームとは違い内外にも知れ渡る名君だが、『太陽の紋章』を宿して以来、時に感情の制御ができなくなってしまっている。太陽暦448年のゴドウィン家のクーデターにおいて、フェリドを狙っていた敵兵を紋章の力で倒したのをきっかけに暴走し、自分を止めようとしたフェリドを紋章の力で殺してしまう。そのショックでファレナ全土を紋章の力で滅ぼそうとするが、事前の依頼に従って紋章の暴走を阻止しようとしたゲオルグに刺される。そして、結果として自分自身や国が滅びる危機を救ってくれたゲオルグに感謝しながら息を引き取り、それと同時に『太陽の紋章』は彼女から離れていった。 フェリド 声 - 藤原啓治 主人公の父で、ファレナ女王国の女王騎士長。太陽暦412年生まれ(36歳)、群島諸国出身。群島諸国のオベル王国海軍総督スカルド・イーガンの長男で、かつて外遊中のアルシュタートと出会い心を通わせた。そして、アルシュタートの闘神祭に彼女からの強い推薦で出場し、周囲の予想を覆して優勝している。アルシュタートが即位すると女王騎士長に就任し、以降は勇猛果敢な武人として知られているが、ファレナ生まれでないよそ者という出自からロヴェレ卿を含む一部の貴族を除いて、有力貴族からの後ろ盾が無いのが唯一の弱みであった。女王直属の暗殺集団「幽世の門」解体の命令を下したのもフェリドである。また、当時劣悪な環境に置かれていた闘技奴隷に対する虐待を禁止するよう命を発し、彼らへの待遇を向上させている。情に厚い性格であり、幽世の門解体時に幼少であったリオンを引き取り、諜報部門長のシナツ(後のオボロ)に本当の両親を捜索させている。兄弟は弟と妹が7人おり、ベルナデットはその末っ子であるが、ベルナデットが生まれる前に家を飛び出している。太陽暦448年のゴドウィン家のクーデターにおいて、アルシュタートを守り戦うも、アルシュタートの宿す『太陽の紋章』の暴走を止めようと説得に近づいた際に劇昂した彼女が発した紋章の力によって死亡した。 リムスレーア・ファレナス 声 - 石毛佐和 ファレナ女王国の王女で、王位継承者。太陽暦438年生まれ(10歳)、ファレナ女王国ソルファレナ出身。一族や親しい間柄では「リム」と呼ばれている。王位継承者として育てられてきたため気高く、口は生意気だが、実際は寂しがり屋で相当なお兄ちゃん子である。その一方、髪の色は主人公やアルシュタートとは異なり茶色で、父フェリドと同じである。ゴドウィン家のクーデター後は護衛のミアキスやガレオンとともに太陽宮に軟禁され、傀儡として新女王として即位させられるが、招待された外国使節からは外交儀礼上の建前ではともかく、本心では正式な即位とは見なされていない。その後、「マルスカールやギゼルには任せておけない」という理由をつけて親征を行い、戦場で主人公に接触して自ら救い出されるように画策するが、目前で内乱の早期終結を望まないサイアリーズの裏切りによって捕らえられ、ソルファレナへと強引に戻された。終盤、ソルファレナと太陽宮が主人公達の手に落ちる中、ようやく主人公と再会を果たし、抱擁を交わして父母亡き後流さないと決めていた涙を流した。 内乱平定後にはゴドウィン家の陰謀による闘神祭や即位式全てを取り消した上で、正式に女王に即位。内乱の原因となった貴族による元老院を軸にした政治制度を廃止し、市民やこれまでの制度の枠外だった亜人種の代表による議会制へ移行した。 サイアリーズ 声 - 折笠愛 アルシュタートの妹で、主人公やリムスレーアの叔母。太陽暦423年生まれ(25歳)、ファレナ女王国ソルファレナ出身。自由で開放的な行動や言動が多く、自ら着る衣装も自らデザインしている。また、円形の飛び道具「日輪圏」や風の魔法の名手で、劇中では風の魔法を駆使して活躍する場面も見られた。その一方で寝起きが悪く、リムスレーア以外では無事に起こすことはできない。また、トカゲ類が大嫌いで、竜馬や竜馬騎兵に対しても友好的ではない。なお、自分では「叔母さん」あるいは「オバさん」と呼ぶことがあるが、他人から「オバさん」と呼ばれることには好意的ではない。 現女王の妹という王族ではあるが、母ファルズラームとその姉シャスレワールの後継者争いにおける血みどろの抗争を知っているため、アルシュタートの即位を機に従姉のハスワールとともに王位継承権を放棄すると同時に、生涯結婚せず子供も儲けないことを宣言している。なお、その際に婚約者であったギゼル・ゴドウィンとの婚約を破棄している。 太陽暦448年のゴドウィン家のクーデターにおいては、当初主人公やゲオルグとともに太陽宮を脱出、以降は王子軍で王子を補佐する立場にあったが、内乱の半ばでゴドウィン家に寝返っている。これは国内を混乱に貶めた元老への復讐と粛清、あるいは王子軍に対するゴドウィン派の過激な行動を抑制するのが目的であったことがうかがえるが、最終的には「黄昏の紋章」の呪いにより命を削られ、内乱末期に命を落とした。彼女自身は死の直前に居合わせたルクレティアに対して、「あの子(主人公)に元老の粛清が出来ると思うのかい?」と本心を語り、自分がサルムを殺害したのを含めた行動の理由を口にするが、結果としてそれが内乱を早期終結する好機を奪い、逆に長期化させて人的犠牲や物的被害を拡大する事にもなってしまった。しかし一方では、彼女の元老粛清によって抵抗勢力が減り、結果として戦後の新体制へのスムーズな移行が可能になった面も否定できない。また、仮に早期に内乱が収束していたとしても、バロウズ家他策謀に長けた有力貴族、幽世の門の残党は未だ健在であったため、主人公らが政治の実権を握ったとしても、先代や先先代時代ような妨害工作を受け政権が不安定に陥ったり、要職の重要人物が暗殺の対象とされる可能性は十分にありえ、その要素が結果的にではあるものの排除されることとなった。ただ、元老の粛清自体、敵対者や敵国は滅ぼすというゴドウィン家の主張と本質的には同じで、彼女自身それを自覚しており、その事を指摘したルクレティアと自分を比較して「私はあんたほど利口じゃない」と自嘲していた。 死後は彼女の心情を知る太陽宮の侍女などによってある程度の名誉回復が成されるも、主人公から離れてクーデターの当事者であるゴドウィン家に寝返ったという行いから本来王族が葬られる墓所には埋葬されず、本拠地の地下墓地へと埋葬された。 なお、茶色の髪の持ち主であるがこれは染めたもので、本来の色は姉アルシュタートと同じ銀色。ノベライズではその理由を「王族が嫌いだから」と語っている。 ノベライズでは元老への憎悪や復讐心だけでなく、ギゼル暗殺を実行しようとした際にそれを阻んだドルフから「貴族が国や王族を食い物にしてきた様に、王族も貴族を都合よく利用していた」と言われた事で次第に伯母シャスレワールやその夫マルダース、そしてロザリンドを殺した暴君ファルズラームを含む王族への憎悪が再燃し、その血に連なる自分自身さえも憎悪するようになる。そして、未だロザリンドの死の悲しみを克服できなかったギゼルから「あなたに母の面影を見ていた」と明かされたことで、ギゼルへの恨みや殺意は消えないものの、即座に殺そうという考えだけは捨てた。その一方で内乱を長引かせた事で貴族や元老が彼女の目論見通り戦いの中で戦死したり、彼女がルクレティアに対して抱く悪感情が原作よりも詳細に描写されている(ルクレティアに向けて「あんたのせいで姉上は死んだ」、「あんただけは死んでもいいと思っていたのに」と発言するなど)。
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