テレンス・タオ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/04 15:03 UTC 版)
Terence Tao テレンス・タオ |
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生誕 | 1975年7月17日(49歳)![]() ![]() |
居住 | ![]() ![]() |
国籍 | ![]() ![]() |
研究分野 | 数学 |
研究機関 | カリフォルニア大学ロサンゼルス校 |
出身校 | フリンダース大学 プリンストン大学 |
主な業績 | グリーン・タオの定理 |
主な受賞歴 | ボッチャー記念賞(2002年) クレイ研究賞(2003年) フィールズ賞(2006年) キング・ファイサル国際賞(2010年) クラフォード賞(2012年) ロイヤル・メダル(2014年) |
プロジェクト:人物伝 |
テレンス・タオ(英: Terence Tao、1975年7月17日 - )は、オーストラリアの数学者。カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授。漢名は陶 哲軒(とう てつけん)。
専門は実解析、調和解析、微分方程式、組合せ論、整数論、表現論など多岐に亘る。
2004年、長い間未解決であった整数論の難問(素数の集合の中には任意の長さの等差数列が存在すること)を解決し(ベン・グリーンとの共同研究)、その成果により2006年にフィールズ賞を受賞した。他に掛谷予想へ貢献し、KdV方程式が大域解を持つことを示しただけでなく、表現論とシンプレクティック幾何学に組合せ論的手法を持ち込みエルミート計量に関するHorn予想を解決した(Allen Knutsonとの共同研究)。2012年、弱いゴールドバッハ予想にも貢献した。2019年、コラッツの問題が「ほとんどすべての正の整数において正しい」とするプレプリントを発表し[1]、論文は2022年5月に出版された[2]。
略歴

1975年、オーストラリア・アデレード生まれ。2歳にして数学の才能を開花させ、テレンスは幼少期から数字に囲まれた生活をしていたという。弟が2人おり、3兄弟揃って数学に飛び抜けた能力を持つ。
8歳で受験したSATで720点(800点満点)を取る[3]。
9歳で実家からほど近いフリンダース大学に飛び級で入学し、本格的に数学の勉強に取り組んだ。1986年、10歳にして国際数学オリンピックに出場し、銅メダルを獲得した。そして、翌1987年には銀メダルを獲得し、さらに1988年には史上最年少で金メダルを獲得した。この記録は、現在でも破られていない。また、弟2人も国際数学オリンピックで銅メダルを獲得している。1991年、フリンダース大学卒業。1992年、同大学院修士。アメリカ合衆国に渡り、プリンストン大学大学院入学。1995年、プリンストン大学にてPh.D.取得。
本人は、後に「幼い頃から難しい問題を次々と解くことで、思考が磨かれていった」として、英才教育が自身の卓越した才能を伸ばす手助けになったと振り返っている。
24歳でカリフォルニア大学ロサンゼルス校数学科教授に就任。専門領域として調和解析を選んだ。そして、その後は、整数論、偏微分方程式、組合わせ論など数学のフィールドを広げていった。これほどに研究の枠を広げることは、数学者として異例なことである。
家族・親族
父・陶象国は上海人の外科医、母は香港人の数学・物理教師で、両親ともに香港大学出身である[3]。テレンスが生まれる3年前の1972年にオーストラリアに移住した[3]。
既婚者で息子と娘がいる。
主な業績
微分方程式 |
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分類 |
解 |
- 2004年 - 数論の難問「素数の集合の中には任意の長さの等差数列が存在すること」を解決。(グリーン・タオの定理)
- 2012年 - 弱いゴールドバッハ予想で1より大きい全ての (すなわち3 以上の)奇数は高々 5 個の素数の和で表せることを証明[5]。
- 2013年 - 素数が極端に偏ることなく分布することに関する素数の新定理発見[6][7][8]。
- 2015年 - ポール・エルデシュの Discrepancy problem の証明に成功[9]。
- 2019年12月 - コラッツの問題について「ほとんどすべての正の整数において正しい」とする論文を発表[1]。
受賞歴
- 2000年 - サレム賞:
- ^ a b c “【21-01】【現代編2】テレンス・タオ~若き中国系数学者 | SciencePortal China”. spc.jst.go.jp. 2022年8月9日閲覧。
- ^ Annual report, Australian Academy of Science, 2008.
- ^ Tao, Terence (2012). “Every odd number greater than 1 is the sum of at most five primes”. arXiv:1201.6656v4 [math.NT].
- ^ “素数の新定理発見 極端な偏りなく分布 米英数学者「夢のような成果」”. スポーツニッポン. (2014年2月26日) 2014年12月6日閲覧。
- ^ “素数の間隔で新定理発見 極端な偏りなく分布、米英数学者”. 47NEWS. (2014年2月26日)
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外部リンク
テレンス・タオ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 06:54 UTC 版)
フィールズ賞受賞の数学者、UCLA教授。ギフテッド。9歳でフリンダース大学へ飛び級。10歳で数学オリンピックに出場し銅メダル、翌年に銀メダル、さらにその翌年に史上最年少で金メダル(世界記録)。その後、同大学で修士号を得て、20歳のときプリンストン大学で博士号取得。24歳でUCLAの数学科の正教授就任。
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