摂動論とは? わかりやすく解説

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摂動

(摂動論 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/07 06:53 UTC 版)

摂動(せつどう、 英語: perturbation)とは、一般に力学系において、主要な力の寄与(主要項)による運動が、他の副次的な力の寄与(摂動項)によって乱される現象である。摂動という語は元来、古典力学において、ある天体の運動が他の天体から受ける引力によって乱れることを指していたが、その類推から量子力学において、粒子の運動が複数粒子の間に相互作用が働くことによって乱れることも指すようになった。なお、転じて摂動現象をもたらす副次的な力のことを摂動と呼ぶ場合がある。




「摂動」の続きの解説一覧

摂動論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/05 05:23 UTC 版)

グリーン関数」の記事における「摂動論」の解説

シュレーディンガー方程式厳密に解く事は一般的に非常に困難な場合が多いが、近似に解く手法一つとして摂動論がある。以下では摂動論におけるグリーン関数形式理論について解説する系のハミルトニアン ^H が無摂動項 ^H0摂動項 ^V の和で与えられた (^H = ^H0 + ^V) とする。無摂動ハミルトニアン ^H0 に対して固有値方程式 H ^ 0 ϕ i ( 0 ) = E i ( 0 ) ϕ i ( 0 ) {\displaystyle {\hat {H}}_{0}\phi _{i}^{(0)}=E_{i}^{(0)}\phi _{i}^{(0)}} が成り立つ(例:ハートリー-フォック近似など)。 ω − ^H0微分作用素として考えると非摂動グリーン関数 G (0)(ω)は以下のように定義される(ここでデルタ関数 δ(x − x') は形式的に 1 とした)。 ( ω − H ^ 0 ) G ( 0 ) ( ω ) = − 1 {\displaystyle (\omega -{\hat {H}}_{0})G^{(0)}(\omega )=-1} 次に摂動ハミルトニアン ^V で展開すると、 G ( ω ) = G ( 0 ) ( ω ) + G ( 0 ) ( ω ) V ^ G ( 0 ) ( ω ) + G ( 0 ) ( ω ) V ^ G ( 0 ) ( ω ) V ^ G ( 0 ) ( ω ) + ⋯ = G ( 0 ) ( ω ) + G ( 0 ) ( ω ) V ^ G ( ω ) {\displaystyle {\begin{aligned}G(\omega )&=G^{(0)}(\omega )+G^{(0)}(\omega ){\hat {V}}G^{(0)}(\omega )+G^{(0)}(\omega ){\hat {V}}G^{(0)}(\omega ){\hat {V}}G^{(0)}(\omega )+\dotsb \\&=G^{(0)}(\omega )+G^{(0)}(\omega ){\hat {V}}G(\omega )\end{aligned}}} この式の両辺に ω − ^H0作用させ変形すると、摂動グリーン関数次の関係を満たしていることがわかる。 ( ω − H ^ 0 − V ^ ) G ( ω ) = − 1 {\displaystyle (\omega -{\hat {H}}_{0}-{\hat {V}})G(\omega )=-1} また、この摂動グリーン関数満たす関係式は ( H ^ 0 + V ^ ) ψ i = E i ψ i {\displaystyle ({\hat {H}}_{0}+{\hat {V}})\psi _{i}=E_{i}\psi _{i}} に対応している

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摂動論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/07 06:53 UTC 版)

摂動」の記事における「摂動論」の解説

摂動論では、未知の H ′ {\displaystyle {\mathcal {H}}'} 、 | Ψ n ⟩   {\displaystyle |\Psi _{n}\rangle \ } 、 ϵ n {\displaystyle \epsilon _{n}} を、既知の V   {\displaystyle V\ } 、 | Ψ n ( 0 ) ⟩ {\displaystyle |\Psi _{n}^{(0)}\rangle } 、 ϵ n ( 0 ) {\displaystyle \epsilon _{n}^{(0)}} と、未知の { | Ψ n ( 1 ) ⟩ , | Ψ n ( 2 ) ⟩ , … } {\displaystyle \{|\Psi _{n}^{(1)}\rangle ,|\Psi _{n}^{(2)}\rangle ,\dotsc \}} 、 { ϵ n ( 1 ) , ϵ n ( 2 ) , … } {\displaystyle \{\epsilon _{n}^{(1)},\epsilon _{n}^{(2)},\dotsc \}} 、微小係数 λ   {\displaystyle \lambda \ } を用いて H ′ = λ V | Ψ n ⟩ = | Ψ n ( 0 ) ⟩ + λ | Ψ n ( 1 ) ⟩ + λ 2 | Ψ n ( 2 ) ⟩ + ⋯ ϵ n = ϵ n ( 0 ) + λ ϵ n ( 1 ) + λ 2 ϵ n ( 2 ) + ⋯ {\displaystyle {\begin{aligned}{\mathcal {H}}'&=\lambda V\\|\Psi _{n}\rangle &=|\Psi _{n}^{(0)}\rangle +\lambda |\Psi _{n}^{(1)}\rangle +\lambda ^{2}|\Psi _{n}^{(2)}\rangle +\dotsb \\\epsilon _{n}&=\epsilon _{n}^{(0)}+\lambda \epsilon _{n}^{(1)}+\lambda ^{2}\epsilon _{n}^{(2)}+\dotsb \end{aligned}}} と表す。べき級数の中で既知であるのは、第1項目だけであることに注意。これで、 | Ψ n ⟩   {\displaystyle |\Psi _{n}\rangle \ } 、 ϵ n {\displaystyle \epsilon _{n}} を求め問題は { | Ψ n ( 1 ) ⟩ , | Ψ n ( 2 ) ⟩ , … } {\displaystyle \{|\Psi _{n}^{(1)}\rangle ,|\Psi _{n}^{(2)}\rangle ,\dotsc \}} 、 { ϵ n ( 1 ) , ϵ n ( 2 ) , … } {\displaystyle \{\epsilon _{n}^{(1)},\epsilon _{n}^{(2)},\dotsc \}} を求め問題変換された。 これらを(0)式に代入し、任意の λ   {\displaystyle \lambda \ } で成立する仮定すると、 未知の ( | Ψ n ( 1 ) ⟩ , ϵ n ( 1 ) ) {\displaystyle (|\Psi _{n}^{(1)}\rangle ,\epsilon _{n}^{(1)})} だけを含む方程式( 1 ) {\displaystyle \cdots (1)} 未知の ( | Ψ n ( 2 ) ⟩ , ϵ n ( 2 ) ) {\displaystyle (|\Psi _{n}^{(2)}\rangle ,\epsilon _{n}^{(2)})} と ( | Ψ n ( 1 ) ⟩ , ϵ n ( 1 ) ) {\displaystyle (|\Psi _{n}^{(1)}\rangle ,\epsilon _{n}^{(1)})} だけを含む方程式( 2 ) {\displaystyle \cdots (2)} 未知の ( | Ψ n ( 3 ) ⟩ , ϵ n ( 3 ) ) {\displaystyle (|\Psi _{n}^{(3)}\rangle ,\epsilon _{n}^{(3)})} と ( | Ψ n ( 2 ) ⟩ , ϵ n ( 2 ) ) {\displaystyle (|\Psi _{n}^{(2)}\rangle ,\epsilon _{n}^{(2)})} と ( | Ψ n ( 1 ) ⟩ , ϵ n ( 1 ) ) {\displaystyle (|\Psi _{n}^{(1)}\rangle ,\epsilon _{n}^{(1)})} だけを含む方程式( 3 ) {\displaystyle \cdots (3)} ⋮ {\displaystyle \vdots } が得られ未知数分離することができる。これらを(1)式、(2)式、・・・の順に解いていくと、 { | Ψ n ( 1 ) ⟩ , | Ψ n ( 2 ) ⟩ , … } {\displaystyle \{|\Psi _{n}^{(1)}\rangle ,|\Psi _{n}^{(2)}\rangle ,\dotsc \}} 、 { ϵ n ( 1 ) , ϵ n ( 2 ) , … } {\displaystyle \{\epsilon _{n}^{(1)},\epsilon _{n}^{(2)},\dotsc \}} が求まる。 これらの式は、未知の { | Ψ n ( 1 ) ⟩ , | Ψ n ( 2 ) ⟩ , … } {\displaystyle \{|\Psi _{n}^{(1)}\rangle ,|\Psi _{n}^{(2)}\rangle ,\dotsc \}} を、既知完全系 { | Ψ n ( 0 ) ⟩ } {\displaystyle \{|\Psi _{n}^{(0)}\rangle \}} の線形結合重ね合わせ)で展開して、その展開係数 c i   {\displaystyle c_{i}\ } を求め問題変換することで解ける。 | Ψ n 1 ⟩ = c 1 | Ψ 1 ( 0 ) ⟩ + c 2 | Ψ 2 ( 0 ) ⟩ + c 3 | Ψ 3 ( 0 ) ⟩ + ⋯ = ∑ i c i | Ψ i ( 0 ) ⟩ {\displaystyle |\Psi _{n}^{1}\rangle =c_{1}|\Psi _{1}^{(0)}\rangle +c_{2}|\Psi _{2}^{(0)}\rangle +c_{3}|\Psi _{3}^{(0)}\rangle +\dotsb =\sum _{i}c_{i}|\Psi _{i}^{(0)}\rangle }

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摂動論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/15 11:06 UTC 版)

シュレーディンガー場」の記事における「摂動論」の解説

ファインマン図拡張は、 多体摂動論と呼ばれるプロパゲーターは G ( k ) = 1 i ω − k 2 2 m . {\displaystyle G(k)={1 \over i\omega -{k^{2} \over 2m}}.\,} 相互作用頂点は、2体ポテンシャルフーリエ変換である。 あらゆる相互作用で、入射する外線放射する外線の数は等しくなります

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摂動論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/31 13:54 UTC 版)

k·p摂動論」の記事における「摂動論」の解説

周期関数un,kは次のシュレーディンガータイプの方程式単純に、ブロッホタイプの波動関数によるシュレーディンガー方程式直接展開)を満たすH k u n , k = E n , k u n , k {\displaystyle H_{\mathbf {k} }u_{n,\mathbf {k} }=E_{n,\mathbf {k} }u_{n,\mathbf {k} }} ここでハミルトニアンH k = p 2 2 m + ℏ k ⋅ p m + ℏ 2 k 2 2 m + V {\displaystyle H_{\mathbf {k} }={\frac {p^{2}}{2m}}+{\frac {\hbar \mathbf {k} \cdot \mathbf {p} }{m}}+{\frac {\hbar ^{2}k^{2}}{2m}}+V} kは長さの逆数次元を持つ3つの実数構成されるベクトルであり、pは演算子ベクトルであることに留意明確にするために k ⋅ p = k x ( − i ℏ ∂ ∂ x ) + k y ( − i ℏ ∂ ∂ y ) + k z ( − i ℏ ∂ ∂ z ) {\displaystyle \mathbf {k} \cdot \mathbf {p} =k_{x}(-i\hbar {\frac {\partial }{\partial x}})+k_{y}(-i\hbar {\frac {\partial }{\partial y}})+k_{z}(-i\hbar {\frac {\partial }{\partial z}})} いずれにせよ、このハミルトニアン2つの項の合計として書くと H = H 0 + H k ′ , H 0 = p 2 2 m + V , H k ′ = ℏ 2 k 2 2 m + ℏ k ⋅ p m {\displaystyle H=H_{0}+H_{\mathbf {k} }',\;\;H_{0}={\frac {p^{2}}{2m}}+V,\;\;H_{\mathbf {k} }'={\frac {\hbar ^{2}k^{2}}{2m}}+{\frac {\hbar \mathbf {k} \cdot \mathbf {p} }{m}}} これは摂動論の基礎である。非摂動ハミルトニアンH0であり、実際にk = 0(つまりガンマ点)における正確なハミルトニアン等しくなる摂動は項 H k ′ {\displaystyle H_{\mathbf {k} }'} である。結果解析はk·pに比例する項であるため「k·p摂動論」と呼ばれる。この解析結果k = 0でのエネルギー波動関数におけるEn、k、un,kの式である。 摂動H k ′ {\displaystyle H_{\mathbf {k} }'} はkが0に近づくにつれて徐々に小さくなることに注意。よって、k·p摂動論小さいkの値に対して最も正確である。しかし、摂動展開に項が十分含まれている場合理論ブリルアンゾーン全体のkの値に対してかなり正確になることがある

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摂動論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/07 06:53 UTC 版)

摂動」の記事における「摂動論」の解説

上記のような複数天体間、複数粒子間に相互作用が働くときの運動数学的に厳密に解くことができないこと知られている(多体問題)。これらの数学的に厳密に解くことのできない問題近似解求め手法1つに、摂動論(せつどうろん、 英語: perturbation theory)がある。具体的には、次のような手順近似解求める。 考えている問題Aを、厳密に解ける問題Bに小さな変更摂動)が加えられ問題であるとみなす。 問題Aの近似解は、問題Bの厳密解に、摂動加わったことによって生じ小さな補正摂動項)を加えたのである考える。 ここで求めるべき摂動項は、問題Bの厳密解組み合わせ、すなわち一次結合の形で表現出来ると考え、その係数与えられ条件から順次求める。

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摂動論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:03 UTC 版)

天体力学」の記事における「摂動論」の解説

惑星公転軌道第一に太陽重力によって支配されており、0次近似としては太陽-惑星二体問題とみなすことができる。この近似では惑星軌道要素一定であり、時間変化しない。しかし実際に惑星軌道他の惑星摂動 (英: perturbation) によって変化する。そこである瞬間惑星軌道について、その瞬間運動状態が一致するような仮想的なケプラー軌道考え、その軌道要素惑星その時刻の接触軌道要素 (英: osculating orbital elements) と呼ぶ。接触軌道要素他の惑星摂動によって時間変化するため、それを計算することができれば惑星軌道求まることになる。このような摂動手法定数変化法 (英: variation of arbitrary constants) である。

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摂動論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/18 03:22 UTC 版)

ファインマン・ダイアグラム」の記事における「摂動論」の解説

ある始状態と終状態を決めた、すなわち外線決めたとする。そこから無限個の頂点内線作り出せる、すなわち無限個のダイアグラム作ることができ、無限個の仮想的な中間状態を考えなければならなくなる。そこで頂点の数を何個までと決めておけば、可能なダイアグラムの数は有限個になる。これを摂動論という。

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