ジャポニカ学習帳
ジャポニカ学習帳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 04:58 UTC 版)
学習帳のトップブランドとして知られる。ベルマーク運動参加商品。日本PTA全国協議会推薦商品。 かつて1950年代半ばから学習帳の生産を開始し、主力商品として、『昭和の基準学習帳』や『エリート学習帳』(旧・エース学習帳)を発売していた。だが競合社が20社ほどあった中の最後発だった事もあり、差別化を模索。 1970年(昭和45年)に小学館発行の『ジャポニカ百科事典』(後に休刊)とタイアップして中ページに学習百科を掲載し、ジャポニカ学習帳(学年・科目別で約20種類)として発売。発売当時の学習帳は1冊30円が主流だったが、ジャポニカ学習帳は他の学習帳より20円高い50円で発売され、表紙のロゴも金箔押し。プレミアム級の学習帳の先駆けとなった。 当初は小学館の画家が表紙を描いていたが、1973年(昭和48年)より専属カメラマンである山口進撮影による世界の珍しい動植物の写真が表紙に採用されている。1978年(昭和53年)に「世界特写シリーズ」が開始。その後、「昆虫の写真」に対して、保護者や教師から不快とのクレームが寄せられるようになり、昆虫が表紙になっているノートの生産数量を徐々に減らし、2012年から表紙は植物のみとなっている。すでに1993年の「マレー諸島編」で、蝶以外の虫は表紙で扱わなくなっていたという情報もある。4・5年に一度、表紙と学習百科が変更され、同じ品種は二度と採用しないという。ちなみにカメラマンの山口進は、花に女性の名前をつけて撮影しているという。裏表紙には、表紙写真の解説や、学習図鑑が掲載されている。なおショウワノートによれば、昆虫が使われなくなったのはクレームだけではなく見栄えのよい写真が枯渇したことも原因であるという。 発売当初はA5判だったが、1980年(昭和55年)ごろにB5判を発売し、1984年(昭和59年)に表紙に光沢加工を施したB5判のみの発売となった。この頃、右上のマークはキャラクターの「ショウちゃん」から企業シンボル的な「親子鳥」へと変更された。1993年には写真が一層映えるようにという考えなどから、表紙の基本色を明るい緑色にした。 1980年、小学校高学年~中学生向けの新シリーズ「ジャポニカセクション」(4~15mmの各種方眼罫、B5判とA4判)および「ジャポニカカスタム」(横罫、縦罫、英習罫、150字マス、200字マス。B5判)を発売した。いずれも表紙は写真ではなく、一般的な大学ノートに近い。 2014年、ノートとしては日本で初めて立体商標に登録された。同年時点で学年・科目別に50種類以上のラインナップがあり、累計販売数は約12億冊。11月には、小学校高学年向けの表紙に子供の顔のイラストを入れた新シリーズ「ジャポニカフレンド」を発売した。 紙は学習帳専用紙として開発したもの(鉛筆で書きやすい紙)を使用しており、製本は糸綴じ。罫線は目に安らぎを与える色(日本色彩研究所の協力による研究)を採用している。表紙の名前欄はコートレス仕上げ。現在も高岡市の本社工場で作り続けており、国産を維持したい方針であるという。 2015年4月28日から6月15日にかけて発売45周年を記念して行われた歴代の表紙の人気投票で、1970年代・1980年代・1990年代・2000年代の1位にそれぞれ昆虫のものが選ばれ、2位・3位でも多くが昆虫であった。これを受け、同年8月に各年代の1位となった昆虫が表紙のノート4冊と、最初のシリーズであるひまわりが表紙のノート1冊をセットにした5冊組を復刻し、限定発売が行われる。 2015年12月には37年ぶりに自然系の表紙ではない「日本の伝統文化シリーズ」が発売され、第1弾は歌舞伎がテーマとなっている。 テレビCM 発売の翌年、1971年(昭和46年)に学習ノートではまだ珍しかったテレビCMを開始したが、それは、知名度の低さと商品の高価格から、在庫の山を抱えた末の策だったという。しかも視聴率の高くない時間帯しか枠が空いておらず、昼ドラマの時間帯に流した。当時は家族経営の文具店が主流で、この時間にテレビを見て休憩をとっていた店が多かったと見られ、思いのほかCM効果があり、取扱先が一気に増えた。CM開始から3年間で売り上げが27倍になったという。 1980年代までの時期は「酋長」(声:内海賢二)と学「習帳」をかけたCMを制作・放送していたが、「酋長」の語が差別語である事から放送されなくなった。その後、1990年代中期には、岡本夏生が母親役で出演したCMが放送された。 その後、アニメ・キャラクターのジャポニカ王子(声:竹内順子)と仲間達(声:大竹宏、他)が登場し、ジャポニカ王子と視聴者が「じゃんけん(ジャポニカじゃんけん)」で勝負するという内容が使われていた。山寺宏一は本CMシリーズの途中から出演。 2013年1月現在CMは2タイプ有り、片方はダンス☆マンによるヒップホップダンスのCM、もう片方は従来通り山寺が出演し、授業参観の中で長年愛されているジャポニカ学習帳の特徴を伝えるCMになっている(ジャポニカ王子らも登場するが、じゃんけんは行わない)。 初期から「ジャポニカ学習帳」という短いジングル(サウンドロゴ)は変わっていない。
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