ゲーム一般としての分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 01:10 UTC 版)
「コンピュータゲーム」の記事における「ゲーム一般としての分類」の解説
「ゲーム#ゲーム理論の援用」も参照 一般のゲームと全く同様に、コンピュータゲームに関しても、理論的な「人数 / (非)ゼロ和 / (無|有)限 / (不)確定 / (不)完全情報」というような分類が応用できる。コンピュータゲームの特殊性としては、(プログラム等の提供者を信じる限りにおいて)第3者として対戦ゲームなどの信用できる判定者としてコンピュータを利用できる、(「ゲーム性」の点で疑問はあるかもしれないが)プレイヤーは眺めるだけといった「0人ゲーム」といったものが(非電源ゲームなどと比較して)割とありえる、といった点がある。 以下は、よりコンピュータゲーム固有の事情や観点からの分類である。 ここではビデオゲームやデジタルゲームの特徴として、非電源ゲームであるボードゲーム、テーブルゲーム、カードゲームなどとの対比を述べる。 ルールとプレイ人数 一般にゲームというものは、何らかのルールを定める、あるいは何らかのルールが自然発生するところから始まる、と言ってよいであろう。コンピュータゲームもルールが存在するが、コンピュータがゲームを決定してルールの適用も任せることとなる。必要な要素をコンピュータがシミュレートしつつ進められるため、実在の遊具や人間を必要とするとは限らない(メタ化される)。特にAI(人工知能)に挑む側面が強い。 ゲームの進行は、プレイヤーの入力に対する結果をコンピュータが演算し、その処理結果に対してさらにプレイヤーが次の入力を行うという繰り返しによってなされる。単純な形態としては数当てゲームが挙げられるが、これはコンピュータが定めた1つの数字に対してプレイヤーが値を入力し、コンピュータがその値と自らの定めた数字を比較した結果、どちらが大きいかのみを答える。このヒントに従ってプレイヤーは新たに値を入力し、再びコンピュータが判定を行った結果、ヒントを出すという過程を繰り返す。そして、正解に至るかプレイヤーが飽きてコンピュータの電源を切るまで、ゲームは続く。コンピュータゲームはいずれも多かれ少なかれ、こういった人間とのやり取りを繰り返すことで、遊びを提供する性質を持つ。 プレイヤーの行動である入力以外が、コンピュータによって処理される。主なハードウェア構成は、演算処理を行うハードウェア本体、プレイヤーの入力機器であるコントローラー、処理結果の出力機器であるモニタ画面やスピーカーから構成され、原則的にはこれ以外の補助機器の類を必要としない。また、入力機器は簡便なものが用いられ、大抵は両手のみで全ての操作が行えるようになっているが、中には体全体を使ってコントロールする入力機器も存在する。いずれもコントローラーを介して入力された操作を、ゲーム機内部のコンピュータが処理した結果として出力を行う。 乱数 『テトリス』のように偶然性を用いるために乱数を利用する場合がある。コンピュータには本当の意味での乱数は生成できず、代わりに擬似乱数が使用されている。擬似乱数を使用すること自体には、実用上は何の問題もない。CR時定数回路とカウンタ等といったごく単純な方法でも、擬似乱数列の初期化のための「真の乱数」によるシードを得るには普通のゲーム用途なら十分である。これは、1970年代のマイコンでも最悪、コストにして数百円程度のハードウェアを付加する等の工夫をすればさほど困難ではない。一般に最低要求水準とされる、いわゆる「Park-Miller "minimal standard"」なら、8ビットプロセッサ程度の能力があれば数十バイトで実装可能である。 アーケード『テトリス』の場合、バッテリバックアップによって状態を保持することで、パターン化を可能にされることを防いでいた。しかし、バッテリ切れにより「電源パターン」が可能になってしまった。また、本来であれば事実上不可能なはずの永久パターンが、電源パターンによって可能になる、といった場合もある。 過去にはカルドセプト サーガ#バグ問題のように、低質な乱数によるゲームの崩壊といった現象がしばしば発生していた。 シューティングゲーム等には、1980年代前半頃は乱数を利用するものも多かったが、その後はランダム要素を排除したいわゆる「覚えゲー」にデザインされる傾向が強い。シューティングゲームの場合、乱数は弾のバラマキかた等、わずかに利用される他は排除される傾向もある。 グレーゾーンな遊び 隠しコマンドや裏技やチートなどと呼ばれるもののうち、デバッガ等を利用して直接メモリを書き換えるような行為は別としても、コンピュータ・プログラムの常として取りきれなかったバグがゲームルールの抜け穴を作ってしまったりすることもある。これは単なる設計上の不具合である広義の不良品であったり、あるいは制作側が予期しなかった行為であったり、設計上で組み込まれたジョークであったり、と、本来の楽しみ方ではない機能である。これらはありきたりの遊び方に価値を見出さず、「ともかくゲームのエンディングを見る」、「無敵戦闘機を得る」、「最強主人公をつくる」など、特定のことに価値を見出した場合に積極的に利用される。 ゲーム設計者(ゲームデザイナ)とプレイヤ間に暗黙のうちにあるルール(メタルール)として、ゲームのセーブ・ロード等のゲームルール外の操作は、ゲーム中の状態を任意に保存し、また復元することだけを行うもので、セーブ不能区間がある、強力な敵とのエンカウントの直後に強制セーブされる、といった制限などはあっても、ゲームルールには関与しない、などといった基本的なルールがある。しかし敢えてそれを破るような、セーブデータを削除するとゲームが進行するといったものや、ゲーム中のキャラクタ(NPC)によりセーブデータが削除されるというイベントによって実際にセーブデータが削除される、1周目には「真のエンディング」に到達するルートが存在せず、2周目以降で初めてそのような分岐が現れる、といったものもある。もっと極端な例では、『Prismaticallization』のように、何周も繰り返しながら、別の周回での出来事がパズルのように複雑に絡んでいるフラグを揃えてゆくというものもある。
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