エピゴノイ (叙事詩)とは? わかりやすく解説

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エピゴノイ (叙事詩)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/15 05:57 UTC 版)

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エピゴノイ』(ギリシア語 Epigoni, Epigonoi, 意味は「子孫」)とは、テーバイ圏という叙事詩サイクルに含まれる叙事詩。『テーバイド』の続編にあたるが、古代には『エピゴノイ』は独立した作品でなく、『テーバイド』の一部と考える学者もいた[1][2]

作者

ヘロドトスの『歴史』にはホメーロス作と書かれているが、その書き方は疑っているようである[3]アリストパネースのスコリアでは、作者は「アンティマコス」とされている[4]。アンティマコスとは、おそらく、テオースのアンティマコス(Antimachus of Teos)を指しているようだが、それを理由に、テオースのアンティマコスのものとされる題名のない詩行を『エピゴノイ』の一部とするのは憶測の憶測である[5]。アンティマコスという人物は他に、後世の叙事詩人コロポーンのアンティマコス(Antimachus)がいるが、その名前から、自作の叙事詩『Thebais』にその筋を取り込んだことで、伝統的な『エピゴノイ』を剽窃したと非難されたということだ。

内容

ある文献によると、『エピゴノイ』は7000行の韻文だったらしい[6]

内容は、テーバイ攻めの七将の子供ら、エピゴノイによるテーバイをめぐる最後の戦いを描いている。

最初の1行めだけが残っている。

さあ、ムーサイよ、若者たちの歌を我らに始めさせよ……[7]

他の言及から、おそらく、プロクリスの死の神話[8]テイレシアースの娘マントーの話[9]が『エピゴノイ』の一部を形作っていたものと示唆される。

『エピゴノイ』で語られた物語は後に、ソポクレースの悲劇『エピゴノイ(Epigonoi)』で語られている。

脚注

  1. ^ パウサニアス、9.9.5
  2. ^ Scholia on Apollonius of Rhodes 1.308.
  3. ^ ヘロドトス『歴史』iv.32
  4. ^ Scholia on Aristophanes, Peace 1270.
  5. ^ Fragment 2 West; アレクサンドリアのクレメンス『ストロマテス』6.12.7.
  6. ^ Contest of Homer and Hesiod 15
  7. ^ Fragment 1 West; Scholia on Aristophanes, Peace 1270; Contest of Homer and Hesiod 15.
  8. ^ Fragment 3* West; Suda and other lexica s.v. Teumesia.
  9. ^ Fragment 4 West; Scholia on Apollonius of Rhodes 1.308.

参考文献

  • Greek epic fragments ed. and tr. Martin L. West. Cambridge, Mass.: Harvard University Press, 2003.



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