アファームドとは? わかりやすく解説

アファームド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/20 19:25 UTC 版)

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アファームド
欧字表記 Affirmed
品種 サラブレッド
性別
毛色 栗毛
生誕 1975年2月21日
死没 2001年1月12日
Exclusive Native
Won't Tell You
生国 アメリカ合衆国
生産者 Harbor View Farm
馬主 Harbor View Farm
調教師 Lazaro S.Barrera(アメリカ
競走成績
生涯成績 29戦22勝
獲得賞金 239万3818ドル
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アファームドAffirmed1975年2月21日 - 2001年1月12日)とは、アメリカ合衆国競走馬である。アメリカ三冠などG1競走14勝を挙げ、ケルソの持っていた収得賞金の世界レコードを更新した。20世紀のアメリカ名馬第12位(ブラッド・ホース誌)。1978年1979年エクリプス賞年度代表馬。

生涯

競走生活

2歳時(1977年)

アファームドは1975年2月21日アメリカ合衆国フロリダ州のハーバーヴュー牧場で生まれた。同牧場はアメリカの生産者リーディング首位を2度獲得した有力な牧場であったが、経営者のL・ウルフスンはアファームドが生まれた2年後に競走馬生産はリスクが大きく割に合わないと判断して競馬界での活動を縮小し、牧場を売却している。

1977年5月24日ベルモントパーク競馬場でデビュー。単勝オッズ15.3倍と人気は低かったが勝利を収め、6月15日にユースフルステークスに出走。このレースも勝利し連勝を飾った。このレースでアファームドは2番人気で1番人気はアリダーだった。2歳時は9つのレースに出走したが、うち5つレースにアリダーも出走していて、3つレースが1着アフォームド2着アリダー、2つのレースが1着アリダー2着アフォームドという着順になった。以後もアメリカ三冠をはじめ数々のレースで対戦することになる。9戦7勝(GIを3勝)したアファームドはエクリプス賞の最優秀2歳牡馬に選出され、アメリカの2歳フリーハンデではアリダーより1ポンド重い126ポンドで首位に格付けされた。

3歳時(1978年)

年が明けて間もなく、ウルフスンのもとにアファームドを800万ドルで購入したいという申し込みがあった。ウルフスンは「アファームドは年度代表馬を生産するという夢をかなえてくれそうな最後の馬だ」と言って申し込みを断った。

アファームドはカリフォルニア州で冬を越し、3月8日サンタアニタ競馬場で復帰した。復帰戦を勝つとG2サンフェリペステークス、G1サンタアニタダービーも優勝。4月16日にはハリウッドパーク競馬場で行われたハリウッドダービーも勝ち、2番人気でアメリカ三冠第1戦のケンタッキーダービーに出走した。1番人気は年明けからG1を3連勝し、前走のブルーグラスステークスでは2着馬に13馬身の着差をつけて優勝したアリダーであった。レースはアファームドが2、3番手を進み、アリダーが最後方に位置する展開となった。直線で先頭に立ったアファームドはアリダーの追い込みを1馬身半差退けて優勝した。

アメリカ三冠第2戦のプリークネスステークスでは2頭の人気は逆転し、アファームドが1番人気、アリダーが2番人気に支持された。レースはケンタッキーダービーと同様前方を進むアファームドをアリダーが最後方から追い上げる展開となり、アファームドが追撃をクビ差凌いで勝利を収めた。第3戦のベルモントステークスではスタート直後から先頭を進むアファームドをアリダーが1馬身後方から追いかけ、アリダーが直線の入口で並びかけてからゴールまで激しい競り合いが繰り広げられたが、アタマ差でアファームドが勝利した。この勝利によりアファームドは前年のシアトルスルーに続き、史上初の2年連続三冠馬誕生、および史上11頭目のアメリカ三冠馬となった。

8月に入り8日にG3ジムダンディステークスを勝った後、19日にG1トラヴァーズステークスでアリダーと対戦。アファームドはアリダーに1馬身3/4の差をつけて1位で入線したが進路妨害により2着に降着となった。アリダーとの対戦はこのレースが最後となった。9月16日、G1マルボロカップで前年のアメリカ三冠馬シアトルスルーと対戦した。三冠馬が同じレースで対戦するのはアメリカ競馬史上初の出来事であったうえに、2020年11月15日時点でも唯一の三冠馬直接対決の事例である。レースでは逃げたシアトルスルーを交わすことができず、3馬身差の2着に敗れた。10月にはG1ジョッキークラブゴールドカップステークスで再びシアトルスルーと対戦したが、レース中に鞍がずれるアクシデントに見舞われ、5着に敗れた。

この年のアファームドはシーズン後半に勝ちに恵まれなかったもののアメリカ三冠達成が評価され、エクリプス賞年度代表馬および最優秀3歳牡馬に選ばれた。アメリカの3歳フリーハンデではアリダーより1ポンド重い136ポンドで首位に格付けされた。

4歳時(1979年)

アファームドはジョッキークラブゴールドカップステークスの後カリフォルニア州で休養を取り、1979年1月にサンタアニタ競馬場でレースに復帰した。初戦と2戦目のG2サンフェルナンドステークスに敗れた後、2月にG1チャールズHストラブステークスで2着に10馬身の着差をつけて優勝。ここからアファームドは連勝を開始した。3月にG1サンタアニタハンデキャップをサンタアニタ競馬場のダート2000mのコースレコードを記録して優勝。その後ハリウッドパーク競馬場へ転戦し、G1カリフォルニアンステークスハリウッドゴールドカップを連勝した。この時点でアファームドの通算収得賞金は203万ドルを超え、アメリカ競馬史上初めて200万ドルを超えるとともにケルソが持っていた世界レコードを更新した。

アファームドはハリウッドゴールドカップ出走後東部へ戻り、8月中旬にアケダクト競馬場引退式を行った。8月29日ベルモントパーク競馬場で行われたエキシビジョンレースに出走し、優勝した。陣営はこのレースをステップに前年に引き続きマルボロカップへ出走しようとしたが、この年のケンタッキーダービーとプリークネスステークスを勝ったスペクタキュラービッドよりも約4キロ重い133ポンド(60.3キロ)の斤量を科されることを嫌って出走を回避。9月22日にG1ウッドウォードステークスに出走。この年のベルモントステークス優勝馬コースタルを破って優勝した。陣営は10月6日のジョッキークラブゴールドカップステークスをアファームドの引退レースに選んだ。このレースでスペクタキュラービッドとの対戦が実現し、レースでは先行したアファームドがスペクタキュラービッドの追い上げを3/4馬身退けて勝利を収めた。アファームドはエクリプス賞年度代表馬に2年連続で選ばれ、アメリカの古馬牡馬フリーハンデで首位(134ポンド。2位はアリダーの126ポンド)に格付けされた。

競走馬引退後

競走馬引退後はケンタッキー州のスペンドスリフト牧場種牡馬となった。複数のG1勝ち馬を輩出しているものの、リーディングサイアー10位以内に入ることは一度もなかった。一方同世代のライバル・アリダーは1990年に北米リーディングサイアーを獲得するなど優秀な種牡馬成績を残しており、引退後の両馬は立場が入れ替わることになった。なお、アファームドは1987年にアリダーが繋養されていたカルメットファームに移り、アリダーが死ぬ1990年まで隣の馬房で過ごした。

アリダーが死んで間もなくカルメットファームは破産し、アファームドはジョナベル牧場へ移動。晩年は両前脚を悪くし、2001年蹄葉炎が悪化して安楽死の処置がとられた。

競走成績

1977年(9戦7勝)

1978年(11戦8勝)

1979年(9戦7勝)

成績表

出走日 競馬場 競走名 距離 着順 騎手 タイム 着差 1着(2着)馬
1977.05.24 ベルモントパーク 未勝利 D5.5f 1着 B.ゴンザレス 1.06.0 4馬身1/2 (Innocuous)
1977.06.15 ベルモントパーク ユースフルS D5.5f 1着 A.コルデロJr. 1.05.0 Alydar
1977.07.06 ベルモントパーク グレートアメリカンS D5.5f 2着 A.コルデロJr. 3馬身1/2 Alydar
1977.07.23 ハリウッドパーク ジュベナイルCS(分割1) G2 D6f 1着 L.ピンカイJr. 1.09.2 7馬身 (He's Dewan)
1977.08.17 サラトガ サンフォードS G2 D6f 1着 S.コーゼン 1.09.6 2馬身3/4 (Tlt Up)
1977.08.27 サラトガ ホープフルS G1 D6.5f 1着 S.コーゼン 1.15.4 1/2馬身 (Alydar)
1977.09.01 ベルモントパーク フーチュリティS G1 D7f 1着 S.コーゼン 1.21.6 ハナ (Alydar)
1977.10.15 ベルモントパーク シャンペンS G1 D8f 2着 S.コーゼン - 1馬身3/4 Alydar
1977.10.29 ローレル ローレルフューチュリティ G1 D8.5f 1着 S.コーゼン - (Alydar)
1978.03.08 サンタアニタ 一般競走 D6.5f 1着 S.コーゼン 1.15.6 5馬身 (Spotted Charger)
1978.03.18 サンタアニタ サンフェリッペS G2 D8.5f 1着 S.コーゼン 1.42.6 2馬身 (Chance Dancer)
1978.04.02 サンタアニタ サンタアニタダービー G1 D9f 1着 S.コーゼン 1.48.0 8馬身 (Balzac)
1978.04.16 ハリウッドパーク ハリウッドダービー G1 D9f 1着 S.コーゼン 1.48.2 2馬身 (Think Snow)
1978.05.06 チャーチルダウンズ ケンタッキーダービー G1 D10f 1着 S.コーゼン 2.01.2 1馬身1/2 (Alydar)
1978.05.20 ピムリコ プリークネスS G1 D9.5f 1着 S.コーゼン 1.54.4 (Alydar)
1978.06.10 ベルモントパーク ベルモントS G1 D12f 1着 S.コーゼン 2.26.8 (Alydar)
1978.08.08 サラトガ ジムダンディS G2 D9f 1着 S.コーゼン 1.47.8 1馬身1/2 (Sensitive Prince)
1978.08.19 サラトガ トラヴァーズS G1 D10f 2着 S.コーゼン 1位入線 降着 Alydar
1978.09.16 ベルモントパーク マールボロC招待H G1 D9f 2着 S.コーゼン - 3馬身 Seattle Slew
1978.10.14 ベルモントパーク ジョッキークラブ金杯 G1 D12f 5着 S.コーゼン - 19馬身 Exceller
1979.01.07 サンタアニタ マリブS G2 D7f 3着 S.コーゼン - 2馬身1/4 Little Reb
1979.01.20 サンタアニタ サンフェルナンドS G2 D9f 3着 S.コーゼン - 2馬身3/4 Radar Ahead
1979.02.04 サンタアニタ チャールズHストラブS G1 D10f 1着 S.コーゼン 2.01.0 10馬身 (Johnny's Image)
1979.03.04 サンタアニタ サンタアニタH G1 D10f 1着 S.コーゼン R1.58.6 4馬身1/2 (Tiller)
(Painted Wagon)
1979.05.20 ハリウッドパーク カリフォルニアンS G1 D8.5f 1着 S.コーゼン 1.41.2 5馬身 (Syncopate)
1979.06.24 ハリウッドパーク ハリウッド金杯 G1 D10f 1着 S.コーゼン 1.58.4 3/4馬身 (Sirlad)
1979.08.29 ベルモントパーク 一般競走 D8f 1着 S.コーゼン 1.34.0 6馬身 (Island Sultan)
1979.09.22 ベルモントパーク ウッドワードS G1 D10f 1着 S.コーゼン 2.01.6 1/2馬身 (Coastal)
1979.10.06 ベルモントパーク ジョッキークラブ金杯 G1 D12f 1着 S.コーゼン 2.27.4 3/4馬身 Spectacular Bid

種牡馬成績

  • 産駒数:869頭
  • 勝利産駒:498頭
  • ステークス競走優勝馬:86頭(10%

主な産駒

ブルードメアサイアーとしての主な産駒

評価

エクリプス賞

  • 1977年 - 最優秀2歳牡馬部門受賞
  • 1978年 - 年度代表馬・最優秀3歳牡馬部門受賞
  • 1979年 - 年度代表馬・最優秀古馬牡馬部門受賞

表彰

血統表

アファームド血統レイズアネイティヴ系Teddy5×5=6.25% Fighting Fox(Gallant Fox)3×5=15.62%(母内) Sir Gallahad(Bull Dog)4.5.5=12.50%(母内)) (血統表の出典)

Exclusive Native
1965 栗毛
父の父
Raise a Native
1961 栗毛
Native Dancer Polynesian
Geisha
Raise You Case Ace
Lady Glory
父の母
Exclusive
1953 栗毛
Shut Out Equipoise
Goose Egg
Good Example Pilate
Parade Girl

Won't Tell You
1962 鹿毛
Crafty Admiral
1948 鹿毛
Fighting Fox Sir Gallahad
Marguerite
Admiral's Lady War Admiral
Boola Brook
母の母
Scarlet Ribbon
1957 鹿毛
Volcanic Ambrose Light
Hot Supper
Native Valor Mahmoud
Native Gal F-No.23-b

参考文献

  • 原田俊治『新・世界の名馬』サラブレッド血統センター、1993年。ISBN 4-87900-032-9

外部リンク


アファームド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 01:29 UTC 版)

バーチャロイドの一覧」の記事における「アファームド」の解説

アファームドMBV-09-C APHARMD武装LWCWRWボム ビームトンファー ショットガン このVR開発経緯意外なころから要請に始まる。話の出所は、一貫してVR導入反対していたSTDSDNA戦略戦術開発局商品開発プラン立案からその実行に至るまで、DNA営業戦略を担う中枢的存在)だった。いざVR同士による戦闘本格的になると、近接格闘戦も重要な要素となってきた。ましてや限定戦争娯楽一面もあり、近接格闘戦の中継大人気博していた。巨大人型ロボットによる近接戦闘は、生身人間による白兵戦並み激烈な要素持ちながらも視覚的残虐さは希薄であったSTDSは、この点にVR商品価値一端見出し、「限定戦争(というショー・ビジネス)の本質かなった要素として指摘したのである。この指摘重要視したDN社は早速、現行4機種検証行いその結果テムジンベースに(加えてテムジンの「後継機というのも兼ねて近接戦を強化した主力戦闘VR開発されることとなった開発には当時新設されたばかり若手多かった第2プラントトランスヴァール」が担当する事になるも開発難航し、これに見かねた開発管理局は、XMUプラン9号機の基本設計流用するよう勧告。なんら実績の無い新興プラントは、その意向に従うしかなかった。完成した試作機はMBV-04に比べる粗削り機体で、非常にソリッド操作特性持っていた。しかし基本能力に関して何ら問題はなく、その機体構造堅牢性およびメンテナンス容易さについては、かえってテムジンのそれを凌駕するものがあった。この結果受けて本機制式採用決定し、MBV-09アファームドと命名された。装甲近接格闘意識してかかなり厚め装甲となっている、機動性も横ダッシュ時はテムジン大差ないが、相手との間を詰めるため前ダッシュ時の加速性能テムジン上の機動性を誇る。メイン武器は両碗部に取り付けられビームトンファーで、このビーム発振器ジェネレーター直結されており絶大な破壊力を誇る。ジェネレーターテムジンそれよりも余裕持たせてあるためトンファー攻撃時の踏み込み速度音速超える。またその際フィールド一種の「バリア」)が発生し無敵」となる。トンファーは下腕部取り付ける形で収納される為、武器取り回しの悪い市街地戦等でその威力遺憾なく発揮した携行武器として小型ショットガン開発され近接格闘時の邪魔にならないようになっているショットガンエネルギー容量少なさもあり射撃での火力弱さ残してはいたが、直後完成したドルカスとの連携視野入れており、その相性抜群だったためさほど不安視はされなかった。ボムは「アファームドの開発時、手の動作修正できない」という設定があり、ゲーム内でも横ダッシュ時に投擲すると大きな爆風とならず小さな爆風となってしまう「不発弾」となる難点がある。

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