ほっかいどうにぶたにおよびしゅうへんちいきのあいぬせいかつようぐとは? わかりやすく解説

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北海道二風谷及び周辺地域のアイヌ生活用具コレクション

名称: 北海道二風谷及び周辺地域のアイヌ生活用具コレクション
ふりがな ほっかいどうにぶたにおよびしゅうへんちいきのあいぬせいかつようぐ
種別 衣食住用いられるもの
員数 1,121点(平取町919点、萱野志朗202点)
指定年月日 2002.02.12(平成14.02.12)
所有者
所有者住所
管理団体名:
備考
解説文: この資料は、北海道沙流郡【さるぐん】平取町二風谷在住するアイヌ文化研究者萱野茂氏によって、昭和二十八年一九五三)ごろから近年にかけて収集された北海道沙流川さるがわ流域二風谷およびその周辺地域使用されアイヌ生活用具コレクションである。
 二風谷および沙流川流域アイヌ生活文化濃厚に保有している地域として知られている。明治二十五年(一八九二)ころまでの二風谷は、アイヌの人たちだけが居住していた地域であり、大正時代一九一二-二六)になって葬送などはアイヌ風が主で、生活様式変容してもアイヌ固有の信仰保持していた人は多かったといわれている。
 アイヌ伝統的な生業狩猟漁撈採集などであるが、稗【ひえ】や粟などを栽培する農耕行われていた。二風谷農業江戸時代の記録にも残されており畑作中心であった
 明治二年(一八六九)、北海道開拓使設置され明治四年(一八七一)には耳輪入れ墨などのアイヌ風習禁止されて、日本語習得進められることとなった。これ以降従来狩猟漁撈などの生業規制され明治十八年(一八八五)ころには勧農政策押し進められていった明治三十二年(一八九九)には旧土人保護法公布され給与地における農耕奨励された。二風谷水田作られるうになるのは明治三十七年一九〇四)ころであるが、第二次大戦後も依然として畑作中心であった
 農業昭和三十年代一九五-六四)ころまでは手作業による部分多く農耕馬の飼育も行われたが、しかし、農業だけでは生活が苦しく明治時代以降造林人夫測量人夫などの仕事従事する人びともみられ、大正時代一九一二-二六)には炭焼き造林などの山仕事出稼ぎする人も多かった
 二風谷では幕末から明治時代にかけてアットゥシ樹皮織物)の製作・販売が行われており、明治二十六年(一八九三)ころには木彫品の製作販売が行われるようになって民芸品販売始まり昭和三十四十年代一九五四七四)には観光ブームによってその最盛期迎えた
 なお、現在の平取町は米、トマト胡瓜などの栽培加工のほか、和牛や豚、乳牛の飼育、軽種馬飼育など農業畜産業重要な産業となっており、二風谷では民芸品の製作業サービス業などの商業農業畜産業などが主要な生業となっている。
 本コレクション収集した萱野氏は、大正十五年(一九二六)に二風谷アイヌ家庭生まれ、自らがアイヌ文化伝承者であるとともに数多くアイヌ文化に関する研究成果世に送り出している研究者でもある。萱野氏が本格的に収集開始した昭和三十年代一九五-六四)は、まだ明治生まれ古老たちが健在であった萱野はこうした古老の家を訪れて生活用具収集を行うとともに古老たちの指導によってすでに使われなくなった伝統的な生活用具類の製作も行ってきた。この製作の作業には妻れい子氏の協力大きかったれい子氏もまた二風谷生まれ育ったアイヌ血を引く伝承者で、実生活の中でアイヌ伝統的な技術体得し萱野とともに着物やござ類を中心とした伝統的な生活用具の製作を行っている。収集品中にはこうした伝統的な技術によって新たに製作されたものも含まれている。
 萱野氏の収集した資料は、昭和四十七年一九七二)に北海道ウタリ協会主体となって建設した二風谷アイヌ文化資料館保管展示され昭和五十三年一九七八)に発行された『アイヌ民具』などを通じて広く紹介されることとなった萱野氏の収集した資料その後平成四年(一九九二)に平取町二風谷アイヌ文化博物館建設される伴って収蔵資料過半数が町移管されたが、残り資料二風谷アイヌ文化資料館旧施設利用した私設萱野茂二風谷アイヌ資料館保管公開されることとなった
 この結果萱野氏が収集した資料は、現在では平取町二風谷アイヌ文化博物館に約一四〇〇点、萱野茂二風谷アイヌ資料館に約一〇〇〇点と二館に分かれて保管公開されている。しかし、これらの資料あくまでも一体的活用されることによって、その本来の価値発揮されるものであり、平取町および萱野氏とも一体的活用望んでいることから、両者資料合わせて指定対象とすることとした。
 今回整理され資料は、この約二四〇〇点に及ぶ萱野収集アイヌ関係資料から、二風谷中心とする沙流川流域使用され製作法使用法などの記録明確な資料整理したのである
 資料は、衣生活、食生活、住生活、生産生業交通運搬社会生活信仰民俗知識芸能遊戯人の一生一〇項目に分類されている。
重要有形民俗文化財のほかの用語一覧
衣食住に用いられるもの:  丹波焼コレクション  作業用覆面コレクション  信濃及び周辺地域の灯火用具 附 版画等関係資料  北海道二風谷及び周辺地域のアイヌ生活用具コレクション  十日町の積雪期用具  南部のさしこ仕事着コレクション  大宝寺焼コレクション



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