ししざ‐りゅうせいぐん〔‐リウセイグン〕【×獅子座流星群】
しし座流星群(ししざりゅうせいぐん)
冬に見られる流星群のひとつで、いつも決まった時期に出現する。しし座から夜空全体に多数の流星が放射されるように見えるため、しし座流星群と呼ばれている。
テンペル・タットル彗星(すいせい)は、33年の周期で太陽の周りを回り、地球の公転軌道上に砂粒のような塵(ちり)を残していく。この塵の帯の中を地球が突入するさい、大気中に塵が飛び込み、空気との摩擦によって光を出す。このとき、飛び込んでくる場所がしし座の見える方角になっている。これがしし座流星群だ。
したがって、テンペル・タットル彗星がまき散らした塵が残っている間、しし座流星群が見られる。すなわち、33年ごとに活動が活発になっていて、ちょうど1998年から2002年までがこの時期にあたる。また、国際流星機構 (IMO) によると、毎年11月14日~11月21日に活動期を迎え、今年は11月18日ごろがピークだという。
地域や時間、月齢などによって観測条件はまちまちだが、1999年には1時間に数千個の流星を観測した地域がある。今年は月の明るさが観測を邪魔することなく、理想的な条件がそろえば、1時間あたり最大で1万個程度の出現を予想する専門家もいる。
日本では、11月19日午前2時~4時の間にピークがあると予想されている。幸運にも予想が的中すれば、東の空から流星の雨が降り注ぐことになりそうだ。
(2001.11.16更新)
しし座流星群 Leonids
しし座流星群
33年周期で地球に接近する、しし座流星群の素テンペル・タットル彗星
しし座流星群は、太陽を33年周期でまわるテンペル・タットル彗星から放出されたちりが、地球の大気にぶつかって起こる発光現象です。しし座を中心として流れ星が放射状に飛びだすように見え、ほかの流星群にくらべて明るく、短時間に多数の星が流れるのが特徴です。
しし座流星群は毎年11月17、18日ごろをピークに数日間見られますが、普段はそれほどたくさんは見られません。しかし彗星が地球軌道に接近する33年に1度、「流星雨」と呼ばれるほどのたくさんの流星が見られことがあり、その記録は古く、西暦902年に中国の天文学者がしし座流星雨を見たという報告があります。最近では1966年にアメリカのアリゾナ州キットピークで、突発的に1秒間に40個もの流星が観測されました。
しし座流星群をインターネットで中継
1998年2月、しし座流星群の素になるテンペル・タットル彗星が33年ぶりに地球軌道に接近、その年と翌年の秋にはしし座流星群の大出現が各地で期待されました。しかし、ヨーロッパでは1999年に1時間当たり3,500個の流星が出現しましたが、日本では観測時間帯や気候などの影響で流星群の大出現にはいたりませんでした。1999年のしし座流星群のようすは、天文関係者たちがつくる「LIVE! LEONIDAS」実行委員会により、イタリアのシチリア島、アメリカのネバダ州とハワイ州、日本の4地点からインターネットで世界中に中継されました。
しし座流星群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/07 04:35 UTC 版)
しし座流星群(ししざりゅうせいぐん、Leonids)は、しし座に放射点を持つ流星群である。レオニズ(The Leonids)[4]、レオニード(Les Léonides)[5]などと呼ばれることもある。毎年11月14日頃から11月24日頃まで出現が見られ、11月17日頃に極大を迎える。母天体(母彗星)はテンペル・タットル彗星 (55P/Tempel-Tuttle) である[6]。普通の年には極大時に1時間あたり数個の流星が観測できるが、過去に何度も大出現が見られた。流星天文学の発展にも重要な役割を果たしてきた流星群である。
- ^ Leonid MAC Brief history of the Leonid shower
- ^ a b c d e f Moore, Patrick; Rees, Robin (2011), Patrick Moore's Data Book of Astronomy (2nd ed.), Cambridge University Press, p. 275, ISBN 978-0-521-89935-2
- ^ Beech, Martin (July 1998), “Large-Body Meteoroids in the Leonid Stream”, The Astronomical Journal 116 (1): 499–502, Bibcode: 1998AJ....116..499B, doi:10.1086/300435
- ^ 例えば、ロマン・ロランの戯曲 「獅子座の流星群(レ・レオニズ)」『ロマン・ロラン全集』〈11〉 片山敏彦 訳、 みすず書房、1982年、所収。(ただし、フランス語原題 Les Léonides は [レ・レオニド] のように発音される。)
- ^ 例えば、レオニード流星群観測小研究会
- ^ 渡辺和郎「夏期大学講座内容 2 流れ星の大出現を予想する」細氷39号(1993) 北海道青少年科学館、2022年3月1日閲覧。
- 1 しし座流星群とは
- 2 しし座流星群の概要
- 3 出現の歴史
- 4 脚注
しし座流星群
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「テンペル・タットル彗星」の記事における「しし座流星群」の解説
1867年、イタリアのジョヴァンニ・スキアパレッリは、1866年のテンペル・タットル彗星がしし座流星群の流星物質とほぼ同じ軌道であることを発見し、母天体ではないかと指摘した。彗星が流星群の母天体だとされたのは、これが2番目である。なお、最初の例は、ペルセウス座流星群の母天体であるスイフト・タットル彗星で、これもまたスキアパレッリの指摘だった[要出典]。 テンペル・タットル彗星は軌道傾斜角が162°の逆行軌道なので、この彗星起源のダストは地球にほぼ正面衝突し、相対速度は72 km/sに達する。これは全ての流星群の中で最も速い。このため、微小なダストも明るい流星になり、しし座流星群で多くの流星が観測される一因になっている。 しし座流星群は約33年ごとに起こっており、2009年に観測されたしし座流星群は1466年と1533年に通過したときの残骸である。 テンペル・タットル彗星の1990年から2180年までの軌道。 太陽中心の軌道 地球中心の軌道 太陽 · 地球 · 火星 · 木星 · テンペル・タットル彗星
※この「しし座流星群」の解説は、「テンペル・タットル彗星」の解説の一部です。
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