『仮面ライダー』に登場する地獄大使
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「地獄大使」の記事における「『仮面ライダー』に登場する地獄大使」の解説
『仮面ライダー』第53話 - 第62話、第64話 - 第67話、第69話 - 第79話、劇場版『仮面ライダー対じごく大使』に登場。 第52話で南米支部へ異動した死神博士に代わり、東南アジア支部から日本に着任したショッカー日本支部3代目大幹部。世界各地に156にも及ぶ秘密基地を作った功績を持つ。首領への忠誠心が異常に強い。古代エジプトのファラオの仮面をモチーフにした特異な被り物や凝ったコスチューム、特注のショッカーベルトをそれぞれまとっている。毒々しいメイクで彩られた顔は、「体を改造している時にあのような顔になった」と説明されている。 戦闘時の武器は電磁鞭と左手のアイアンクロー。 指揮能力は死神博士よりも高く、他の幹部よりもアジトから出て前線におもむくことが多い。大規模基地の建設や全国規模のテロなど大がかりな作戦を得意とし、さらに従来の幹部以上に細菌を用いた作戦も企てたりと数多くの作戦を指揮する。しかし、感情の起伏が激しく冷静さや緻密さに欠けるため、作戦の詰めが甘くなりがちな一面を持つ。 現場で部下に気さくに声をかけるなどの鷹揚さや、人質とした研究者・木原博士にショッカーを代表して礼を尽くす(第71話)などの人間性も併せ持つ。しかし、死神博士とは折り合いが悪く、自分の在任中に彼が来日した際には、協力的な素振りを見せつつ互いに牽制し合う。この時は、仮面ライダーを倒す能力を有していた怪人ナマズギラーを死神博士から提供されたが、ナマズギラーの弱点を教えられたにもかかわらず理解していなかったため、作戦は失敗に終わる。 ゲルショッカーの台頭後は自らの大幹部としての立場が危うくなり、ショッカーを裏切ったふりをして新1号に近づくという捨て身の作戦に出る。最後の戦いでは怪人ガラガランダに変身して戦うが敗れ、自らの敗北を認め「ショッカー軍団万歳!」とショッカーを称えつつ爆死する。 演 - 潮健児 劇中未公表の設定 本名はダモン。アメリカはサンフランシスコのバークランド街出身。スラムで育ち、従兄弟のガモンを影武者に仕立てることでそつなく犯罪をこなしてきた。逮捕されてアルカトラズ刑務所に送り込まれても、2人で脱出に成功した。 ガラガラヘビの研究家として、北アメリカ西部の砂漠地帯で研究を続けていたが、その後は数奇な人生を辿り、ガモンとともに新興国家のゲリラ軍の大佐に任命されて革命を指揮する。やがて、ダモンは仲間の裏切りによる銃創を負い死亡した後、ショッカーによる改造手術とスカウトを経て改造人間として復活したが、ガモンは袂をわかって脱走し、のちにバダンの指揮官・暗闇大使となった。 「地獄大使」という名は、「ショッカー本部=地獄」の「外交官=大使」という意味合いで名乗るようになったものである。 幼少時代から侮蔑と迫害にまみれた人生を送ったダモンが、首領に使い捨てにされてもなお最期を迎える直前に「ショッカー万歳!」と叫んだのは、せめてもの拠り所を求めた内心の発露だったのではないかと言われる。 デザイン 地獄大使の原型は、原作者の石森章太郎が提案した「ビッグゼロ」で、人間的な容姿だった先の2大幹部との差別化のため、機械的な要素を強調していた。だが、実際の地獄大使の衣装はビッグゼロのシルエットを踏襲しつつも、平山の案で潮の顔が見えるデザインになった。ビッグゼロの「コンピューターの怪物」というアイデアは、石ノ森の漫画版に登場する「ビッグマシン」という形で活かされている。また、各児童誌の漫画に登場する地獄大使も、ゴーグルを着用しているところにビッグゼロの印象が色濃く残っている。書籍によっては、地獄大使より初出の早い「ビッグマシン」をモデルと記述している。 最終的なデザインは「エジプトの若きファラオ」のイメージとされ、配役には本郷猛と同年代の美青年が想定されていたが、悪役としての迫力が不足しているとの意見から個性派俳優の潮が起用された。プロデューサーの平山亨は、特徴的なデザインに負けない役者は潮しかいないと考えたという。 最初に撮影が行われた第56話では顔のメイクが異なっている。 その後の作品への登場 『仮面ライダーV3』 第27話・第28話に登場。毒ガス兵器「ギラードガンマー」による日本全滅作戦を遂行すべく、ショッカーの他の幹部やブラック将軍と共に復活する。 日本全滅作戦では九州地方を担当。「かつてはショッカー軍団を率い、ダブルライダーと死闘を続けた自分だ」とデストロンに自慢していたが、ゾル大佐からは「そそっかしい」ブラック将軍からは「おっちょこちょい」などと酷評されたうえ、捕獲した風見志郎を逃がして作戦を台無しにしてしまう。それでも、人質にされた自分もろとも仮面ライダーV3を攻撃するように懇願するなど忠誠心や責任感の強さも見せ、最終的にはアジトと運命を共にする。衣裳は『仮面ライダー』のものと同一。
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