《そうなんですね》の敬語
「そうなんですね」の敬語表現
「そうなんですね」には丁寧語の「です」が含まれているものの、くだけた表現なので正しい敬語とはいえません。同意を表す「そうなんですね」の敬語としては、「おっしゃる通りです」が適切です。また、感嘆の意味を表す「そうなんですね」の敬語には「左様でございますか」を使いましょう。「そうなんですね」の敬語の最上級の表現
「おっしゃる通りです」の最上級は「おっしゃる通りでございます」か「仰せの通りでございます」です。「仰せの通り」は「おっしゃる通り」を格調高く言い換えたフレーズであり、社会的地位がかなり上の相手に使います。「そうなんですね」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「おっしゃる通りです」や「左様でございますか」は目上の人との会話で頻出するフレーズです。そのため、ビジネスメールや手紙で使う機会はそれほど多くありません。ただし、相手の文章に返信する際、流れ次第では使うこともあります。以下、例文です。「おっしゃる通りです。私共も改めて、気を引き締めてプロジェクトに挑む所存です」「このたびはご教示ありがとうございます。おっしゃる通りです。弊社はIT分野についてまだ駆け出しであり、より一層の努力をしていきたいと存じます」「左様でございますか。失礼ながら存じ上げませんでした」「左様でございますか。そのような情報をご開示いただき、まことにありがとうございます。今後の参考にさせていただきます」
「そうなんですね」を上司に伝える際の敬語表現
上司とのやりとりでは「おっしゃる通りです」の形でも通用します。むしろ、「おっしゃる通りでございます」や「仰せの通りでございます」といったフレーズは、おおげさに聞こえる場合も少なくありません。ただし、役員や社長などの地位の高い方を相手にするときは、最上級の敬語を用いるようにしましょう。なお、「左様でございますか」は上司が相手でも問題なく使える語句です。「そうなんですね」の敬語での誤用表現・注意事項
ビジネスシーンで注意したいのは、「おっしゃる通りです」を連発してしまうことです。もちろん、「おっしゃる通りです」は一種の定型句であり、商談や会議でも頻繁に使われています。ただ、短時間で繰り返し使っていると、相手の話をしっかり聞いていないような印象になりかねません。また、相手をあしらっているような雰囲気も生まれてしまいます。「おっしゃる通りです」が口癖にならないよう、気をつけましょう。「そうなんですね」の敬語の誤用としては、「おっしゃる通り」が挙げられます。これは「おっしゃる通りです」や「おっしゃる通りでございます」の語尾を省略した形です。「おっしゃる」自体が尊敬語なので、語尾を省いても敬語として成り立つと考えている人はいるでしょう。しかし、語尾のない言葉はなれなれしいニュアンスになってしまいます。ビジネスシーンでは適さない表現なので、顧客や取引先には「です」や「ございます」まで述べるようにしましょう。
「おっしゃる通りです」をより丁寧に言い換えようとして「おっしゃられた通りです」とするのも間違いです。これは尊敬語の「おっしゃる」に、同じく尊敬語の「~される」を組み合わせた二重敬語です。一部の例外を除き、尊敬語を連続してつなぐのは文法的に成立しません。不自然な日本語になるので、「おっしゃられた通りです」とは言わないようにしましょう。
そのほか、感嘆の意味の「左様でございますか」を使うときは、相手のどの言葉に反応しているのか分かるようにするのがポイントです。たとえば、相手から商談の感想をメールで送られたとします。その返信として、「当方としては問題に気づいておらず、左様でございましたか」と書けば、文意が分かりにくくなってしまうでしょう。まずは「左様でございましたか」と書くことで、相手の感想への反応だと示せます。その後で、「当方としては問題に気づいておりませんでした」と本題に入っていくのが、一般的なビジネス文書の流れです。
なお、「左様でございますか」は受け手の心の動きを伝えている言葉でもあります。そのため、後に「ありがとうございます」や「申し訳ございませんでした」といった、感謝やお詫びのフレーズも添えておくことが丁寧な形です。
「そうなんですね」の敬語での言い換え表現
「おっしゃる通りです」の類語には「ご指摘の通りです」「ご明察の通りです」「ご推察の通りです」などが挙げられます。いずれも大意は「おっしゃる通りです」と変わりません。相手の意見に同意し、称賛する意図がある言葉です。そのため、「おっしゃる通りです」の言い換えとして使えます。ただし、「おっしゃる通りです」と比べた場合、やや堅苦しい表現だといえるでしょう。身近な相手に使う敬語としては、不自然になることがあります。より、気軽に使いやすいフレーズは「ごもっともです」です。これも強い同意を示すための言葉です。次に、「左様でございますか」の類語には「そうでございますか」があります。ここでの「そう」とは、相手の意見を表す代名詞です。ただ、「そうでございますか」はカジュアルな表現なので、目上の相手に使用するのは避けた方が良いです。
《そうなんですね》の敬語
「そうなんですね」の敬語の使い方
「そうなんですね」は、日常生活でもよく使いますし、ビジネスシーンでも割と使われている表現です。会話のつなぎ目に、「そうなんですね」と相槌を打って、相手の話をきちんと聞いていることを表すことができます。使い勝手が良く便利なので、多用する人も多いです。 ただ敬語として間違っているのではないかと不安に感じたり、違和感を覚えるシーンがあります。「そうなんですね」は、「そうなのですね」や「そうですね」が変化したものです。「です」と言っているので丁寧語になりますが、最後の「ね」で少し柔らかいニュアンスになっている敬語です。言葉そのものが間違っているとか、即失礼ということにはあたりません。「そうなんですね」を使うときの注意点
「そうなんですね」は敬語ですが、使うシーンや使い方によっては、失礼な印象を相手に与えてしまうこともあります。ビジネスシーンで、例えば目上の人やお客様に使うときには特に注意が必要です。他の言葉に置き換えたりして、ややかしこまった形で相槌を打つようにすると良いです。例えば長い会話の中で、1度だけ「そんなんですね」と言うのは、さほど失礼には当たりません。しかし、あまりにも連発したり、言葉のつなぎ目に全て「そうなんですね」を使っていると、本当に話を聞いているのかと疑いたくなります。「そうなんですね」と言った後に、さらに話の中身を追求するような質問を投げかけたり、自分はこうだったなどと付け加えるのも良いです。少し工夫があるだけでも、相手に与える印象は随分違います。「そんなんですね」が失礼に映ってしまうのは、もっと適切な言葉があるのではないかと考えてしまうからです。会話では不自然なく使えることも多いですが、文章中の書き言葉としては不適切。多用すると話を聞き流している不誠実な印象を与えてしまいかねません。言い方も、語尾を少し伸ばし気味にするなどは控えておいた方が良いです。「そうなんですね」は言い換え表現も多い
「そうなんですね」と同じ意味で使える敬語が、日本語にはたくさんあります。かしこまった良い方だと、「左様でございますか」があります。こちらはかなり硬い表現になるため、距離感が近い相手に言うと逆に不自然になることも。普段あまり会わないような人や、相当目上の人に使うと自然です。少しだけ変化をつけて、「そうなのですね」と言うと引き締まった表現になります。「そうなんですね」よりもだいぶ相手を敬っているイメージが強くなるので、意識的に使ってみるのも良いです。同じように、「そういうことだったのですか」は納得を付け加えた表現になります。自分の中でしっかりと噛み砕いた印象を与え、話を聞いていることを表せます。「おっしゃる通りです」も、「そうなんですね」の言い換え表現として使える場面があります。同じ意見を持っていることなどをアピールでき、相手を乗せる時にも使える表現です。どれも目上の人への返答や相槌として使うことができますが、同じ言葉を多用しすぎないことや、言葉に気持ちを込めなければいけないことは共通しています。「そうなんですね」と比較しても失礼になりにくいので、いくつかを使い分けるようにすると良いでしょう。- 《そうなんですね》の敬語のページへのリンク